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11月14日(金)国会図書館へ―新宿「青線」小説の調査― [お仕事(調査)]

11月14日(金)   晴れ   東京   16.8度  湿度32%(15時)

10時半、起床。
朝食は、カスタードクリーム・デニッシュとコーヒー。
シャワーを浴びて、髪にあんこを入れて、頭頂部で結んで、シュシュを巻く。

12時半、化粧と身支度。
紺地に白い雲のような模様のロング・チュニック(長袖)、黒のブーツカットパンツ、黒網の膝下ストッキング、黒のショートブーツ、焦茶のトートバッグ。
黄色のニットのポンチョ。

出掛けに、遅い昼食。
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残りご飯と、残りお汁(平茸と卵)。
ん? おかずがない・・・。
14時40分、家を出る。
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90歳の義父が丹精している菊も、そろそろ終わり。
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でも、家の近くの銀杏並木はようやく色づき始めたばかり。

東急徳横線で渋谷に出て東京メトロ半蔵門線で永田町駅へ。
連絡路&有楽町線ホームを延々歩き、議事堂側の出口へ。
久しぶりの国会図書館。
3時間半ほど調べもの。

9月に「東京・新宿の「青線」について―戦後における「盛り場」の再編と関連して―」という論文をまとめたが、その補足調査。
私は歴史学の史料批判を叩きこまれているので、どうもフィクション(小説など)を資料として使うことに禁欲的な傾向がある。
拙著『女装と日本人』についても「なぜ『とりかえばや物語』を使わないのですか?」という批判的質問をずいぶん受けた。
ぜんぜん使わないわけではなく、小説の記述の事実的信頼度の評価に慎重なだけなのだが。

今回、新宿「ゴールデン街・花園街」地区の原型の形成時期について、資料的にもう1つ詰め切れない部分があり、論文には「その時期は確定できないが、1949年秋から1950年春にかけてのことだったと思われる。」と記すにとどめた。

そこで、「藁にもすがつつもり」で小説類を調べてみることにした。
具体的には、電子化資料になっている、朝山蜻一『女の埠頭―変貌する青線の女たち―』(同光社出版、1958年4月)を閲覧、部分コピーする。

その結果、
「また寒い冬がやってきた。三光町の替地は組合員の労力動員で、整地された」(87頁)
「三光町では、和田組の建築地のすぐ隣の地所を買い取って、二丁目のグループが、建築を強行中であった。彼らは和田組より半年もあとから着工して、今や外部のモルタルを塗装中だった」(111頁)
「和田組の建築がやっと完成したその年の七月には、二丁目の方は、とっくに全部開店していて」(111頁)
「その年の暮になると、間口一間半、奥行二間の棟割長屋が連続した花薗小町にも八分通りは、人が住むようになった」(122頁)
という記述を発見。

つまり、新宿駅周辺の闇市、東口の尾津組「竜宮マート」や南口の「和田組マーケット」の露店商たちがGHQの露店整理指令(1949年8月4日)を受けた整理事業(1950年3月末までに撤去完了)に応じて、「三光町」の空き地(原っぱ)への移転を決めて、整地事業をしたのが1949年の冬の初め。
その後、資金面から店舗の建築が中断している間に、二丁目の「赤線」周辺の業者が、駅前の露店商たちの替地の隣接地(南側)を購入して店舗の建設を半年遅れで始め、1950年7月より前には開店してしまう(現在の「新宿ゴールデン街商業組合」)。
そして、追い越された露店商組は、ようやく1950年7月に建物を完成し、その年の暮には8割方の店が営業を始めた(現在の「三光商店街振興組合」)。

ちなみに、朝山蜻一という作家は自宅が新宿「青線」街にあったので、記述の信頼度は高く、他にもいろいろ細かなことがわかった(後日、紹介するつもり)。

ということで、論文の記述は「1949年初冬に整地事業が始まり、1950年7月に建物がほぼ完成した。」と手直して、註を付けることにした。

もうひとつ、思いがけない収穫は、同書に掲載されていた「歌舞伎新町」の入口(アーケード)看板の写真。
歌舞伎新町2 (3).jpg
「歌舞伎新町」は、現在の「ゴールデン街・花園街」地区に相当する青線街「花園歓楽街」と「花園小町」から都電の回送線(現:「四季の道」)を越えた、区役所通りに接したエリアにあった青線街。
現在「星座館ビル」(歌舞伎町1丁目2の7、10階建て、1980年竣工)が建っている場所に相当する。
今まで、収集していた写真(↓)はあまりにも不鮮明で、論文に使うかどうか迷っていたが、これなら問題ない。
歌舞伎新町 (2).jpg

作業をしていたら、若い女性から「三橋先生」と声を掛けられる。
誰かと思ったら、フジテレビ「NONNFIX:僕たち女の子~女装に恋して~」(2013年10月)のディレクター小野さやかさん。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2013-10-17-1
閲覧室なのであまり話はできなかったが、頑張っている様子で何より。
「続編を楽しみにしています」

18時半、退館。
外はもう真っ暗。
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(続き)
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