久しぶりに「キントト文庫」へ

（続き）
電車で学芸大学駅に移動。
昼食は西口バス通りのネパール食堂「サノバンサ」へ。

いつものように、カレー2種類のＢランチ（900円）。

今日の「日替わり」は、蕪とチキンのカレー。蕪の葉っぱも入っている。

定番のマトンカレーは、お肉たっぷり。

13時過ぎ、「仕事部屋」へ。
郵便物の整理。
インターネット古書店「太陽野郎」に注文した古い雑誌を受け取る。
所蔵漏れだった『風俗草紙』1954年8月号と1960年代初頭の「実話雑誌」３冊。
「実話雑誌」どれも「当たり！」（収集対象の記事があったという意味）。
詳しい紹介は後日。
ちなみに、注文メールの返信に「三橋様のブログは以前から拝見しております。」とあってびっくり（恐縮です）。

14時過ぎ、再外出。
学芸大学東口商店街の「ドトール」で、都留文科大学ジェンダープログラム７周年記念論集『ジェンダー研究で拓く共生社会』に掲載する論文の初校ゲラをチェック。
年末の内に、一通り見ておいたので、確認作業。

東急東横線（中目黒駅乗換）東京メトロ日比谷線（日比谷乗換）都営地下鉄三田線を乗り継いで神保町駅へ。
神保町２丁目の「論創社」を尋ねて、校正ゲラを手渡しする。

久しぶりに、すずらん通りの「キントト文庫」へ。
明治大学（駿河台）で講義があった前期（４～７月）はほとんど毎週のように通っていたが、講義がないとなかなか来られない。

３冊購入。
（１）中野江漢『（支那風物書第５編）支那の売笑（補訂版）』（支那風物研究会　1923年初版、1926年補訂版）

中野江漢（1889～1950年）は、1914年（大正3）年北京にわたり、支那風物研究会を主宰し、「支那風物叢書」などを刊行するなど、大正～昭和戦前期に活躍した中国民俗研究家で、中国の性風俗にも詳しかった。
「売笑」とは現代語では「売春」のこと。
この本は、1923年（大正12）12月に支那風物書の第５編として1000部刊行されたが、たちまち売り切れて、翌1924年（大正13）に1000部を再版。
それでも需要が多く、補訂を加えて、1926年6月に補訂版3000部が刊行された。
江漢自身は「自序」で「支那社会研究家としての任務を遂行せんが為に」「（支那社会）研究の一端を発表したに過ぎ」ず、「『女郎買ひの手引』を目的として書いたものではなく」「支那社会の実状を開明するという立場から、真面目に筆を執った」と述べている。
しかし、この本の読者のほとんどは、支那（とりわけ北京）における「女郎買ひの手引書」として購入したと思われる。
私は、ほんの数行出てくる「相公」（シャンコン＝女装の男娼）の資料として5000円を払って購入。

（２）小林亜星（滝田ゆう：画）『あざみ白書』（1980年5月　サンケイ出版）

作曲家、俳優の小林亜星（1932～）が若い頃の色街巡りの思い出をつづったエッセー。
著者は1932（昭和７）生まれなので、「赤線」（昭和戦後期の黙認買売春地区、1946～1958年3月）末期には20歳代半ばの「やりたい盛り」の社会人だった。
東京都杉並区出身で慶応義塾大学卒業なので、東京の「赤線」がたくさん出てくる。
さらに地方の「赤線」や温泉地の話も興味深い。
絵は戦前の私娼窟「玉の井」育ちの滝田ゆう（1931年～1990年）。

（３）『思想の科学』1994年号6月号　特集・セクシャアリティの愉しみ（思想の科学社）

対談者や執筆者に、ゲイ・ライターの伏見憲明氏、女装雑誌編集者のキャンディ・ミルキィさん、ドラァグ・クィーンの小倉東（マーガレット）さん、作家の斎藤綾子さん、映画監督の浜野佐知さん、脚本家の山崎邦紀さん、漫画評論家の藤本由香里さんなど、友人・知人がたくさん並んでいる。
性別を越えて生きることが精神疾患であるという病理化言説が日本で浮上する以前の、多様性に富んだ伸びやかな雰囲気のセクシュアリティ世界がそこにある。
懐かしいなぁ。
あのまま病理化言説が大流行しなかったら、日本のセクシュアル・マイノリティ世界はどうなっただろう？
取り返しがつかないことはわかっているけども、ついそんなことを考えてしまった。
ちなみに、私のメジャー・デビューは『ｉｍａｇｏ』1996年2月号なので、この段階では『思想の科学』からお呼びがかかるような存在ではなかった。

「タリーズコーヒー（神保町店）」でお茶をした後、すずらんす「スウィート・ポーヅ」で餃子を購入。
神保町駅から都営三田線・東急目黒線乗り入れの電車で自宅最寄り駅へ。

18時過ぎ、仕事帰りのパートナーと待ち合わせ。
「東急ストア」で買い物をして、いっしょに帰る。
19時過ぎ、帰宅。
（続く）