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「脱・性化」現象 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

8月26日(土)

井上章一さん(国際日本文化研究センター所長)が、『朝日新聞』8月22日朝刊のロングインタビュー「やっぱり「京都ぎらい」」で、京都が新たな観光客として女性を受け入れる過程で、街全体が「デオドラント(脱臭化)」≒「脱・性化」=性的な臭いが消されていったことを指摘している。

その通りだと思う。
ただし、その現象は、日本のほぼすべての観光地で進行したものdせ、とりわけ京都で顕著だったと言うこと。

ところで、「脱・性化」という現象は、2010年代後半以降の「LGBT」業界でも顕著に進行した(している)。
自分たちの存在と主張を、より多くの人々に受け入れてもらうため、性的なことを語らなくなった。

セクシュアル・マイノリティがセクシュアリティを語らないというのは、私からすると、とても奇妙な現象に思えるが、多くのLGBT「活動家」は、それに疑問を抱かないようだ。

こうした「脱・性化」現象は、00年代の「性同一性障害」流行期に、すでに見られた。

「性同一性障害者は、元の身体に戻る(SRS=性別再指定手術で望みの身体を獲得する)までセックスなんかしません! セックスなんかする人は偽物です!」という主張がまじめに語られた。

このパターンが踏襲されるならば、「LGBTの人権が回復されるまで、同性とセックスなんかしません! 同性とセックスするのは、LGBTの偽物です!」という「活動家」が現われても、不思議ではない。


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同性パートナーシップ導入自治体の表を加筆 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

8月14日(月)

多忙でサボっていた、同性パートナーシップ導入自治体の表を加筆。
2023年4~7月の4ヵ月間で、61自治体が実施。

特筆すべきは神奈川県で、最後まで未実施だった県央部の秦野市・伊勢原市、県西部の真鶴町が7月に実施し、これで県内すべての基礎自治体(33市町村)が実施する「実施率100%」になった。
(香川県に次ぐ全国2番目)。

埼玉県も、かなり「実施率100%」に近づいてきた。
あとは、私の故郷、秩父市、皆野町、長瀞町など。

一方、南東北の大空白は、解消されていない。
宮城県、福島県は、いまだに実施自治体ゼロ。
隣接の北関東3県(茨城県、栃木県、群馬県)は県単位で実施済みなので、地域格差がすごい。

島根県もゼロ。
1自治体のみ実施は、山形県(酒田市のみ)、山梨県(甲州市のみ)、鳥取県(境港市のみ)、山口県(宇部市のみ)、長崎県(長崎市のみ)。

都道府県単位の実施は、茨城県、大阪府、群馬県、佐賀県、三重県、青森県、秋田県、福岡県、栃木県、東京都、富山県、静岡県に、長野県が8月実施で加わり13都府県に。
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話が流れて良かった [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

8月10日(木)

5月の初め、ある人から「NPOを立ち上げるので監事になってください」と頼まれた。

基本的には、お役に立ちたいのだけど、就任に当たっては、個人情報を担当の行政書士に託さなければならない。

ところが、その行政書士は、私の認識としては、十分に信頼できる人物ではなかった。

その認識は当たっていた。
依頼者の個人情報をTwitterに書くなどということは、職業倫理(守秘義務)的にあり得ないこと(1つ前の記事参照)。

結局、このNPO設立の話はご破算になり、私も監事に就任する必要はなくなった。

このこと、ずっとストレスだったので、これで良かったと思う。

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「石川県性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する県民の理解の増進に関する条例」案 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

8月9日(水)

「石川県性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する県民の理解の増進に関する条例」案。
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenmin/documents/lgbtq_pubcom_jourei.pdf
国の法律に合わせて、gender identityの部分は「ジェンダーアイデンティティ」と片仮名表記(「・」なし)。

今後、この形が一般化するか?
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TGJPと文藝春秋社 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

8月8日(火)

TGJPと文藝春秋社、こんなことになっていたのか・・・ぜんぜん知らなかった。
TGJP.jpg

加賀ななえ富士見市議会議員の
「新宿公園内で『Fack the TERF』というプラカードを視認した」
という証言、私にはかなり疑問。

私は、人が集まる前(10時頃)から新宿中央公園にいたが、その種のプラカードは見かけなかった。
さらに隊列が編成されたとき(12時半頃)、目立つプラカードを撮影して回ったが、その時にも、なかった。
問題のプラカードは、トランスマーチが動き出して以降に出現した(書かれ、掲げられた)可能性が高いと思う。

もちろん、私が見落としている可能性があるが。
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性的指向・性自認及び性的少数者に対する差別的な取扱いを禁止することなどを規定している条例 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

7月6日(木)

性的指向・性自認及び性的少数者に対する差別的な取扱いを禁止することなどを規定している条例をもつ都府県は現在9つ(東京都、茨城県、大阪府、三重県、鳥取県、秋田県、埼玉県、山梨県、沖縄県)。

石川県が10番目を目指している。

http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/002_lgbt.htm

【都道府県】
(1)東京都「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重理念の実現を目指す条例」
2018年10月15日公布
2018年10月15日施行
2022年11月1日改正施行

(2)茨城県「茨城県男女行動参画推進条例」
2019年4月1日改正施行

(3)大阪府「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」
2019年10月30日公布
2019年10月30日施行

(4)三重県「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」
2021年3月23日公布
2021年4月1日施行

(5)鳥取県「鳥取県人権尊重の社会づくり条例」
2021年4月1日改正施行

(6)秋田県「秋田県多様性に満ちた社会づくり基本条例」
2022年3月25日公布
2022年4月1日施行

(7)埼玉県「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」
2022年7月8日公布
2022年7月8日施行

(8)山梨県「山梨県多様性を認め合う共生社会づくり条例」
2023年3月24日公布
2023年3月24日施行

(9)沖縄県「沖縄県差別のない社会づくり条例」
2023年3月31日公布
2023年4月1日施行

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なぜ「性自認」にそれほどこだわるのか? [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

7月5日(水)

「理解増進法」の主旨に叶っていれば、条例が「性自認」という用語を使うことを縛らない、というのは、その通り。
法案の提出者である自民党の新藤義孝衆議院議員が、国会答弁で、くどいほど繰り返している(6月9日の衆議院内閣委員会)。https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000221120230609019.htm

しかし、「性自認」という言葉を、いまさら条例で使うのは止めた方がいいと思う。
国の法律に合わせて「ジェンダーアイデンティティ」でいいではばいか。
なぜか、Gの活動家は「性自認」という言葉に、強い思い入れがあるようで、不思議。

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国のLGBT理解増進法は「自治体の条例等縛るものではない」石川県で条例制定に向けた有識者会合

石川県が制定を目指す性的少数者、いわゆるLGBTQ+の人々への理解増進を求める条例について、有識者会合が開かれました。

県庁で開かれた会議にはLGBTQ+の当事者や大学の関係者、民間企業の役員など11人の委員が出席しました。

そして、県が制定を目指す性的少数者への理解増進を求める条例などについて議論が交わされました。

国は6月16日、LGBT理解増進法を成立させましたが、意見が相次いだのは国の法律をどこまで踏襲するかです。

参加した委員:
「性自認とジェンダーアイデンティティが一致しているんですよというのは、現場にとってはちょっと混乱を招くかなということもありますので…」

国会では自分の性をどのように認識しているかについて「性自認」「性同一性」「ジェンダーアイデンティティ」と、どの言葉を使うか各党の案が分かれました。

最終的には「ジェンダーアイデンティティ」という言葉が選ばれ法律は成立しています。

しかし4日の会議では、「なじみがない言葉」という意見が挙げられました。

金沢レインボープライド共同代表 松中権さん:
「法律の中でこの言葉が記載されているものの、運用上はこれまでの流れを受けて『性自認』という言葉を使ってもよいということを、きちんと明記した方がいいのかなと」

このほか、国の法律の表現で違和感がある部分について、県の条例はそれにとらわれない文言にすべきだという意見が相次ぎました。

松中権さん:
「この法律というものは地方自治体の条例などを縛るものではない。石川県が日本全国の自治体の中で一番より良い取り組みを進めていくっていうことが阻害されているわけではないということを、改めて今日確認ができたので良かったです」

県は出された意見をもとに条例案を作り、9月議会への提出を目指します。

「石川テレビ」2023年07月04日(火) 18:09
https://www.ishikawa-tv.com/news/itc/00261845






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小学生に対するLGBT・性の多様性教育…保護者の9割が「必要」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

7月3日(月)

保護者の意見を丁寧に記している良記事。

小学生の保護者限定で9割賛成ということは、反対は1割。

これが、保護者以外を含めると、反対が増える。

つまり、反対している人は、当事者性がない保護者でない大人が多いということ。

反LGBT、反多様性を主張する人は、多めに見ても、社会のだいたい10%というのが私の観察。
でもTwitterでは、「ほとんどの国民が反対している」になる。

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小学生に対するLGBT・性の多様性教育…保護者の9割が「必要」と回答

株式会社CyberOwlが運営する塾や習い事に関する総合情報サイト『テラコヤプラス by Ameba』は、このほど「LGBT・性の多様性教育」に関するアンケート結果を発表しました。同調査によると、LGBT・性の多様性について小学生の子どもから質問をされた経験のある保護者は2割強でした。また、小学生の子どもにも性の多様性教育は必要だと約9割の保護者が回答していたそうです。

調査は、全国の小学生の保護者男女500人を対象として、2023年5月~6月の期間にインターネットで実施されました。

調査によると、「これまでLGBT・性の多様性について学ぶ機会はあった」と答えた保護者は36.2%。「学ぶ機会があった」と答えた保護者に「どのような機会でしたか」と複数回答可で聞いたところ、「テレビで見たり聞いたりした」(31.8%)、「本やインターネット(SNS含む)で調べて学んだ」(26.2%)といった回答が上位を占め、LGBT・性の多様性について社会的に関心が寄せられているものの、保護者世代が学ぶ機会はあまり多くないことがうかがえました。

また、「LGBT・性の多様性についてどの程度理解していると思いますか」と聞いたところ、「どちらかと言えば理解している(なんとなく多様なあり方を受容する)」(55.0%)が最多となった一方、自ら関心をもつようにしているという保護者は、「とても理解している(積極的に関心をもつようにし、多様なあり方を受容する)」(6.4%)と、「理解している(関心をもつようにし、多様なあり方を受容する)」(28.4%)を合わせて34.8%でした。

続いて、「LGBT・性の多様性について小学生の子どもから質問をされた経験はありますか」と聞いたところ、「ある」と答えた保護者は25.8%でした。回答者からは以下のような具体的なコメントが寄せられました。

▽ある芸能人に対して「この人は男なのか?女なのか?」と聞かれたので、「体は男でも、心は女だったり、またその逆もあるんだよ」と説明した(小学6年生の保護者)
▽「男の子同士、女の子同士で結婚できないよね?」と質問を受けた。男の子が男の子を好きになることだってあるし、女の子が女の子を好きなることもある旨をまず伝え、難しいんだけどできないことはないことを伝えた(小学1年生の保護者)
▽テレビで(いわゆる)女の人っぽい恰好をしている男の人を見て「気持ち悪い!」と言っていた。「体と心がバラバラで合わない人もいるんだよ」と伝えた(小学4年生の保護者)
▽LGBTのニュースを見ているときに、「なぜこんなに大きく取り上げられているのか」と質問されたので、「それだけ悩んでいる人が多いからだ」と答えた。また「世の中にはいろいろな人がいるが、自分と違う価値観を持った人たちとも理解し合うことが重要だ」とも伝えた(小学5年生の保護者)

さらに、36.0%の保護者が「自ら子どもにLGBT・性の多様性について話をしたことがある」と回答。「子どもに話をしたことがない理由」としては、「年齢的に理解できない(まだその時期ではない)と思ったから」(39.7%)、「(知識不足で)どのように説明すればいいかわからないから」(37.8%)といった回答が上位に挙げられています。

自ら説明したことのある保護者が3割強に留まった一方で、88.4%の保護者が「小学生の子どもにも性の多様性教育は必要だと思う」(とてもそう思う:30.6%・そう思う:57.8%)と回答しています。

そこで、「どのような教育方法がよいと思いますか」と聞いたところ、「学校での教育を充実させる」(33.8%)が最多となった一方で、「自分自身が知識を深め、子どもに教える」(21.6%)、「家族の会話などで話題を自然に出す」(20.9%)なども挙げられ、保護者も自ら子どもに伝えることが大切だと感じている様子がうかがえました。

なお、「必要だと思う」と答えた保護者からは以下のような声が寄せられています。

▽年齢が低いうちに学んだ方が、偏見などが無く素直に理解しそうだから(小学5年生の保護者)
▽スマホなどで知った情報は間違っていることもあるので、正確な情報を教えてあげるためにもしっかり学んだ方がいいと思う(小学6年生の保護者)
▽自分たちが子どものころは、性教育も性自認や同性同士の交際なども、偏見や恥ずかしいものとしての印象が強く、肝心なところは教えてもらえなかったから (小学5年生の保護者)

他方、「必要だとは思わない」と答えた保護者からは以下のような声が寄せられました。

▽学ぶことで逆に偏見が生まれそうな気がする(小学5年生の保護者)
▽低学年ではまだ早すぎるが、高学年になると自分で調べることができるので、本人から質問を受けたら真摯に相談に乗れるようなスタンスでいいと思う(小学3年生の保護者)
▽関心がない子もいるので、すべてを押し付けて認めてあげようという考えはあまり共感できない(小学6年生の保護者)

最後に、「子どもがLGBT当事者だった場合に理解を示せると思いますか」と聞いたところ、「理解できる」(26.6%)と「すぐには理解できないが、理解できるように努める」(64.6%)を合わせて91.2%の保護者が、「理解したい」と考えていることが分かりました。

そのなかには、「実際に相談を受けた経験がある」という保護者もおり、「長女が『自分は男である』とカミングアウトしてきた」(小学4年生の保護者)、「物心ついたときから、いつも男の子と一緒に遊んでいた。本人は女の子扱いをされるのがとても嫌だったそうで、何度か『なんで自分は男の子と違うのか。男の子になれないのか?』と聞かれた」(小学3年生の保護者)といった声が寄せられていました。

そのほか、LGBT・性の多様性に関しての体験談には、以下のような声が集まりました。

▽昔LGBTに該当する友人がいた。家族の理解が得られずに死んでしまい、周りがもっと理解できれば、普通に生活できる世の中になれば、と常に思っている(小学2年生の保護者)
▽同級生で今思うとLGBTの男の子がいた。当時は理解できる世の中ではなかったので差別用語を言ってしまったことを今でも後悔している(小学5年生の保護者)
▽息子が幼稚園の頃、女の子向けの番組が好きで、そのグッズを欲しがったら、祖父が『男の子らしくないから駄目だ』と反対した。男の子には男の子らしいものをという考えが、性の多様性で悩む人たちを傷つけるのではないかと思う(小学5年生の保護者)
▽学生時代、レズビアンの女の子が同じ部活にいたが当時珍しい存在だったのでその話題を出すときはひそひそといった感じで当事者から見たら噂話をしているように見えたと思う(小学1年生の保護者)
▽同級生にトランスジェンダーの男の子がいた。女の子として接するように努めていたが、心から女性と思って接することができず、卒業してから自然と疎遠になってしまった (小学5年生の保護者)
▽職場にLGBTの子がいたり、メイクが好きな男の子や可愛いものが好きな男の子もいる。昨今、多様性を受容する世の中になり身近にそういった若い子が増えてきたように思う(小学1年生の保護者)

   ◇  ◇
調査を実施した同サイトは、「2024年度から小学校の保健体育で使われる教科書では、LGBTなど性の多様性について取り上げるケースが大幅に増えたようですが、子どもだけでなく保護者が学ぶ機会が増えることもまた、理解ある世の中を実現する一助になるかも知れません」と述べています。

『神戸新聞』2023/7/2 18:20
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202307/0016540973.shtml

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見て見ぬふりする連中とは「連帯」などできない [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

7月2日(日)

6月のプライド月間中に起こった「仲岡弁護士殺害予告メール事件」、東京都現代美術館のドラァグクイーンによる「読み聞かせ」イベントへの中傷、津田塾大学のTrans-woman受験生受け入れへの批判集中などを観察していると、「敵」が意図的に仕掛けてきているのがわかる。

「理解増進会」への中傷も含めて、「敵」の正体の目星も付いている。

それに対して、日本のLGBT団体はほとんど反応せず(声明を出さない)、我関せずの姿勢。

ヘイト・クライムに対する認識・対応が甘すぎる。
「敵」が組織的に攻撃してくるのだから、連帯して立ち向かわなかったら、負け戦だ。

自分たちはLGBTエリートだから、安全だと思っているのか?
お坊ちゃん、お嬢ちゃん育ちの人の良さ、喧嘩下手が出てしまう。

政治的であること、社会的であることの意味がわかっていない。
厳しく言えば、本当の意味で、社会を知らない、ということ。

仲間が攻撃されているときに、見て見ぬふりをする連中と「連帯」などできるはずはないだろう。



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読書会に爆破予告? 多様性をめぐり分断深まるアメリカの今 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

6月30日(金)

8年前、アメリカ・カルフォルニア州ではじまったドラァグクイーンによる読書会。

日本でも、数年前から行われるようになった。
7月には「東京都現代美術館」が企画展の付属イベントとして、ドラァグクイーンによる「読み聞かせ」を企画している。
東京都現代美術館.jpghttps://twitter.com/MOT_art_museum/status/1672469601345740800

企画が報じられると、ネット上の反対意見が激しくなった。
そのほとんどは、アメリカの反対運動の言説と同様で、単なる猿真似ではなく、宗教右派による組織的な運動の影が見えるように思う。

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読書会に爆破予告? 多様性をめぐり分断深まるアメリカの今

アメリカ各地で広がっている、ある読書会。
子どもたちに多様性への理解を深めてもらいたい。そんな思いから始まりました。
しかし今、こうした読書会が爆破予告や反対デモで、中止に追い込まれる事態が相次いでいるといいます。
いったい何が起きているのか?現場を取材しました。
(ワシントン支局記者 根本幸太郎)

何者かによる爆破予告
「安全確認後に再開しますが、今は車に戻りましょう!」

読書会の主催者がこう呼びかけると、その場にいた、子どもや親たちは、急いで避難を始めました。

今年(2023年)3月に行われた、子どもたちに多様性への理解を深めてもらおうと開かれた読書会に、何者かによって爆破予告が寄せられたのです。

その後、安全が確認されて読書会は無事開かれましたが、参加者の中には、突然の出来事に、困惑した表情を浮かべたままの人もいました。

主催者は、こうした現状について、次のように漏らしました。

「読書会に反対する人たちは、すべての人から『ドラァグクイーン』たちを遠ざけようとしているのです」

読み聞かせをするのは「ドラァグクイーン」
実はこの読書会で、読み聞かせを行っているのは「ドラァグクイーン」。


派手なメイクで女装をしてダンスなどのパフォーマンスをする人たちで、同性愛の男性やトランスジェンダーなどの人も多くいます。

ドラァグ(drag)とは「引きずる」という意味で、床につくほどの長いドレスを着こなす姿から、そう呼ばれるようになったとも言われています。

アメリカにおけるドラァグクイーンの活動には長い歴史があり、ニューヨークなどのナイトクラブのステージで、100年以上前からパフォーマンスを披露してきたといいます。

アメリカでは、かつて性的マイノリティーの人たちへの偏見や差別が強く、公共の場所で女装をしているだけで取り締まりの対象となる時代もありました。

こうした時代の中でも活動を続けてきたドラァグクイーンは、性的マイノリティーの人たちの権利拡大に向けて最前線で戦ってきた象徴ともされています。

今では、ドラァグクイーンを主人公にしたテレビ番組の影響もあって、認知度が上昇。

ショーを見られるレストランは、昼間から大盛況となっている所もあります。

アメリカ社会で、性的マイノリティーの人たちへの理解が進んできたのに合わせて、ドラァグクイーンたちもその活動範囲を広げてきたのです。

こうした中、近年、ドラァグクイーンが社会活動として参加するようになったのが、子ども向けの読書会でした。

LGBTQに関する本を子どもたちに読み聞かせ、性の多様性への理解や「誰もがなりたい自分になれる」というメッセージを伝えることを目的としています。

一番自分らしくいられるとき
「あなたは愛されているし、特別な存在です。落ち込んだときには、私があなたを信じていることを思い出して、進み続けて下さい」

読書会で、子どもたちにこう語りかけたのは、ドラァグクイーンのダイアナ・レイ・エリスさん(31)です。

アメリカ南部ケンタッキー州で生まれ育ったダイアナさん。幼い頃に見た、ドラァグクイーンが主人公の映画がきっかけで『自分も、やってみたい』と思うようになったのだそうです。

その後、自身がトランスジェンダーだと認識するようになると家族にも明かして、ドラァグクイーンになることを目指しました。

好きな衣装を着て、好きなメイクをして、パフォーマンスを披露しているとき、ダイアナさんは、一番自分らしくいられると感じるのだといいます。

自分は黒人であり、トランスジェンダーであり、私以外の誰でもない。

自分の人生を、自分がありたいように生きられている。

このことを実感させてくれるのが、ドラァグクイーンという存在なのです。

だからこそ、子どもたちにも「ありのままのあなたで、大丈夫だよ」と伝えたい。ダイアナさんは、そんな思いから読書会で読み聞かせを行うようになりました。

読書会に対する過激な抗議活動
ただ、ダイアナさんたちの思いとは裏腹に、今、保守派の間で読書会への反発が急速に高まっています。

ダイアナさんが読み聞かせをする当日、会場の周辺には読書会に反対する人たちが集まり、イベントに抗議の声をあげていました。

「あらゆる形態の同性愛や男性が女装をするようなことは神の掟に反する!」

8年前にカリフォルニア州で始まったドラァグクイーンによる読書会は、全米各地に広がり、一部の地域では公費を受けて、図書館や授業の一環として学校で行われるまでになりました。

読書会が保守層の多い地域にも広がり、注目度が高まったことで、伝統的な性の道徳観を重んじる保守派からの反発が表面化しているのです。

読書会のスタッフに詰め寄る男性
さらに、反対運動では一部の保守派が過激化。会場に爆破予告や襲撃を行って、各地の読書会を次々と中止に追い込んでいます。

「子どもたちを守るための法案」
なぜ、ここまで反発が強まっているのか。

読書会に反対している保守系の団体の代表に話を聞くと、「ドラァグクイーンは性的な関心に訴える成人向けのパフォーマンスを行っている」と指摘するとともに、「幼い子どもに性自認に関する話題を教えるべきではない」と主張しました。

ケンタッキー州のキリスト教保守派の団体 代表
「幼い子どもたちは、複雑なテーマを正確に理解する能力を持っておらず、さまざまな考え方に触れる年齢には、注意しなければなりません。子どもたちには、男の子、そして、女の子として創造されたという現実を理解することを奨励すべきと考えており、性別は考え方や感じ方で決まると教える過激な思想に懸念を抱いています」

こうした保守派の反発を受けて、政治も動きだしています。

ケンタッキー州の議会では、共和党の議員が、“子どものいる場所や公共の施設などでドラァグクイーンが性的なパフォーマンスを行うことを禁止する法案”を提出。

ケンタッキー州議会の共和党議員
この法案では、最初の2回の違反は軽犯罪とし、3回目以降は重罪として処罰するとしています。

法案を提出した共和党議員は「子どもたちを守るための法案だ」として、必要性を訴えています。

アメリカメディアによると、同様の法案は、テネシー州やテキサス州など、少なくとも15の州で提出されているということです。

ドラァグクイーンは犯罪じゃない
「性的なパフォーマンス」などといったあいまいな表現を含む法案が成立すれば、活動が大幅に制限されかねないとして、ドラァグクイーンたちは全米各地で抗議の声をあげています。

ドラァグクイーンが、一番ありのままの自分でいられる“居場所”だと感じてきたダイアナさんも、こうした動きに憤りを募らせています。

ダイアナ・レイ・エリスさん
「なぜドラァグクイーンを標的にするのでしょうか? なぜ、自分の人生を生きたいと考えるトランスジェンダーの人たちを標的にするのでしょうか? ドラァグクイーンは犯罪ではありません、アートなんです」

性的マイノリティー対象の法案相次ぐ
同性婚が認められるなど、近年、アメリカでは、性的マイノリティーの人たちの権利拡大が進んできました。

ただ、2023年に入ってから、各地の共和党議員は、性的マイノリティーの人たちの権利の制限につながる法案を提出する動きを強めています。

アメリカの人権団体「アメリカ自由人権協会」によると、ドラァグクイーンを対象としたものに加えて、未成年者への性別適合のための治療を禁止するものなど、その数はすでに491法案に上り、2022年より200以上増えて過去最多となっています。

ジェンダーや性の問題に詳しい専門家は、性的マイノリティーの権利の問題をめぐって揺り戻しとも言える動きが起きていると分析しています。

ジョージワシントン大学 サラ・マシースン助教
「アメリカでは、歴史的にアフリカ系アメリカ人や女性など、これまで社会的に疎外されてきたグループの権利のための社会運動が前進するたびに、その進歩を押し戻そうとする反動が必ず起こっています。トランスジェンダーの権利は認知度の高さと拡大の勢いから反動にさらされており、性的マイノリティーに対する保守派の活動の中で、ドラァグクイーンが最新の標的になっているのです」

大統領選挙で大きな争点の1つに
人種、人工妊娠中絶、銃規制などで分断を深めるアメリカ。性的マイノリティーの人たちの権利をめぐる議論でもその分断が浮き彫りになっています。

実際に現場を取材して、読書会に対する反対運動が、一部で過激な行動にまで発展しているのを目の当たりにして、思っていた以上に分断が深まっていることを実感しました。

そしてこれは、2024年に行われる大統領選挙で大きな争点の1つにもなっています。

フロリダ州 デサンティス知事
野党・共和党の大統領候補の1人、フロリダ州のデサンティス知事は、2023年5月、未成年がドラァグクイーンのショーを見ることを規制する法案に署名して成立させ、保守的な姿勢を鮮明にしました。

バイデン大統領
一方で、大統領選挙に再選を目指して立候補することを表明している民主党のバイデン大統領は、6月10日、ホワイトハウスで性的マイノリティーの人たちへの支持を示すイベントを開催し、権利を守ると強調しました。

性的マイノリティーの人たちの権利をめぐる激しい対立で揺れるアメリカ。その現場をこれからも伝えていきます。

「NHKニュース(国際)」2023年6月27日
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2023/06/27/32576.html
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