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「ツングースカ大爆発」の原因、解明される [天文・気象・生物]

7月5日(金)
記事にある発見と分析の経緯は、昔、天文学を勉強し、流星や隕石、彗星についての知識がある者として、納得がいくもので、「ツングースカ大爆発」の長年の謎がついに解明されたようだ。
「ツングースカ大爆発」は、1908年6月30日7時2分(現地時間)頃、ロシア帝国領中央シベリア、エニセイ川支流のポドカメンナヤ・ツングースカ川上流(現 ロシア連邦クラスノヤルスク地方)の上空で天体の地球大気圏突入によって起こった大爆発。
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爆発によって強烈な空振が発生し、半径約30~50kmにわたって森林が炎上、約2150平方キロメートルの範囲の樹木がなぎ倒され、1000km離れた家の窓ガラスも割れた。爆発による閃光はヨーロッパ西部にも届いた。
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↑ クーリック探検隊による爆心地近くの写真(1927年)。森林が一定方向になぎ倒されている。
爆発の原因になった天体については、主に隕石(主成分は岩石や鉄)と彗星(イメージは土砂や小石混じりの汚れた雪玉)の両説があり、隕石の破片が発見されなかったことから、今までは、小さな彗星が地球と衝突し爆発・蒸発したとする説が有力だった。
今回、小さいとはいえ、当時のものとして間違いない隕石の破片が発見されたことにより、隕石説がほぼ決定的になった。
にもかかわらず、日本で報道しているのが「msn産経」だけというのは何故?
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「ツングースカ大爆発」の原因、解明される
これまで原因が不明とされてきた、105年前の「ツングースカ大爆発」。このほどウクライナ、ドイツ、米国の科学者のグループが、隕石の微小な残片を確認した。
1908年6月30日朝7時、シベリアのツングースカ川上空で巨大な火の玉が爆発し、周辺に広がる無人の森を約2,150平方キロメートルにわたって破壊した。
このツングースカ大爆発では、火の玉が空を横切った際に生じた熱風がすべての物を焼き払い、続いて衝撃波が発生した。この衝撃波によって木々からは葉や枝がもぎ取られ、大きな森が平らになった。葉や枝をもぎ取られて電柱のような姿になった木々が、どれも衝突場所とは反対の方向を向いて立っている写真から、衝撃の強さと影響範囲がわかる。
現場からは隕石の痕跡が見つからなかったため、多くの科学者は彗星の落下が原因と結論づけた。彗星は主に氷でできており、爆発すると蒸発するからだ。だが105年経ったいま、科学者たちが大爆発の原因が隕石であることを明らかにした。ウクライナ、ドイツ、米国の科学者のグループが、隕石の微小な残片を確認したのだ。
研究者たちは、ツングースカ大爆発が起きた年の夏のものである泥炭(植物が部分的に腐敗したもの)の層から、微小な断片を取り出して収集した。
ウクライナ国立学士院のヴィクトル・クヴァスニツィヤらは、最新の画像分光法によって炭素鉱物(ダイヤモンド、六方晶ダイヤモンド、グラファイト)の集合体を確認した。
特に六方晶ダイヤモンド(ロンズデーライト)は、炭素を多く含む物質が爆発によって発生した衝撃波に突然曝された場合に形成されることが知られている。自然界では隕石が地球に衝突したときに起きる
確認された六方晶ダイヤモンドの断片には、鉄の硫化鉱物であるトロイリ鉱(トロイライト)や、鉄ニッケル合金のテーナイトといった、もっと小さな含有物が含まれている。トロイリ鉱とテーナイトはいずれも隕石などの宇宙物質に含まれる典型的な鉱物で、断片にこれらの鉱物が組み合わさって含まれていれば、元は隕石だったことを示している。これとほぼ同じ鉱物がアリゾナ州に存在する衝突クレーター、バリンジャー・クレーターでも発見されている。
ツングースカ大爆発は、人間が記録しているなかで最大の隕石衝突だ。米国の研究者たちはツングースカ大爆発の破壊力がTNT火薬にして5メガトン相当だと推定している(広島に投下された原爆の数百倍にあたる)。ツングースカ大爆発をもたらした隕石は、ある角度で大気圏に突入した時に分裂したため、完全な状態で地表に到達した破片はほとんどなかった。シベリアの泥炭中で化石化していた残片がいずれも微小なのは、そのためだ。
※米サンディア国立研究所の研究チームは2007年、スーパーコンピューターを使った分析により、ツングースカ大爆発では隕石自体は小型だったが、衝突前のエアバーストの威力が大きかったことを明らかにした(日本語版記事)。音速よりも速い高温ガスの強力な下降気流が生じたとし、比較的小さな小惑星などでも、地球に衝突した場合に予想される被害規模は大きいと警告した。

「msn産経ニュース」2013.7.2 12:24
http://sankei.jp.msn.com/wired/news/130702/wir13070212250001-n1.htm

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SLD-MAGICファン

 ダイヤモンドやカーボンの話はもともとは新規に合成された工具鋼の話が拡大していっていまやサイエンスフィクション化されつつありますね。
by SLD-MAGICファン (2015-06-09 23:39) 

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