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『朝日新聞』夕刊「時代(とき)の栞」のコラム [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

2月26日(水)

今日(26日)の『朝日新聞』夕刊「時代(とき)の栞」のコラム。
私の名前になっていますが、実際は2時間以上に及ぶインタビューの内容を岩井建樹記者がまとめたものです。
私の文体ではないのは、私の書いたものを読んでくださっている方にはわかると思います。
また、字数の制約でかなり舌足らずになっています。
(これでもぎりぎりまで直しを入れたのですが)
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■前近代の日本は寛容だった 
  性社会・文化史研究者、三橋順子さん(64)

男として生まれた私は性別違和に悩み、30歳で女装を始め、52歳から女性として生活しています。

前近代の日本は、女装や、そうした女装者と男性との性行為に、比較的寛容でした。人々は、男であり女でもある女装者の存在を畏怖(いふ)し、魅了されてきました。

しかし明治以降、同性愛や異性装を病気とみなす西欧の考え方が輸入され、抑圧を受けました。それでも「異性装好き」は庶民レベルでは続きます。男が女を演じる歌舞伎も、その名残です。

男性の体で生まれた人が女性として生活する時、女性に見える容姿が求められます。男っぽいと、女性として扱われない。だから手術で顔や体を変えることを含め容姿を磨かなければならない。これは当事者の望みであると同時に、社会からの強い圧力です。

同性婚の法制化やトランスジェンダーの就労など「公」の領域において、日本には課題があります。ただ、欧米のほうが当事者にやさしい社会との見方はやや誤解です。キリスト教保守派によって「背教者」とみなされる当事者の生存権を守るために、西欧では法的な保護が進んだとみています。

ここ5年で報道やSNSの影響もあり、当事者が可視化され、リアリティーのある存在になりました。性的少数者の権利を回復する流れは止まりません。10年後、20年後、当事者がより生きやすい社会になると考えます。


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