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同性パートナーシップ証明書「第一号」の「離婚」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

12月27日(水)

箱根から帰ってきたら、驚きのニュースが待っていた。
同性パートナーシップ証明書「第一号」東小雪・増原裕子さんの「離婚」報道。

大学の「LGBTとは何か」の講義で、メディアに流れている同性パートナーシップの画像を3枚ほど見せている。

今期までは「こちらとこちらは別れたようですが、ここは別れていません」と言えたけども、来期からは「渋谷区のパートナーシップ証明制度の開始からほぼ2年で、全部、別れました」と言うことになるのかなぁ。

それはともかく、このお二人だけでなく、世間の「ふうふ」(夫婦・婦婦・夫夫)で別れてしまうカップルをみていると、「ふうふらしさ」へのこだわりが強すぎるように思う。パートナーの関係って、良く言えばもっと多様だし、悪く言えばもっといい加減なものだと、結婚31年を過ぎた私は思う。

で、結婚も離婚も、本来はまったく個人的なこと。

しかし、渋谷区は、東小雪さんと増原裕子さんの「結婚」を、同性パートナーシップ制度の「広告塔」として利用した。
客観的に言って、渋谷区が2人を「第一号」に起用したことは、広報戦略として「大成功」だったと思う。

そして、2人にしても「渋谷区に利用されること」に乗ったのは否定できないだろう。
「広告塔」になることで、知名度が上がり、仕事が増え、経済的にもかなり潤った(だろう)から、「第一号」になったことの収支は十分にプラスだったと思う。

NHKの「ニュース8:45」が「離婚」を報じたくらいだから、明日以降、新聞や週刊誌が(年末年始だけど)追うだろう。
また知名度が上がり、増原さんはともかく、小雪さんはこれからも「元・第一号」ということで、お仕事ができると思う。

日本の「LGBTブーム」が、人権的観点ではなく、LGBTの商業利用という観点で始まったことを考えれば、この「結婚」は商業的には「大成功」だったと思う。

とは言え、同性パートナーシップの「広告塔」が「離婚」した影響は小さくない。
反対派は「それ見たことか」と叩きにくるだろう。
「同性カップルはすぐに別れる」というイメージが社会に広まってしまうかもしれない。
メディア上の「離婚」率は2分の2でも、「100%だ」と言われれば反論は難しい。
日本のメディアは、軽薄で飽きっぽい。
平気で「手の平返し」をする。
私としては、これが「潮目が変わる」きっかけにならないことを祈るだけだ。

きつい言い方かもしれないが、本来、私的であるべき「結婚」を、政治的・商業的なものに利用した「落とし前」はその人が取るべきだ。
そして、きっちり「落とし前」をつけたなら、新たなステージに向かえばいいと思う。
増原さんなら、きっとできると思う。

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東小雪さん・増原裕子さん「約6年半の関係にピリオド」同性パートナー条例第1号カップル

元タカラジェンヌでLGBT(性的少数者)の活動家・東小雪さん(32)と会社経営・増原裕子さんが26日、「大切なご報告」と題しパートナーシップを解消したことを公式ブログで報告した。

2015年4月1日に日本初の同性パートナー条例が渋谷区で可決され、2人は交付第1号カップルとなった。

2人は連名で「増原裕子と東小雪はこの度、約6年半の関係にピリオドを打ち、離婚するという選択をいたしました。昨日12月25日、渋谷区にパートナーシップ証明書を返還いたしました」とパートナーを解消したことを報告した。

「この間、約5年前のディズニーでの結婚式、2年前の渋谷区パートナーシップ証明書をいただくという大きなライフイベントの際にも、たくさんの方々に応援していただきました。本当にたくさんの方々に愛して支えていただいた6年半でした。ふたりだけでは成し遂げられなかった素晴らしい経験ができたことを、周囲の大切な方々の顔を一人ひとり思い浮かべながら、ただただ感謝しております」とした上で「皆さまのご期待を裏切る形になってしまったこと、応援してくださっていた皆さまに対して大変申し訳なく、自責の念でいっぱいです。本当にお詫びの言葉もございません」と謝罪の言葉を記した。

価値観のずれが生じパートナーは解消となったが「親友として、大切に思い、尊重しあえる関係」で、今後も「LGBTをとりまく課題、SOGI(性的指向・性自認)にまつわる課題、女性や子どもの人権についての活動やお仕事には、ひき続き力を合わせて歩んで参ります」と活動を共にしていくという。

『スポーツ報知』2017年12月26日20時38分
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20171226-OHT1T50158.html
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同性パートナー解消

渋谷区から、同性カップルをパートナーとして公的に認める「パートナーシップ証明書」の発行を初めて受けた会社経営の増原裕子さん(40)と、元タカラジェンヌの東小雪さん(32)がパートナーシップの関係を解消したことがわかった。

2人は2015年11月、同区から証明書の発行を受け、性的少数者(LGBT)への理解を深める活動などに取り組んでいたが、25日、同区に解消届を提出し証明書も返還した。増原さんは取材に、「LGBTを取り巻く課題などについては、引き続き力を合わせて取り組んでいきたい」と語った。

『読売新聞』2017年12月28日(東京23区)
http://www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20171228-OYTNT50050.html
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