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「山梨発LGBTを考える<5> 三橋順子さんに聞く」(『山梨日日新聞』2017年4月15日) [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

4月16日(日)

『山梨日日新聞』インタビューが掲載されました。
掲載は下記のアドレスなのですが、有料記事で読めないし、掲載紙もまだ届いていません。
http://www.sannichi.co.jp/article/2017/04/15/00189291
こんなこと言ってます。
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山梨発LGBTを考える<5> 三橋順子さんに聞く」
(『山梨日日新聞』2017年4月15日)

高校の教科書への性的少数者(LGBT)の記載、自治体が同性カップルを公的に認める「パートナーシップ制度」の設立―。LGBTを巡る環境はめまぐるしく変わっている。日本における性別越境者の社会史を研究している都留文科大の非常勤講師で、自分の性に違和感を持つトランスジェンダーの当事者でもある三橋順子さんは「身近な人たちに性的違和や性的指向を理解してもらうことで、本人の生きづらさは軽くなる」と指摘する。

 ―性的少数者を取り巻く環境は。
私自身が性別違和を強く感じたのは1980年代で、当時はLGBTの概念はなく、自分のことを理解できませんでした。当事者が表だって声を上げることも少なかったため、「この人みたいになりたい」と目標になる人もおらず、本当に苦しかったのを覚えています。

大学生に講義をしていると、「知り合いにLGBTの当事者がいる」という学生が増えてきています。若者にとって性的少数者は身近な存在になりつつあり、本人の置かれた状況や苦悩を理解しようとしていると感じられます。自分の身の回りにいない、という人たちは想像力を働かせることができず、当事者に心ない発言をしがちです。

 ―当事者にどう接すればいいか。
海外では宗教上の理由などからLGBTの当事者が迫害されることがあり、命の危険さえあります。しかし、私が調べた限りでは、日本ではLGBTであることだけを理由に危害を加えられたヘイトクライム(憎悪犯罪)はほとんどありません。地方でも「珍しいね。初めて見たよ」と言われることはあっても、「村に入ってくるな」と顔をしかめる人はいません。日本社会の誇るべきところだと思います。

LGBTだからと特別扱いせず、一般の人と同じように普通に接すればそれでいいのです。レストランで普通に注文を取ってもらえる、就職面接で門前払いせずに能力を普通に評価してくれればそれでいい。LGBT専用トイレを作るより多目的トイレを増設した方がいいと私は思います。配慮は必要ですが、「特別枠」を作ることで逆に差別を助長しかねません。

―当事者の生きづらさを軽減するには。
当事者が声を上げやすい環境を整えていく必要がありますが、すべての人たちがLGBTへの理解を示すことは現実的には難しいと思います。本人の支えになるのは、最も身近な存在である親や親しい友人でしょう。思春期の性別違和が大人になって和らぐこともあるので、成長に寄り添いながら性的違和や性的指向を理解してあげてほしいと思います。

 ◇

 みつはし・じゅんこさん。都留文科大や明治大などで非常勤講師を務める。著書に「女装と日本人」(橋本峰雄賞)など。
 
【追記(21日)】掲載紙が届きました。
山梨日日新聞20170415 (2) - コピー.jpg
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