SSブログ

デング熱、新たに2人の感染確認 感染源は代々木公園の蚊? [事件・事故]

8月28日(木)
感染源は東京の代々木公園の蚊らしい。
ということは、都内&首都圏を中心にもっとたくさん感染者がいるのではないだろうか?

地球温暖化に伴う気温上昇にともない、デング熱やマラリアなど、蚊が媒介する熱帯性の熱病が北上する危険性はかなり前から指摘されていたが、いよいよそれが現実のものになってきた。
デング熱は、ちゃんと対処すれば、それほど怖い病気ではない(致死率1%)

しかし、マラリアとなると、かなり厄介だ。
悪性の場合、マラリア脳症を起こして死亡する場合があるし、体力がない高齢者や子供は高熱で衰弱する。

実は、日本は長らくマラリア土着国だった。
古くは「瘧(おこり)」と呼ばれ、藤原道長や(物語だけど)光源氏も罹った。
古代日本の「瘧」は、周期的な激しい高熱(3日周期、4日周期)という特徴的な症状からしてマラリアであることはほぼ間違いない。
「熱っち死」したという平清盛の死因もまず間違いなくマラリアだろう。
日本のマラリアは、本土では1950年頃までに、沖縄でも1960年代に撲滅された。

しかし、台湾はずっと流行国だし、韓国では1990年代以降、マラリアの感染者が増え続けている。
マラリアは日本のすぐ近くまで来ているのだ。
感染予防は、ともかく蚊に刺されないよう、野外で行動する場合はスキンガード(虫よけスプレー)を忘れずに。

ところで、私がデング熱という病名を知ったのは、今から50年近く前、小学校高学年か中学生の頃だったと思う。
その時、なぜか「テング熱(天狗熱)」と覚えてしまい、天狗さん(大天狗)のように熱で顔が赤くなる病気だと思い込んでしまった。
「デング(Dengue)熱」であることに気付いたのはパソコンを使い始めた頃で、30年間も間違っていた。
恥ずかしい話だが、今回のニュースに関係して、同じような人が何人もいて、ちょっと安心した。

-----------------------------------------
デング熱、新たに2人の感染確認 代々木公園で刺されたか

約70年ぶりの国内感染が確認されたデング熱で、厚生労働省は28日、東京都内に住む20代の男性と埼玉県内に住む20代の女性の2人で新たに感染が確認されたと発表した。

いずれも最初に見つかった埼玉県に住む10代後半の女性が通う都内の学校の同級生で、海外渡航歴がないという。国内感染は計3人になる。

国立感染症研究所の調べでは、3人はいずれも都立代々木公園(渋谷門付近)で蚊にさされたと話しているという。3人から検出されたウイルスの型が同じだった。
『朝日新聞』)2014年08月28日 14時38分
http://www.asahi.com/articles/ASG8X46YQG8XULBJ005.html?iref=comtop_6_05
nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 8

井戸田 一朗

いつも大変面白く拝見しています。

デング熱は、東南アジア諸国の都市部では常にアウトブレイクをしています。媒介蚊であるヒトスジシマカは、マラリアの媒介蚊であるハマダラカと異なり、都市環境に順応し、急激な都市化とデング熱のアウトブレイクは密接な関係があります。

初感染の場合、ご指摘の通り、デング熱は致命傷になることは稀ですが、デング熱には1から4のタイプがあり、異なるタイプのデングウィルスに再感染した場合、重症化することがあります(デングショック症候群、デング出血熱)。熱帯熱マラリア同様、特に子供や妊婦で高い致死率ですが、再感染が問題とならない日本人での重症例は稀です。
http://idsc.nih.go.jp/iasr/28/330/dj3304.html

グローバルには感染者は極めて多いのにも関わらず、有効な対策が打たれていない「顧みられない熱帯病」"neglected tropical diseases"の代表格と言えます。

またご指摘のように、北朝鮮ではマラリアは土着しており、韓国との国境であるDMZから日本への輸入例もあります。
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0770010042.pdf
by 井戸田 一朗 (2014-08-29 00:15) 

真樹猫ちゃん

デング熱とは懐かしや・・・。
その昔、陸海軍航空隊を中心に、随分と罹患したもみょでしたにゃ。
「海軍よもやま物語」で有名な某兵曹もデング熱にラバウルで罹患
した事を書いておりみゃす。

by 真樹猫ちゃん (2014-08-29 00:55) 

三橋順子

井戸田一朗さん、いらっしゃいま~せ。
いろいろご教示ありがとうございます。
異なるタイプのウィルスに再感染すると重症化するという話、聞いたことがあります。抗体が過剰反応するのでしたっけ?

なるほど、ヒトスジシマカが都市環境に適応していること、初めて知りました。
そうなると、デング熱が東京に土着するのも近いかな(もう土着してる?)。

私のように1950年代の田舎生まれは、夏の夕方、外で遊んでいると、ものすごい数の蚊が寄って来て、刺され放題という経験をもっていますが、現代の東京に生まれ育った人は蚊なんてほとんど意識が無いと思います。
少し、蚊に対する認識を変えないといけないですね。

by 三橋順子 (2014-08-30 15:54) 

三橋順子

真樹大姉様、いらっしゃいま~せ。

そう言えば、大姉様にお供してラバウルに慰問に行ったことが、お懐かしゅうございます。
敵襲の時のすばやい逃げっぷり、さすがは治承・寿永の乱で鍛えた方は違うなぁと感服いたしました。
by 三橋順子 (2014-08-30 15:56) 

Gen

蚊といえば何年か前に聞いた都市伝説?を思い出します。
たまに越冬する蚊がいてそういうのは毒を持ってるから気をつけてと・・・。
冬場でも暖房などの影響であたたかい場所がたくさんある都会ではあながちウソとも聞こえず、半ば本気にしてました。
ところが先日、デング熱のニュースで専門家の先生が「蚊の寿命は○日(忘れたけど数か月よりはかなり短かった)程度」と言っていて、越冬する蚊はいないのか、と・・・。
九尾のキツネとか年取って口を利くようになった猫とか、そういうのに似てますね、「越冬する蚊」って。
思い出したのがもう一つ。
こないだ千葉で仕事の片づけで涼しい木陰に移動したらあっと言う間に蚊がうじゃうじゃ寄ってきて慌てて暑い場所に逃げました。
餌がきた、と思ったんでしょうね。
すぐ足踏みしながら移動した(はた目には多分変な人に見えたでせう)のですが、何か所か刺されてました。
本能のなせる業か・・・・。

でも蚊よけスプレーって、やっても刺されるんですよね。
やらなければ3か所が8か所だったのかも、と言う程度で。
蚊に刺されないのが一番と言っても、あれを見るとどうしたらいいのか・・・。

by Gen (2014-08-30 23:37) 

三橋順子

Genさん、いらっしゃいま~せ。
実際に「越冬している蚊」がいたら怖いですね。
ウィルスがどう変異するか・・・。
蚊はいる所にはいますからね。
大挙襲来されたら、子どもの時の経験からして、逃げるしかないです。
ガードスプレーも完全な防御は無理ですから。
by 三橋順子 (2014-08-31 13:47) 

ちゃぞの

たったいままで、天狗熱とおもっていました(^^;うわーありがとうございます。
by ちゃぞの (2014-08-31 17:22) 

三橋順子

ちゃぞのさん、いらっしゃいま~せ。
「天狗熱」と思い込んでる方、かなりいるようなので、大丈夫です(笑)

by 三橋順子 (2014-09-01 04:11) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0