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トランスジェンダー的な人のエッセーの歴史 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

11月23日(火・祝)

トランスジェンダー的な人が、自らの日常や心情をつづったエッセーとしては、加茂梢さんの「女装交友録」が最初。
『風俗奇譚』1967年6月号から1974年1月号まで足掛け8年80回に及ぶ長期連載。
新宿の女装世界草創期の貴重な記録だが、梢さんとその周囲に集まる女装者の人間模様も興味深い。

梢さんは、読売新聞の記者(校正係という説も)という経歴だけあって、文章力はプロ級。
文章を書くことを愛する人だったからこそ、足掛け8年80回も続いたのだろう。
トランスジェンダー的な人のまとまったエッセーとしては断然早い(その後、しばらく途絶える)。
もっと評価されてよい人だと思う。

次は、20年ほど間が空いてしまう。
1990年代半ば~後半。『シーメール白書』に、ニューハーフの藤原真唯さんが、題名を変えながら、エッセーを連載していた。
これについては、私が資料集成を怠っていて、ちゃんとした紹介ができない。
できるだけ早く、資料集成をしないといけない。

次は、というかほぼ同時代で、私の「フェイクレディのひとりごと」になってしまう。
『ニューハーフ倶楽部』(三和出版)2号から57号(最終)、1995年5月から2007年8月まで、足かけ13年56回の長期連載。

もちろん、この間に「日記」を書いたトランスジェンダー的な人は、何人もいたと思う。
しかし、それを公表する媒体(出版物)がほとんどなかった。
梢さん、真唯さん、私は、そうした時代に幸いにも掲載媒体を持つことができて、書いたものを世の中に残すことができた。

そして、2000年代半ばから、誰でも「日記」を書いて他者に読んでもらえる「ブログ」の時代になる。
これが、トランスジェンダー的な人の(連載)エッセーの歴史。

もちろん、単発のエッセーはたくさんあるし、中にはすてきな作品もある。
こうしたものをどうやって後の世に伝えていくか、もっと真剣に考えないといけないと思う。

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『シモーヌ』(現代書館)Vol.5 [現代の性(性別越境・性別移行)]

11月23日(火・祝)
『シモーヌ』(現代書館)Vol.5は、特集「『私』と日記:生の記録を読む」。
シモーヌ5.jpg
高井ゆと里さんの「時計の針を抜くートランスジェンダーが閉じ込めた時間ー」は、いろいろ考えさせられた。

自分も長年ブログ日記を書き続けているが、自堕落な日常と怠惰な仕事ぶりを綴るだけでなく、もう少しマシなことを書かなければと反省


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