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4月16日(火)明治大学文学部「ジェンダー論」、講義開始 [お仕事(講義・講演)]

4月16日(火)

今日から、明治大学文学部「ジェンダー論」の講義開始。
12時45分、久しぶりに駿河台へ。
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家を出る前にチェックしたら、予備登録が469人に増えていて,どうなることか、と思ったが、講義開始の時点で、目視で380人前後。
350人上限なので、申し訳ないけど、やっぱり抽選になりそう。

第1講「イントロダクション」。まずまずの震度。
もう少し進みたかったが、最初から焦っても仕方がない。

久しぶりに、大勢の学生さんに接して、ちょっと人疲れ。
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半年ぶりに駿河台下の「丸亀製麺」へ。
好物のアスパラカス天がうれしい。
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英医療機関、18歳未満へのジェンダー関連治療に関する報告書を発表 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月15日(月)

「キャス報告書」の内容は、概ね妥当だと思う。

未成年者の性別移行医療においては、「早期発見・早期治療」は必ずしも適当ではない。
不可逆的な措置は行わず、慎重に進めるべき。

日本では「診断と治療のガイドライン」に従って、未成年者の性別移行医療は慎重に進められているので、(今のところ)大きな問題は起こっていない。

今後もその方向で進んでほしい。

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英医療機関、18歳未満へのジェンダー関連治療に関する報告書を発表

イギリスの国民保健サービス(NHS)イングランドは10日、18歳未満に提供するジェンダー(性自認)関連治療についての報告書を発表した。NHSがこれまで、不十分な研究と「非常に乏しい」科学的根拠によるケアを行っており、子供たちが必要とすることに「十分応えてこなかった」と指摘した。

この報告書は、小児科医のヒラリー・キャス医師が2020年、NHSイングランドから委託され、調査してとりまとめたもの。

キャス報告書では、若者へのジェンダー治療の質を、NHSが提供する他の治療と同水準まで引き上げる必要があると述べた。

また、ジェンダーにまつわる「有害な」議論が、専門家によるオープンな議論を妨げていると指摘した。

NHSイングランドは報告内容について、すでにサービス改善のために著しい進展を実現していると述べている。

NHSではこれまで、子供や若者のジェンダー治療を取り扱う唯一の専門機関として、「性自認・発達サービス(GIDS)」をイングランドとウェールズで運営していた。

しかし2020年に治療への懸念を含む内部告発があったことから、NHSはキャス医師に調査を委託。2021年1月にはGIDSが、NHSから独立した病院監査・評価機関から「不適格」と格付けされ、GIDSは2024年4月に閉鎖された。

388ページにわたるキャス報告書では、子供や若者向けのジェンダー・サービスの運営について、32の改善点を勧告。治療を受けようとする子どもたちの特徴について、もっとしっかり研究し、一人一人の結果についても検討すべきだとしている。

キャス医師はBBCのラジオ番組で、現場の臨床医たちはジェンダー関連治療について「ガイダンスも科学的証拠も訓練もない」状態にあることを懸念していると語った。

また、NHSのこれまでのジェンダー・ケアが科学的証拠に基づく研究に沿ったものではなく、子供たちの必要に適切に応えていなかったと話した。

報告書は、「現実問題として、ジェンダー関連の苦痛を管理するための介入に伴う、その長期的な結果について、きちんとした証拠がない」と指摘している。

報告書は、ジェンダー・サービスを利用する子供や若者は、NHSの他の分野でも期待される最高水準のケアと研究の成果を受ける資格があると主張。さらに、治療のための倫理や訓練を監督し、すべての人が「科学的証拠に基づいた同じ高水準のケア」を受けられるよう、地域のNHSセンターの代表者が、全国的なグループを形成すべきだと付け加えている。

有害な議論が科学的証拠の妨げに
報告書では、患者が新しいクリニックに紹介される際には、必ずしも性自認とは関係のない問題にも対処するよう、臨床医に勧告している。

キャス医師は、こうした「総合的な評価」には、自閉症のような神経発達症のスクリーニングや、メンタルヘルス(こころの健康)の評価が含まれるべきだと言う。

キャス医師はBBCのラジオ番組で、こうした評価によっていわゆる「診断の影に隠れているもの」、つまり患者が自分の性別に疑問を抱いている時に、他の医療問題が見過ごされている問題に対処することができると述べた。

「不幸なことに、ジェンダーに関する議論が、大勢を傷つける有害なものになってしまっているせいで、現場の医療機関が若者の診察に神経質になり、敬遠することが多かった」

「そのため、うつ病や不安神経症、あるいは未診断の自閉症スペクトラム障害を抱える若者には提供するケアを、ジェンダー関連で訪れる若者には提供せず、そのままGIDSに回してしまいがちだった」

キャス医師は、「専門家が意見をオープンに議論することをこれほど恐れ、多くの人がソーシャルメディアで中傷され、最悪のいじめ行為にも似た悪口雑言が飛び交う医療分野は、他にはほとんどない」と付け加えた。

キャス報告書では、こうした「特筆すべき」ほどの有害性・暴力性が、この分野に関する科学的証拠の質やアクセスに悪影響を及ぼしていると指摘している。

若者への治療に慎重さを
NHSイングランドでは現在、性別違和を訴える患者に対し、16歳からホルモン治療の処方が可能としている。

しかしキャス報告書は、これは最大限の慎重な対応を要する対応だと指摘。「18歳になるまで待つのではなく、(16歳の)この時点でホルモン剤を投与する必要があると示す、明確な臨床的根拠」が、16歳からのホルモン治療には必要だと警告している。

キャス医師は、こうしたいわゆる思春期ブロッカーについて、「第2次性徴を阻止する」ために使用しても安全だと裏付けるだけの「しっかりした証拠がない」と指摘。臨床試験として始まったものが、その治験結果が出る前に、より多くの若者に使われた経緯があると述べた。

「人生を変える可能性のある治療を、成人期にどうなるのか分からないまま若者に行うのは、異例のことだ。加えて、その結果を知るための成人期までの追跡調査が行われていないことが、特に問題となっている」

報告書ではまた、性自認に基づき名前や代名詞、服装を変更する、いわゆる「社会的移行」を未成年に許可するかどうかを検討する際、年少の子どもについては思春期の子どもよりも「より慎重なアプローチ」で対応すべきだと警告している。

まだ思春期を迎えていない子どもは、「関連した治療実績を持つ専門家と早期に話し合うことを優先」すべきであり、年長の思春期の患者とは別の治療方針を立てるべきだとしている。

社会的移行が精神衛生上プラスになるかマイナスになるかについては、明確な科学的証拠がないことはこれまでも指摘されており、キャス医師も同様に警告している。

キャス医師によると、より早い年齢で、あるいは診察を受ける前に社会移行を行った場合、いずれ医療機関にかかる可能性が高く、ほとんどの場合そうした経験は「性自認関連の苦痛を管理するための最良の方法にはならない」という。

報告書ではさらに、17~25歳の若者は性自認を探求するうえで「潜在的にもろい」段階にあるとして、そのまま成人向けサービスに入るのではなく、「アフターフォロー」を受けることを推奨している。

一方で、ジェンダーに関する医学的介入を受けたものの、その判断を後悔し、生まれた時の性別で暮らしたいと願う、いわゆる「ディトランジション(移行中止)」を選択する人についても、サービスを「確実に提供する」べきだと勧告した。

これまでのケアで苦しんだ人々
トランスジェンダー(出生時の身体的性別と性自認が異なる人)女性のソニアさんはBBCの取材で、自分は15歳から移行を望んでいたものの、GIDSで長い間待たされたあげく、18歳で成人向けサービスに移されたと説明。その後、NHSでは初診の予約にさらに2年待たされると知り、数百ポンドかかる自費治療を選んだと話した。

待たされていた間は「私のメンタルヘルス上、とても暗い時期」だったと、ソニアさんは語った。

「待たされるだけ待たされたというそれだけの理由で、性別移行の道のりの中で一番ひどい時期だった。その間に、男性の思春期をほぼ全て経験した。本当に居心地が悪い時期だった」

「きちんと自分自身だと感じられなかった。そしてそれは純粋に、ケアらしきものを得るために長い間待たなければならなかったからだ」

キャス医師はソニアさんの経験について「とても悲しい」ことだと言い、こうした話は他にもたくさんあると述べた。

その上で、NHSイングランドは現在、「少なくとも最初の」評価を行う地域サービスを支援するため、予算や人員を追加していると話した。

ディトランジションを決断したキーラ・ベルさんの代理弁護士も、報告書の内容を評価している。ベルさんは10代の頃に思春期ブロッカーを処方されたが、もっと慎重な診断が必要だったと感じ、NHSセンターを提訴した。

ポール・コンラス弁護士はBBCに対し、「自分の性別に疑問を抱く若者やその両親にとっては、とても心強い報告書だ。こうした人々のニーズを適切に満たす新しいサービスが開発されることを願っている」と述べた。

「しかし残念ながら、多くの若者にとっては手遅れだ」

「不適切な臨床治療がもたらす結果がいつまでも続く状態で生きる若者たちがいる。彼らの人生は永遠に変わってしまった」

NHSや政府の反応は
NHSの広報担当者は、子どもや若者のための「根本的に異なる」ジェンダーサービスの確立に向け、すでに「大きな進展がある」と述べた。

また、「完全な実施計画」を策定する前に、報告書の提言を慎重に検討すると付け加えた。

NHSは、成人向けジェンダーサービスについても体系的な見直しを進めていると説明。18歳の誕生日を迎える前の若者について、大人のジェンダー・クリニックの初診予約を受け付けないよう、各地のNHSリーダーに要請しているという。

リシ・スーナク英首相は、政府は2022年の中間報告書発表後に「迅速に行動」したと発言。「今後も継続して若者を守るための正しい段階を踏んでいく」と述べた。

「我々は単に、治療や社会的移行が若者に与える長期的な影響を知らない。だからこそ非常に慎重に対応する必要がある」

最大野党・労働党のウェス・ストリーティング影の保健・社会福祉担当相は、報告書によって「非常に深刻な懸念が持ち上がっており、とても問題だ」と指摘。労働党政権が発足した場合には、キャス報告書の勧告を取り入れると述べた。

「BBCニュース」2024年4月15日
https://www.bbc.com/japanese/articles/cmj6evd0m77o
(英語記事 Hilary Cass: Weak evidence letting down children over gender care)
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減らない・・・ [お仕事(講義・講演)]

4月15日(月)

明日から明治大学文学部「ジェンダー論」の講義が始まる。
(今年度は、曜日の関係で遅いスタート)

今(1日前)、チェックしたら予備登録が461人。
4日前と比べてぜんぜん減らない、1人増えている。

昨年度は、前日の段階で430人だったから、31人も増えている。

これでは、抽選(350人上限)確実な状況。
それと、第1講の教室(大講堂・定員492名)、かなり満席に近くなりそう。
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「すとぷり症候群」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月15日(月)

第25回「GID学会」研究大会(沖縄)」(2024年3月16~17日)
一般演題13-4 針間克己(はりまメンタルクリニック)「特定芸能人が性別違和感を抱く契機になった症候群」

「 すとろべりーぷりんす」というグループ(2022年12月31日、NHK紅白歌合戦に出場)のメンバーの1人(FtM、子宮・卵巣摘出しているが、声が低くなるのを嫌い男性ホルモン投与はしていない)に影響された受診者が短期間に集中して来診した事例(「すとぷり症候群」)。

症例:13例
受診時期:2022年9月~2023年10月
年齢;11~14歳(中学2年女子中心)
併発疾患:13例中8例がASD(自閉症スペクトラム)、11名が不登校
現状:13名中9名が治療継続、2名が転医、2名が中断
結論:慎重な診断と対応が必要

【メモ】
会場で「中二病じゃない?」「性別違和治療に乗せたらまずいよね」という声があった。

【三橋の感想】
2001年の「鶴本直現象」、2008年の「ラストフレンズ現象」など、テレビドラマのFtM主人公が投影される形で、性別違和感が刺激され、受診者が増加するのではないか?という推測はあった。。
「すとぷり症候群」は、ドラマの登場人物ではなく、実在の芸能人が起点だが、クリニックの来診者として、きわめてクリアに把握されたことが、社会現象が性別違和感に影響を与える事例として、とても興味深い。
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石山詣 [テレビ批評(光る君へ)]

4月14日(日)

「光る君へ」第15回「おごれる者たち」

場面はまた飛んで正暦4年(993)、一条天皇が大人になり、中宮定子に清少納言が出仕する。
中関白家の全盛期だが、関白藤原道隆に病(糖尿病)の影が。

7月、道長の妻・源倫子の父・左大臣源雅信が74歳で薨去する。
藤原氏全盛の時代に16年の長きにわたり左大臣の職を守った。

「まひろ」と友人の「さわ」が、都人、とりわけ女性の信仰が篤かった近江・石山寺にに出かける。
そして、参籠の局で「かげろう日記」の藤原道綱母子に出会う。

石山寺には,参籠した紫式部が、琵琶湖に映る月を眺めて『源氏物語』の着想を得たという伝えがあって、局に式部のお人形がある。
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でも、本堂の局からは,瀬田川は見えても、琵琶湖は見えない。
(展望台まで行くと琵琶湖も見える)

ところで、私が石山寺に詣でたのは、いつだっけ?
調べてみたら、2010年9月12日だった。
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4月13日(土)一日、家にいられる [日常]

4月13日(土)

久しぶりに、一日、家にいられる。
メールのお返事書き、来週の講義の準備、秩父旅行の写真の整理など、いろいろはかどる。

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ドイツ、法律上の性別変更簡易化へ [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月14日(日)

社会的性別(ジェンダー)は自己決定であるべきだと思うが、ドイツのような性別変更の「届け出制」は、悪用・乱用・社会的混乱の可能性があることは否めない。その対策(法制度)は、しっかり考えるべきだと思う。

具体的には、「性別不合」診断書の提出、一定期間(1年以上)の経過観察を要件とすることが考えられる。

身体に影響がある要件(たとえば、ホルモン投与)を付けるのは、2023年10月25日最高裁判決の趣旨からして、無理だと思う(違憲の可能性が高い)。

この世界、長く観察していると、性別移行を望む人の中には、社会的な問題を起こす人が少数ながら確実にいる。

それを「仕方がないこと」と容認するのか、「(完全には除外できないものの)できるだけ防止すべき」と考えるのか。
私は後者。

何度も言っているが、トランスジェンダーという属性を法的に定義し公証することはかなり困難。
である以上、トランスジェンダーの性別移行を法制化することは難しい。

となると「性別不合」で定義するのは仕方がないと思っている。
それで、ほとんどの当事者は困らないと思う。
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ドイツ、法律上の性別変更簡易化へ 議会が法案可決

【4月13日 AFP】ドイツ議会は12日、性別変更手続きを簡易化する法案を可決した。

新法案の下では、理由や診断書などを提示することなく、地元の戸籍役場で簡単な登録申請を行うだけで法律上の性別を変更できるようになる。

14歳未満の場合は、保護者が申請書を提出することができる。14歳以上の未成年は自身で提出できるが、保護者の同意が必要となる。いずれの場合も、未成年者はカウンセリングを受けなければならない。

オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相はX(旧ツイッター)で、新法案は「他者から何も奪うことなく、トランスジェンダー、インターセックス、ノンバイナリーの人々を尊重」していると述べた。

ドイツに先立ち、ベルギー、スペイン、アイルランド、ルクセンブルク、デンマークも法律上の性別変更を簡易化する法案を可決している。(c)AFP

「AFPニュース」2024年4月13日 15:02 発信地:ベルリン/ドイツ [ ドイツ ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3514739
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林夏生さんを偲ぶ [訃報・追悼]

4月13日(土)

林夏生さん(2024年1月8日逝去)を偲ぶ。
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「林さん、なんでそんなに駆け足で逝ってしまったのですか? まだまだやるべきことはあったでしょうに。いつか、あちらで会ったら、また『三橋さ~~ん』と声をかけてくださいね」(合掌)

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北丸雄二×三橋順子 「LGBTQ+…これからの世代に伝えたいこと」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

4月12日(金)
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2024年1月31日に「紀伊國屋書店・新宿本店」で開催際された
三橋順子『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』(辰巳出版)刊行記念公開対談
北丸雄二×三橋順子 「LGBTQ+…これからの世代に伝えたいこと」
の記録です。

第1回 「セクシュアルマイノリティの現場から」
https://korekara.news/tokushuu/8563/
第2回 「LGBT当事者にはどう接すればいい?」
https://korekara.news/tokushuu/8623/
第3回 「ハッピーゲイライフがやって来た」
https://korekara.news/tokushuu/8771/
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ヘイターの末路 [事件・事故]

4月12日(金)

凄腕の弁護士を誹謗中傷し続けるという自滅行為を続けたあげく、名誉毀損で訴えられ、裁判で敗れたにもかかわらず、裁判所から命じられたお金を支払わずにいた愚か者が、ついに動産差し押さえの強制執行を受けた、とのこと。

少し前のテレビドラマ「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」(2023年7~9月、テレビ朝日系、伊藤沙莉主演)を見ていたからわかるけど、執行官が鍵屋さんを連れて家に来て、資産価値がありそうな物に赤い紙を貼っていくのだよ。

もちろん、さっさと払ってしまえば、そんなことにはならない。

ところが、世の中には「強制執行なんてひどい!」と非難する人がいて驚く。
日本は法治国家で、法に従って裁判所の命令を執行しているだけ。

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