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「経産省職員トイレ使用制限訴訟」の論点 [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月20日(火)

7月11日に最高裁判決が出る予定の「経産省職員トイレ使用制限訴訟」の原告は、専門医から性同一性障害の診断を受け、かつ,職場において女性として扱う必要がある旨の診断を受けている。

その前提で、原告が敗訴した2021年5月の東京高裁判決でも、「個人が、自認する性別に即した社会生活を送ること」が「重要な法的利益」であること(1審の東京地裁判決)は追認しているので、今回の最高裁の審理は、そこが争点ではない。

裁判の争点は、施設(トイレ)管理者である経産省と国家公務員を管轄する人事院による原告への「トイレ使用制限」の妥当性、さらにその判断の根拠となる理由の事実性。
最高裁が弁論を開いた以上、この点で、高裁判決は覆ると思われる。

性同一性障害の診断を受けた人にとって「自認する性別に即した社会生活を送ること」が「重要な法的利益」であることは、最高裁の判断を待つまでもなく、すでに判例になりつつある。

そもそも、この裁判は、性同一性障害の診断を受けている人(原告)の訴訟であり、トランスジェンダー(誕生時に指定された性別とは異なる性別で生活している人)であっても、性同一性障害の診断を受けていない人にまで一般化できるものではない。

また、あくまで経産省のトイレの使用に関する裁判であり、拡げても官公庁・庁舎のトイレまでで、一般の公衆トイレの使用にまで拡張できる
ものでもない。

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