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健康保険証の性別記載 [現代の性(性別越境・性別移行)]

9月7日(木)

「 BLOGOS編集部」(2017年09月06日)の 「『風邪を引いても受診をためらう』LGBTが医療現場で直面する課題 」という記事の中で、針間克己先生が健康保険証の性別について、こう語っている。
http://blogos.com/article/244518/
「保険証を身分証代わりに提示する際に、性別表記で精神的苦痛を覚えることは理解できます。しかし、性同一性障害を専門とする医師として、20年以上LGBTの見方のつもりで向き合っていますが、保険証の性別を自認する性別で記載するのは違うのではないかと正直思っています。
保険証には戸籍上の性別を明記してほしい。どうしてかというと、当たり前ですが病院においてはその人が生物学的に男性か女性かというのは極めて重要な情報だからです。また、性転換等の手術を受けて戸籍の性別や、保険証の性別を変更したとしても、治療歴やそういった経緯があることは診察前に必ず医師に伝えてほしいです。」

性同一性障害の団体や当事者からは非難囂囂(ごうごう)だろうが、私は基本的に賛成、というか医療者として当然の見解だと思う。

医療というのは、患者の「命を救うこと」が最終的な課題であり、そのために必要なことをゆるがせにすべきではない。

患者に意識がないような緊急事態の場合、その人の身体が基本的に男性であるか、女性であるかということは、救命のための重要なデータになる。
たとえば、見かけが女性でも生物学的に男性なら、子宮外妊娠とか子宮破裂の可能性は除外できる。
そこが命の分かれ目ということもあるのだ。


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コメント 6

かずみ

針間先生が「性転換」という言葉を使ったことに驚きました。
by かずみ (2017-09-09 06:16) 

三橋順子

かずみさん、いらっしゃいま~せ。

あっ、ほんとだ・・・。
まあ、言ってはいけない言葉ではないですから。
私は現在形では「性別移行」ですが、歴史的には「性転換」も使います。
by 三橋順子 (2017-09-09 15:25) 

みれい

こんばんは。
単なる‘精神的苦痛’というよりは、他の人の保険証や変造した保険証を使おうとしている疑念を持たれてしまう事のほうが問題だと思うのですが。

戸籍の性別(続柄)を変更した人は保険証の性別も変わるので、
生物学的な性別がどこかに表記してあれば、医療の側もより課題を達成しやすくなるのに…とも思いました。
by みれい (2017-09-11 22:22) 

ういんた

針間先生のご意見はごもっとも。

そうは言っても花粉症で耳鼻科行ったり、ちょっと皮膚科に行ったりする度に、強制カミングアウトって事にもなります。精神的苦痛が大き過ぎるから、結果的に医者に行けなくなってしまう。

よっぽど我慢ならなくなるまで医者にかからなくなり、結果、病状が進行して取り返しのつかない事になる可能性も。
ただでさえ、身体を診られるため病院の敷居は高いのに。

医師の立場からは、自分に責任が降りかかるのは避けたいでしょうから、ご意見は大変よく分かります。そちらの立場ならもっともなお話です。
by ういんた (2017-09-13 19:42) 

三橋順子

みれいさん、いらっしゃいま~せ。

>他の人の保険証や変造した保険証を使おうとしている疑念
「ご本人さまですか?」のもっと重いパターンですね。
他の身分証明書類(写真有り)で本人であることを証明するしかないです。
by 三橋順子 (2017-09-24 05:29) 

三橋順子

ういんたさん、いらっしゃいま~せ。

医師の立場からの意見としては、もっともだと思います。

ただ、気軽に病院に行きにくいのは確かですが、行く行かないは自己判断&自己責任ですね。

by 三橋順子 (2017-09-24 05:32) 

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