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女性受刑者として人道的に処遇すべき [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月10日(金)

以前にも書いたことだが、この受刑者、すでに法身分(戸籍)的には女性なのだから、性同一性障害は既往症ではあっても現在の症状ではない。

何らかの理由で卵巣がなく女性ホルモンが供給されない(したがって、医療措置による補充が必要な)女性として対応を取るべきだと思う。

「性同一性障害」だから特別な措置を求めるのではなく、女性受刑者の1人として健康維持に必要な措置を求めるべき。

つまり、女性ホルモンの欠乏による重い更年期障害で、健康が損なわれている女性受刑者と同じ扱いをすべきということ。

たとえ受刑者であっても健康が大きく損なわれている状態を、刑務所が放置するのは、人道上、許されないことであり、できるだけ早く必要な措置を取るべき。
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「女性ホルモン剤認められず苦痛」 受刑者が国を提訴

性同一性障害で性別適合手術を受け、男性から女性になった被告に東京拘置所が女性ホルモン剤の投与を認めなかった問題で、この受刑者(29)が9日、身体的・精神的苦痛を受けたとして、国に慰謝料など1千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

代理人弁護士によると、受刑者は男性として生まれたが、10代で性同一性障害と診断され、女性ホルモン剤の服用を開始。その後、性別適合手術を受け、20歳で戸籍上も女性になった。

昨年2月に交際相手を殺害した疑いで逮捕された後、警察署はホルモン剤投与を認めたが、その後に移った東京拘置所は認めなかった。昨年12月に東京地裁の裁判員裁判で懲役16年の判決を受け、確定。現在は関東地方の刑務所で服役中だが、刑務所でも女性ホルモン剤の投与を受けられていないという。

『朝日新聞』2016年6月10日05時05分
http://www.asahi.com/articles/ASJ695749J69UTIL01Y.html

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コメント 4

ran

国としての対応は、「ケースバイケースで個別に判断する」というものです。なので、ホルモンはしてもらえないというわけではありません。
本件で問題なのは、刑務所の担当医が「必要無い」と判断していることです。医者が、本来GIDであるかどうか以外にも、更年期の症状など総合的に判断してそうした結論を出しているのであれば、それを覆して刑務所の担当官がホルモン療法を行うのは無理があります。
実際女性の被収容者に対しても、更年期の治療という観点ではよほど重篤でなければ処方されないとも聞きます。
ただ、まずは医師に対する啓発が必要なのではないかとも思います。
by ran (2016-06-11 02:44) 

三橋順子

ranさん、いらっしゃいま~せ。

コメントありがとうございます。
この刑務所の担当医の不見識と無理解、ひどいですね。
by 三橋順子 (2016-06-12 02:17) 

ルクス

手術済みと言うことは、精巣も卵巣も無い訳ですから両性ホルモン不足で

骨粗鬆症、精神不安定や情緒不安定、更年期障害の各諸症状以外に〜性ホルモンは、性別云々に関わるだけで無く健康や生命維持にも関わるモノですから内臓機能の低下(肝機能障害、腎臓の機能低下、心機能低下etc)血液にも影響が白血球増多症、免疫力の低下から隠れていた病気の悪化まで、何でもありといっていいかもですね。

(性分化疾患の47XXY-KS 精巣機能無し両性ホルモン不足で体験済み,現在もホルモン補充&一部疾患治療中及び要観察複数)

悪化してからじゃ遅いと思うんですけどね〜

聞く耳持たない知識も無い医師っていますから…


by ルクス (2016-06-12 05:07) 

三橋順子

ルクスさん、いらっしゃいま~せ。

それなりに勉強している医師なら、この受刑者の状態からして、投与が必要なことはわかると思うのです。

よほど、ひどい医者かと・・・。
by 三橋順子 (2016-06-13 13:57) 

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