SSブログ

米国テキサスの肥料工場で大爆発 60人以上が死亡か  [事件・事故]

4月18日(木)
テレビ・ニュースで流れる爆発の瞬間のライブ映像がすごい。

爆発事故で大量の犠牲者が出るケースは、やはり大量の火薬が爆発した場合が多い。
それに次ぐのが、化学系の工場で、とくに肥料工場は何度か大爆発事故を起こしている。

(1)オッパウ大爆発(1921年9月21日)560人
ドイツのオッパウで4500tの化学肥料を貯蔵していたサイロが爆発。
560名が死亡、2000名以上が負傷。
爆発の規模はTNT火薬で1~2ktと推定され、被害は周囲30kmに及ぶ。

(2)ルートヴィヒスハーフェン爆発事故(1948年7月28日)207人
ドイツ・ルートヴィヒスハーフェンで操業中のBASF工場で、ジメチルエーテルを積載していたタンク車が爆発し、周囲の溶剤や化学肥料・塗料に次々と誘爆。
207人が死亡、3818人が負傷。
ライン川を挟んだ対岸のマンハイムにまで被害が及ぶ。

(3)テッセンデルロー肥料工場爆発事故(1942年4月29日)189人
ベルギーのテッセンデルローにあるテッセンデルロー化学社の肥料工場で、野積みの塩化カリウムの山をダイナマイトで崩そうとして誤って硝酸アンモニウムの山を爆破。
硝酸アンモニウム150トンが爆発。
工員・市民合わせて189人が死亡。

今回のアメリカの肥料工場の事故は、化学工場の爆発事故としては、これらに次ぐものになるかも。
ただし、化学工場の事故としては爆発事故ではないが、別格にとんでもない大事故がある。
(別格)ボパール化学工場事故(1984年12月2日)
インドのマッディヤ・プラデーシュ州の州都ボーパールにあるユニオンカーバイド・インディア(アメリカ・ユニオンカーバイド社の子会社)の殺虫成分(カルバリル)生産プラントで起こった事故。
約40tのイソシアン酸メチル (MIC) が気化・流出し、肺を冒す猛毒の有毒ガスになってボパール市の人口密集地域(スラム地区)に流入。
一夜にして2000人以上が死亡、15万から30万人が被害を受けた。
その後、数ヵ月で1500人以上が死亡。
さらに、後遺症などで1万5000人~2万5000人が死亡したとされる。
世界最悪の化学工場事故。

日本では、死者10人以上の化学工場事故は幸いにも起こっていない。
ちなみに、日本最大の爆発事故(軍事・戦争関係を除く)は・・・、
二又トンネル爆発事故(1945年11月12日)
福岡県添田町の国鉄日田彦山線未開通区間の二又トンネルに旧日本軍が保管していた約530tの弾薬をアメリカ進駐軍が焼却処分しようして火を着けて大爆発。
トンネルの上にあった山が吹き飛び、周辺住民147名が死亡、149名が負傷。

どの大事故も不可抗力というより、人為的なミスが原因になっている。
今回の事故もいったい何をやらかしたのだろうか?
------------------------------------
米国:肥料工場で爆発 60人以上が死亡か テキサス
20130419k0000m030077000p_size5.jpg
肥料工場の爆発で発生した煙=米テキサス州で2013年4月17日、AP 

【ロサンゼルス堀山明子】米南部テキサス州ウェストの肥料工場で17日午後7時50分(日本時間18日午前9時50分)ごろ大規模な爆発があり、近くのアパートや学校、高齢者施設などが炎上したり損壊したりし、米メディアによると160人以上が病院に運ばれた。地元紙ダラス・モーニング・ニューズ(電子版)は18日午前5時の段階で「少なくとも5〜15人の死亡を当局が確認」と報道。地元テレビKWTXは救助関係者の話として「60〜70人が死亡した可能性がある」と報じた。

工場の火災は18日未明も続き、2800人の住民の半数に退避勧告が出された。

米地質調査所によると、爆発によりマグニチュード(M)2.1の地震が発生。爆発音は数十キロ離れた場所でも聞こえたといい、ウェストのトミー・ムスカ町長はCNNの取材に「核爆発のようなキノコ雲が見えた」と語った。

18日未明に記者会見した現地当局者は「多数」が犠牲になったと述べた。死亡者には消防隊員や救急隊員も含まれているという。50〜75棟の住宅が損壊し、約50世帯が住むアパートも全壊した。近くの高齢者施設も被害を受け入居者約130人が避難、一部にけが人が出ている模様だ。

現場の南約30キロのウェーコ市内の病院には約60人が収容され、病院関係者によると約40人が重傷という。別の病院でも60人以上の負傷者が確認された。
日本人の被害は確認されていない。

消防当局などによると、工場内のアンモニアタンク付近で火災が発生して約1時間後に複数回の爆発が起き、敷地外まで炎が燃え広がった。原因は不明。加熱すると爆発する無水アンモニア約25トンがあったという。

AP通信によると、爆発があった肥料工場は2006年6月に住民から「悪臭がする」と苦情があり、州当局から立ち入り検査を受けたことがある。

17日夜の段階では、有毒ガスの発生や追加爆発の懸念から消防隊員が現場入りできなかった。周辺にはガスマスクを付けた警官も展開したという。

『毎日新聞』2013年04月18日 21時21分(最終更新 04月18日 21時52分)
http://mainichi.jp/select/news/20130419k0000m030071000c.html

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0