柏市の「通り魔」事件 [事件・事故]
３月４日（火）
深夜の住宅地で、通りすがりの人がめった刺しに殺されて、その犯人が凶器を持ったまま逃走中というのに、どうも報道に切迫感がないような気がする。
もう通り魔なんて、珍しくないということなのだろうか？
現場の柏市あけぼの５丁目は、ＪＲ柏駅西口から国道６号線に出て400ｍほど北東に行き、西に入った住宅地。
事件の経緯は以下の通り
（０）（１）の少し前、柏駅から帰宅途中の女性が、男に「すいません、ちょっと」と声を掛けられた。
不審に思った女性は男を無視して走りながらスマホで警察に通報し、自宅に逃げ込んだ。
（１）3月3日23時35分頃、千葉県柏市あけぼのの路上で、25歳の男性が自転車に乗っていたところ、近づいてきた男に、「すみません」と声をかけられた。
男性が男を見たところ手にナイフを持っていて突き刺してきたので、手でナイフを振り払ったが、手を切られてた。男は逃走。自転車の男性は自転車で500m先にあった柏警察署に逃げ込み助けを求め、軽傷で済んだ。
（２）3月3日23時35分ころ、千葉県柏市あけぼの5丁目の路上で、会社員池間博也さん（31）が、前から近づいてきた男に刃物のようなもので突然背中などを複数回刺された。
刺された男性は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
（３）第２の事件の直後、車で帰宅途中の男性会社員（44）が、倒れている男性（第２事件の被害者）を見つけ、運転席から通報しようとしたところ、突然、男にナイフを突きつけられ、「金を出せ、俺はもう、1人殺してきた、死にたいのか」と脅され、現金3500円入りの財布を強奪された。
男性は運転席から降ろされ、車も一時奪われたが、何らかの理由で発進できず、男は車から降りたという。
（４）第３の事件の直後、自動車を運転していた男性が、道路に倒れている第２事件の被害者を発見、車を降りて男性に近づこうとしたところ、犯人の男が運転席に乗り込み急発進、車を奪って逃走。
奪われた車は4日3時頃、1.5km離れた、柏市柏呼塚344-4のコンビニエンスストア「ローソン」の駐車場でエンジンの掛かったままの状態で、乗り捨てられているのが発見された。
この間、警察はほとんど何も対応していない。
柏警察署は現場から500ｍ足らずの距離なのに。
先月28日にも今回の現場から２キロ離れた場所で、女性が棒でめった打ちにされた通り魔事件が発生している。
なぜ、もっと遠くまで逃げなかったのだろうか？
犯人は柏市に住んでいるのかもしれない。
無差別に声を掛けていることから、個人的な怨恨ではなく強盗・殺傷が目的と思われる。
さらに28日の事件が同一犯人だとすると、強盗より無差別な殺傷が目的なのかもしれない。
ともかく、この犯人、相当に壊れていて危険だ。
柏市は、バブル期に急成長して、駅前に大手デパートが３つも進出するなど、南隣の松戸市をしのいで東葛地域第一の「都会」になった。
私は本来まったく地縁が無い場所だったが、1990年中頃、柏市史の調査・執筆のため、数年間、かなりの頻度で通った。
それにしても、常磐線沿線は「通り魔」事件が多い。
2008年3月には茨城県土浦市（２人死亡、７人重傷）で、2010年12月には茨城県取手市（高校生9人、中学生3人、一般人2人が負傷）で・・・。
常磐線沿線は、1970～80年代の経済成長期に急造された地域社会が多い。
1990年代以降の経済停滞・衰退によって、そうした地域社会に、いろいろ澱（おり）が溜まってしまったのかもしれない。
【追記（5日）】
14時08分、共同通信が「殺された男性と同じマンションに住む男を任意同行」と報道。
15時のＮＨＫのニュースの「通り魔」報道では「任意同行」には触れず。
15時27分、時事通信が「殺された男性と同じマンションに住む男（24）を事情聴取中」「事件に関して重要な話をしている」と報道。
16時、17時のＮＨＫのニュースでは「通り魔」事件に触れず。
17時55分、事情聴取中の男の自宅を殺人容疑で家宅捜索（朝日新聞・ＡＮＮ「Ｊチャンネル」など）。
19時過ぎ、家宅捜索終了。
19時半、男、警察署に戻る。
21時30分、殺人容疑で逮捕状請求手続きへ（ＮＨＫニュース）。
6日0時過ぎ、竹井聖寿（24歳 無職）を逮捕。
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凶器持ったまま逃走か、市民生活に影響…通り魔
千葉県柏市あけぼので３日深夜に起きた２人死傷の連続通り魔事件で、殺害されたのは、近くの会社員池間博也さん（３１）と判明した。
池間さんを刃物で殺害した男は、様子を見に来た男性らを次々と襲い、金や車を奪っていった。現場周辺の住民はこの間、異様な叫び声を聞いていた。男は、凶器を持ったまま逃走した可能性があり、柏市内では市民生活にも影響が出た。
県警の発表によると、池間さんは３日午後１１時３６分頃、刃物で刺された後、首や背中などから血を流し、約１時間後に死亡が確認された。県警は４日、犯人の似顔絵を公開。５日に遺体を解剖し、死因を調べる。
池間さんは現場から約２０メートル離れたアパートで一人暮らし。近所に住む女性（７１）も、自宅から出てくる池間さんをよく見かけたといい、「ラフな感じの服装をしていて、感じのいい人に見えた。まだ若いのにこんなことになって気の毒」と声を落とした。
『読売新聞』2014年3月4日22時34分
深夜の住宅地で、通りすがりの人がめった刺しに殺されて、その犯人が凶器を持ったまま逃走中というのに、どうも報道に切迫感がないような気がする。
もう通り魔なんて、珍しくないということなのだろうか？
現場の柏市あけぼの５丁目は、ＪＲ柏駅西口から国道６号線に出て400ｍほど北東に行き、西に入った住宅地。
事件の経緯は以下の通り
（０）（１）の少し前、柏駅から帰宅途中の女性が、男に「すいません、ちょっと」と声を掛けられた。
不審に思った女性は男を無視して走りながらスマホで警察に通報し、自宅に逃げ込んだ。
（１）3月3日23時35分頃、千葉県柏市あけぼのの路上で、25歳の男性が自転車に乗っていたところ、近づいてきた男に、「すみません」と声をかけられた。
男性が男を見たところ手にナイフを持っていて突き刺してきたので、手でナイフを振り払ったが、手を切られてた。男は逃走。自転車の男性は自転車で500m先にあった柏警察署に逃げ込み助けを求め、軽傷で済んだ。
（２）3月3日23時35分ころ、千葉県柏市あけぼの5丁目の路上で、会社員池間博也さん（31）が、前から近づいてきた男に刃物のようなもので突然背中などを複数回刺された。
刺された男性は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
（３）第２の事件の直後、車で帰宅途中の男性会社員（44）が、倒れている男性（第２事件の被害者）を見つけ、運転席から通報しようとしたところ、突然、男にナイフを突きつけられ、「金を出せ、俺はもう、1人殺してきた、死にたいのか」と脅され、現金3500円入りの財布を強奪された。
男性は運転席から降ろされ、車も一時奪われたが、何らかの理由で発進できず、男は車から降りたという。
（４）第３の事件の直後、自動車を運転していた男性が、道路に倒れている第２事件の被害者を発見、車を降りて男性に近づこうとしたところ、犯人の男が運転席に乗り込み急発進、車を奪って逃走。
奪われた車は4日3時頃、1.5km離れた、柏市柏呼塚344-4のコンビニエンスストア「ローソン」の駐車場でエンジンの掛かったままの状態で、乗り捨てられているのが発見された。
この間、警察はほとんど何も対応していない。
柏警察署は現場から500ｍ足らずの距離なのに。
先月28日にも今回の現場から２キロ離れた場所で、女性が棒でめった打ちにされた通り魔事件が発生している。
なぜ、もっと遠くまで逃げなかったのだろうか？
犯人は柏市に住んでいるのかもしれない。
無差別に声を掛けていることから、個人的な怨恨ではなく強盗・殺傷が目的と思われる。
さらに28日の事件が同一犯人だとすると、強盗より無差別な殺傷が目的なのかもしれない。
ともかく、この犯人、相当に壊れていて危険だ。
柏市は、バブル期に急成長して、駅前に大手デパートが３つも進出するなど、南隣の松戸市をしのいで東葛地域第一の「都会」になった。
私は本来まったく地縁が無い場所だったが、1990年中頃、柏市史の調査・執筆のため、数年間、かなりの頻度で通った。
それにしても、常磐線沿線は「通り魔」事件が多い。
2008年3月には茨城県土浦市（２人死亡、７人重傷）で、2010年12月には茨城県取手市（高校生9人、中学生3人、一般人2人が負傷）で・・・。
常磐線沿線は、1970～80年代の経済成長期に急造された地域社会が多い。
1990年代以降の経済停滞・衰退によって、そうした地域社会に、いろいろ澱（おり）が溜まってしまったのかもしれない。
【追記（5日）】
14時08分、共同通信が「殺された男性と同じマンションに住む男を任意同行」と報道。
15時のＮＨＫのニュースの「通り魔」報道では「任意同行」には触れず。
15時27分、時事通信が「殺された男性と同じマンションに住む男（24）を事情聴取中」「事件に関して重要な話をしている」と報道。
16時、17時のＮＨＫのニュースでは「通り魔」事件に触れず。
17時55分、事情聴取中の男の自宅を殺人容疑で家宅捜索（朝日新聞・ＡＮＮ「Ｊチャンネル」など）。
19時過ぎ、家宅捜索終了。
19時半、男、警察署に戻る。
21時30分、殺人容疑で逮捕状請求手続きへ（ＮＨＫニュース）。
6日0時過ぎ、竹井聖寿（24歳 無職）を逮捕。
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凶器持ったまま逃走か、市民生活に影響…通り魔
千葉県柏市あけぼので３日深夜に起きた２人死傷の連続通り魔事件で、殺害されたのは、近くの会社員池間博也さん（３１）と判明した。
池間さんを刃物で殺害した男は、様子を見に来た男性らを次々と襲い、金や車を奪っていった。現場周辺の住民はこの間、異様な叫び声を聞いていた。男は、凶器を持ったまま逃走した可能性があり、柏市内では市民生活にも影響が出た。
県警の発表によると、池間さんは３日午後１１時３６分頃、刃物で刺された後、首や背中などから血を流し、約１時間後に死亡が確認された。県警は４日、犯人の似顔絵を公開。５日に遺体を解剖し、死因を調べる。
池間さんは現場から約２０メートル離れたアパートで一人暮らし。近所に住む女性（７１）も、自宅から出てくる池間さんをよく見かけたといい、「ラフな感じの服装をしていて、感じのいい人に見えた。まだ若いのにこんなことになって気の毒」と声を落とした。
『読売新聞』2014年3月4日22時34分
2014-03-04 23:28
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