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喜多川歌麿の「深川の雪」66年ぶりに見つかる [お勉強(博物館・美術館)]

3月2日(日)
喜多川歌麿(1753頃~1806年)の「深川の雪」は、下野国栃木(現:栃木県栃木市)の豪商「釜喜」初代の善野伊兵衛に依頼された描いた肉筆画三部作の1つ。
「品川の月」「吉原の花」についで、享和2年~文化3年(1802~1806)に制作された歌麿晩年の肉筆画の傑作とされる。
歌麿「深川の雪」(2).JPG
↑ 喜多川歌麿「深川の雪」(今まで知られていたモノクロ写真)
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↑ 今回再発見の「深川の雪」(カラー画像) 縦199cm×横341cm
雪が積もった中庭を望む深川の茶屋の二階で、火鉢を囲む女性たち、拳遊びをする芸者たち、通い夜具を運ぶ人などがリアルに描かれている。
歌麿「品川の花」.jpg
↑ 喜多川歌麿「品川の月」(天明8年頃 1788年)
歌麿「吉原の花」.jpg
↑ 喜多川歌麿「吉原の花」(寛政3~4年 1791~92年)

この三部作は、明治12年(1879)に栃木市の定額寺で「雪」「月」「花」3作揃って展示された後、明治20年頃までに海外(パリ)に流出してしまう。
現在、「月」はアメリカのフーリア美術館(ワシントンD.C.)に、「花」は同じくワーズワース・アセーニアム美術館(コネティカット州)に所蔵されている。
「雪」だけは、パリに滞在していた浮世絵収集家の長瀬武郎が買い取り、昭和14年(1939)に日本に戻った。
戦災に遭うこともなく、昭和23年(1948)の銀座松坂屋で開催された「第2回浮世絵名作展」に展示されたが、その後、66年間、消息不明になっていた。
そうした経緯があるので、栃木市教育委員会がずっと探していた。
歌麿「深川の雪」.JPG
ともかく、見つかってよかった。
できれば栃木市に里帰りして、さらに欲を言えば、三部作揃っての展覧会を期待したい。
(すでに、栃木市が「花」と「月」の高精細複製画を作製している)
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歌麿「深川の雪」見つかる=66年ぶり公開へ―岡田美術館
江戸後期の浮世絵師、喜多川歌麿の肉筆画の傑作とされる「雪月花」3部作の一つで、1948年に公開されてから所在不明だった「深川の雪」が見つかったと、岡田美術館(神奈川県箱根町)が2日、発表した。4月4日から6月30日まで同館で特別展示される。

縦199センチ、横341センチで、27人の人物が生き生きと描かれている。歌麿研究者の浅野秀剛大和文華館館長は「歌麿がここまで大きな絵を描けたことに驚いた。細密であると同時に、緩みない充実を感じる。構想やバランス、色彩の配置も見事」としている。歌麿の晩年期の研究に役立つ貴重な資料と言えそうだ。
「時事通信」2014年03月02日 16:01
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コメント 1

edo

順子様 いつも楽しく拝見しています。早速ですが先日新宿歴史博物館で開催中の企画展に行きましたら、千鳥街の入り口の写真が2枚ほど展示されていました。前にブログで拝見していたので、念のためお知らせをと思いまして。展示は新宿の昭和40年代という展示です。
by edo (2014-03-02 20:08) 

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