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ドキュメンタリー映画「息子のままで、女子になる」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

7月8日(木)

夜、渋谷へ。
円山町の「ユーロスペース2」で、遅まきながら、サリー楓さんのドキュメンタリー映画「息子のままで、女子になる」(杉岡太樹監督)を観てきた。
息子のままで、女子になる.jpg
月並みだが、とても良質なドキュメンタリーという印象。
1時間45分、スクリーンから目は離れなかった。

現代日本のTrans-womanのアイコンとして活躍する楓さんの多方面のチャレンジがよく描かれていた。
メインテーマの家族の問題が、過剰に重苦しくならなかったのは、ご両親、とりわけ顔出し出演したお父様の真摯な人柄があってのことだと思う。

映像の流れ的には、もう1つのテーマだった、MISS INTERNATIONAL QUEEN の国内予選の敗退(挫折)が良いアクセントになっていた。
あれが良い結果になっていたら、すべてがうまく行き過ぎて、ドキュメンタリーとして「嫌味」になりかねなかった。

あえて難を言えば、映像に挟まる監督?の質問に何度か首を傾げた。
まあ、観衆の代わりに質問しているのだろうが、Trans-womanに身体の状態を質問するのは、マジョリティの男性が聴きたがることではあるが、良く言えば野暮、はっきり言えば失礼。
これでは悪しき見本になってしまう。

以下、雑感。
いちばん驚いたのは、楓さんが喉ぼとけを押し込むシーン。
へ~ぇ、あんなことできるんだ!
トランス業界36年で、初めて見た。
ちなみに、私は太っているので、首の肉に埋もれて喉ぼとけは目立たない(笑)

終盤で声を気にしていたけど、たしかに西原さつきさんとのシーンでは、さつきちゃんに比べるとかなり低い。
あと、講演のシーンでも、話し始めは高いがだんだん低くなる(これは、私も同じ)。

ただし、不自然ではない。
むしろ、Trans-woman特有の艶のある良い声だと思う。
楓さんの場合、仕事の場で顧客に信頼感を抱かせることが大事なわけで、それにはうってつけの声だと思った。

お姉さんとのシーン、ほのぼのとして、良かった。
私にも妹がいるので、ちょっとジーンときた。
海辺のお家もすてきだった。

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