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「性別変更」法改正が見通せない状況に [現代の性(性別越境・性別移行)]

11月24日(金)

高裁に差し戻しになった第3条1項5号(性器外観近似要件)についての判断が確定するまで(1年後?)は、法改正は進まないと思う。

たしかに最高裁が違憲とした条文を、立法府が放置するのは「立法の不作為」だが、今回は5項についての憲法判断を待たないと、法改正が二度手間になりかねない。

何度も言っているように、性別移行に関する法制は、「性同一性障害」という病理概念が消失した現状を踏まえて、要件論だけではなく、枠組みから再検討して立て直す必要がある。
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「性別変更」法改正が見通せない状況に…特例法の一部は最高裁判断見送り、自民は保守層反発を警戒
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10月に最高裁で違憲判断が出た性同一性障害特例法を巡り、改正法案の今国会への提出が見通せない状況になっている。特例法の一部について最高裁が判断を見送ったことに加え、自民党が保守層の反発を警戒し、様子見の構えを崩していないためだ。

特例法は、性別変更の要件として、医師2人の診断に加え、〈1〉18歳以上〈2〉結婚していない〈3〉未成年の子がいない〈4〉生殖機能を欠く〈5〉変更後の性別と近い性器の外観を備える――を求めている。

最高裁は10月、手術を受けずに戸籍上の性別を男性から女性に変更するため、申し立てられた家事審判で、特例法の〈4〉の生殖不能要件を違憲とする決定を出した。一方、〈5〉の外観要件については「2審で判断されていない」として、審理を高裁に差し戻した。

最高裁の裁判官15人のうち3人は外観要件も違憲としており、今後、各地の裁判所で同様の事案を巡り、外観要件についても違憲判断が出る可能性がある。そのため、外観要件を含めた早急な見直しを求める声が出ている。

特例法改正の具体的な論点では、外観要件の取り扱いや、性同一性障害を認定する上で、医師の診断を厳格化することなどが 俎上そじょう に載るとみられる。

仮に外観要件を削除すれば、公衆浴場や更衣室の使用を巡って社会に混乱が生じるとの懸念もあり、男女別スペースの法整備も議論の対象となりそうだ。

ただ、法改正に向けた動きは低調だ。特例法は議員立法で制定されたため、所管する法務省は、政府が提出する法案で修正することには消極的だ。自民党でも現段階では、議員立法提出に向けた具体的な動きは出ていない。

今年の通常国会で成立した性的少数者(LGBT)への理解増進法を巡っては、「不当な差別」の定義が曖昧な問題などを抱えながら、自民が成立を主導し、保守層が離れたとの見方があるためとみられる。自民のベテラン議員は「どこまで踏み込めばいいのか、さじ加減が難しい」と漏らした。

ただ、最高裁の違憲判断が出た法律を放置し続ければ、「立法の不作為」との批判を招きかねない。政府関係者は「自民と連携し、なるべく早く改正内容を固めたい」と焦りの色を見せている。

『読売新聞』2023/11/24 07:15
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20231123-OYT1T50225/
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