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「演劇研究会」関係資料の保全 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

3月14日(火)

拙宅には、1950年代後半に活動した日本最初のアマチュア女装秘密結社「演劇研究会」の資料(会誌・名簿・通信)が保存されている。

会員だった女装者の方(故人)から寄贈されたものだが、そもそも会員数最大72名の会で、一般配布はしていないので、印刷(ガリ版)された部数がとても少ない(おそらく40~70部)。
しかも内容が内容なので、現物はおそらくこの世に1,2点しか残っていないと思われる。

ちなみに会誌『演劇評論』は全25号(合併号があるので24冊)の内、9、11、12、14、15、16、19、20、21、23・24合併号の10冊を山崎淳子さん(会員番号48番)寄贈の現物で、5、6、13、17、18、22、25号の7冊を美島弥生さん(会員番号56番)所蔵のものをコピーして持っている。
全24冊の内、17冊を所持しているが、1~4号、7、8、10号は未見で、この世に存在するかどうか、かなり疑わしい。

演劇評論(山崎淳子さん寄贈)(2).JPG
↑ 『演劇評論』(山崎淳子さん寄贈分)
演劇評論21号・23.24合併号 (2).JPG
↑ 『演劇評論』21号と23・24合併号

それに加えて、1956年5月発行の会員名簿と、『演劇評論』が刊行できなくなった末期に発行された「演研通信」1~6号(1、2、5、6が現物、3、4はコピー)がある。
演劇研究会会員名簿(1956年5月) (2).jpg
↑ 会員名簿(1956年5月発行)

「戦後日本〈トランスジェンダー〉社会史研究会」の資料収集の際にすべてコピーを取り、某大学の研究室に保管されているので、ウチが地震で潰れても火事で焼けても隠滅はしないが、やはり現物は貴重だ。

だが、なにしろ60年近く前のもので、紙の劣化が進んでいる。
とくに、1枚刷りの「演研通信」が、扱うのがけっこう怖い状態になっている。

以前から、画像資料にして保全しておく必要を感じていたがなかなか時間が取れなかった。
今日、「演研通信」だけだが画像に取りこんだ。

演研通信1-1(2).jpg
↑ 「演研通信」1号(1958年1月発行)
演劇通信5-1 (2).jpg
↑ 「演劇通信」5号(1958年5月発行)
演劇通信6-1(2).jpg
↑ 「演劇通信」6号(1958年10月発行)

性的マイノリティの戦後初期資料(多くは同人誌)は、トランスジェンダーだけでなく、ゲイもレズビアンも、残存数が少ない。
こうした希少資料を後世にどう伝えていくか、真剣に考えなければならない時期に来ている。

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