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同性婚、ゲーム続編では可能に=アメリカ任天堂が謝罪 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月10日(土)
昨日あたりからTwitteで話題になっていた。
8日にAP通信が批判的な記事を出していて、それが元ネタのようだ。
APが避難的な記事を配信するということは、世界中に流れるということで、本来、企業にとっては大きなダメージになるはず。

任天堂と言えば花札の会社で、ゲーム機なんていじったことがない昭和生まれの「おばちゃん」の感覚で言えば、こういうバーチャル・リアリティゲームというのは、現実世界をベースに、そこに現実世界では不可能な要素が加わり、現実にはできないことができるから面白いのだと思う。

アメリカのいくつかの州では、同性婚はすでに法制的にも現実のものだ。
法律で認められていない州でも、同性同士で恋愛し、共棲(ともずみ)している人はいくらもいる。
そういう人たちからすれば、現実に認められているものがゲーム世界で認められないのはなぜなんだ?と思うのは当然だろう。

しかし、任天堂のゲーム企画・制作部門の人たちは、そうしたアメリカ社会の現実にまったく思いが至らなかった。
また、問題点を指摘されても改善しなかったということは、多様な性の有り様への理解と尊重というグローバルな潮流に対応する企業感覚が乏しいことを示している。
まあ、性的マイノリティからのクレームなんて、たいした問題ではなく、圧倒的多数の性的マジョリティの顧客こそが大事という姿勢は、いかにも保守的な日本企業らしいと言えばそれまでだが。

それにしても、アメリカ任天堂の「(同性婚ができない)ゲーム内の交流は陽気な別世界でのもので、現実を反映してはいない」という反論は最悪だ。
これでは、任天堂がユーザーに提供するバーチャル世界は、同性婚を認めない異性愛絶対社会である(それが嫌なら買うな)と言っているのと同じ。
単に同性愛への認識・配慮が足りなかったにではなく、任天堂という企業の姿勢として同性婚を認めないと受け取られかねず、同性愛者だけではなく性の多様性を認める多くの人たちの反発を買うのは必至。
このコメントで「先進的」とされてきた同社の企業イメージが大きく損なわれたのは間違いない。

逆に、同性愛なんて神の教えに背く犯罪行為と考える聖書原理主義など保守的なキリスト教徒からは、同性婚を認めない任天堂のゲームは高く評価されるだろう。
もしかするとキリスト教福音派ご推奨ゲームソフトになるかも。
これからは、こうした人々を相手にお商売していくということならともかく、結局、「多くの人々を失望させた」と謝罪して、次作での改善を約束するのなら、最初からもう少しまともな対応をすべきだった。
こうした場合、企業の中に同性愛者の幹部や社員がいれば、対応はかなり違ってくるはず。
きっと、アメリカ任天堂の社内には、同性愛者はいなかったのだろうね。

ふと、思う。
このソフト、日本でも183万個が売れる大ヒットだそうだ。
日本の同性愛者は、誰も疑問を抱かなかったのだろうか?
だとしたら、これも日本の同性婚への認識を反映していると思う。
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「ゲームでも同性婚したい」米男性が要求 任天堂、対応に苦慮

任天堂のゲーム「Tomodachi Life(トモダチ ライフ)」のシーン。ゲーム内のアバター(分身)同士が結婚したり、子供を生んで育てたりできる。(AP)

任天堂の人気ゲームに登場する「アバター(自分の分身)」について、米国の同性愛者の男性が、バーチャルな世界でも「同性婚を認めてほしい」と交流サイト(SNS)を通じて訴えている。AP通信が8日までに伝えた。米国任天堂は「ゲームに社会的な問題は持ち込まない」とし、要望に応じない方針を示している。ただ、世界各国で同性婚が合法化され、「性的な多様性」に配慮する動きが広がるなか、ゲーム内でも多くの同性愛のキャラクターが登場しており、任天堂としても対応に苦慮しそうだ。(SANKEI EXPRESS)

「現実反映せず」反論
「自分の婚約者の分身とゲームの中でも結婚したいのに、それができない。私がとれる選択肢は自分の分身か、婚約者の分身の性別を女性に変更するか、結婚という選択肢を諦めるしかない」
フェイスブックとツイッターにアップした自作映像で、こう訴えているのは、米アリゾナ州に住むタイ・マリーニさん(23)。

このゲームは日本で昨年4月に発売された「トモダチコレクション新生活」で、12月までに183万個が売れるヒットを記録した。欧米では「Tomodachi Life(トモダチ ライフ)」のタイトルで6月に発売される。
「Mii(ミー)」と呼ばれるアバター(分身)を作成し、架空の島で参加者のアバターと交流するゲーム。一緒に買い物をしたり遊園地で遊んだりして仲良くなり、恋愛や結婚に発展し、子供を産んで育てることもできる。ただ、恋愛や結婚ができるのは、異性のカップルだけという設定だ。

マリーニさんは発売を前に、任天堂に設定の変更を要求。「ゲームの分身には実生活が反映されているのが問題だ。分身に名前や人格、声を与えることができるのに、恋に落ちることができない」と訴えた。
これに対し、米国任天堂は公式声明で「このゲームはいかなる社会的主張も意図しておらず、ゲーム内の交流は陽気な別世界でのもので、現実を反映してはいない」と反論した。

可能なRPGも
ただ、世界各国で同性婚を法的に認める動きが広がるなか、欧米では最近、同性婚を容認する設定や同性愛のキャラクターが登場するゲームも増えている。人気シリーズの「ザ・シムズ」や「ザ・エルダー・スクロール」といったロールプレーイング・ゲーム(RPG)では、プレーヤーが同性愛のキャラクターを設定し結婚したり子供を持ったりできる。サバイバル・アクション「ザ・ラスト・オブ・アス」などには、同性愛や両性愛者のキャラが登場する。

マリーニさんのSNSでも、「任天堂の決定は、同性愛者と関連を持つことを嫌っているか、非常に保守的な考えかのどちらかであることを示している」「欧米では重大な過失となって企業イメージの悪化を招くだろう」など、任天堂に批判的なコメントが寄せられている。

多様な「性的マイノリティー(少数派)」への理解が世界的に進むなか、グローバル企業は今後、こうした問題への対応を迫られるケースが増えそうだ。

海外での売上高比率が約7割を占める任天堂も、設定変更には応じない方針を示す一方で、こうコメントした。
「われわれはすべての反応を思慮深く注視し、消費者をより理解する機会にしたい」
「msn産経ニュース」2014年5月9日 10:35
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140509/amr14050910350005-n1.htm
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同性婚、ゲーム続編では可能に=任天堂米法人が謝罪
 【シリコンバレー時事】任天堂米国法人は9日、人気ゲーム「トモダチコレクション 新生活」でプレーヤーの分身(アバター)の同性婚ができず、見直しを求める声が強まっている問題で、声明を発表し、謝罪した。来月6日に発売する米国版「Tomodachi Life(トモダチライフ)」で設定を修正するのは不可能としながらも、続編を出す場合には同性婚ができるように開発を進める意向を示した。

この問題をめぐっては米国の同性愛者やその支援者などの間で見直しを求める声が高まり、任天堂は声明で「多くの人々を失望させた」と謝罪。技術的に大幅な修正を伴うため、「今回は変更は不可能」としたが、続編を出す場合には「ゼロからデザインし、すべてのプレーヤーをより良く表現する」と表明した。
「時事通信」 5月10日(土)8時34分配信
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014051000104
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コメント 2

yahiro

僕はたとえゲームであっても生き方に反するものには参加したいとは思わないので、マイノリティはいても購入の時点で避けてるような気がします。
僕はポケモンは男と女しか選べないのでやらないです。
ゲーム上はグラフィックが変わるだけなのですが、見た目のために性別を選ぶというのがどうしてもできません。
性別選択ではなく衣装選択にしてくれたら買うんですが。
同じ理由でアメーバピグもやらないです。アンケートで抗議を送ったこともあるんですが、性別が選択できるのに登録した性別と逆の外見にしたいという僕の志向が少数派すぎるようです。

by yahiro (2014-05-10 22:07) 

三橋順子

yahiroさん、いらっしゃいま~せ。
おっしゃるように、購入しない、参加しないという選択肢は当然あります。
ただ問題は、参加したい、いっしょに遊びたいと思ったけども、適応できるシステムが無いというのは、やはり悲しいと思います。
こういう大ヒットするようなゲームでは、できるだけ間口を広く構えることが必要なのではないかと思います。
それと、今回、問題が大きくなったのは、ゲームのシステムやよりも、クレームに対する会社の対応の拙劣さだと思います。
もっと、しっかりした対応をしていたら、こんな騒ぎにはならなかったでしょう。
by 三橋順子 (2014-05-12 23:41) 

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