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「性別適合手術を受けた人の70%が術後3年以内に自殺」するわけがない! [現代の性(性別越境・性別移行)]

1月18日(土)

「性別適合手術を受けた人の70%が術後3年以内に自殺をする」
https://www.hachi8.me/after-sex-change-surgery-suicide/?fbclid=IwAR2HwzSXmvBJlQZ7VvCU8PJ_RnWPVVtXgtkhyDwD63-mx2H0n4_P11aX1O8
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なぜ、こんな虚偽情報が、もっともらしく流れているのだろう。
これが本当なら、私の周囲(友人・知人)たち自殺者だらけということになるが、もちろんそんなことはない。

ただし、性別適合手術後の自殺は、すごく珍しいことではない。
痛ましいことだが「ああ、またか・・・」という感じで、1年に1例くらいは聞く。
手術が人生の目的化してしまった人が目標消失で自殺に至るケース、
手術に過大な期待を持っていた人が手術後も状況が好転せずに失望するケースなど。

それでも、70%なんてことは絶対にない。

明確な調査データはないが、私の主観では1%以下、多めに見てもSRSした500人に1人(0.2%)前後ではないだろうか?
それでも一般の自殺率(10万人あたり15.8人=0.016%)より1桁多いのだが。

ともかく、「70%自殺」などという誤ったデータに惑わされないで欲しい。

記事全体を読むと、単なる「誤り」ではなく、どうも、性別適合手術に対する意図的な反対キャンペーンのように思う。
バックに宗教的右派がいるのかも?

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性別表現の自由を尊重、条例改正案提出へ 東京・港区 [現代の性(性別越境・性別移行)]

1月18日(土)
朝日新聞20200113.jpg
25年前(1995年)から、CFL(表向きは親睦グループ「Club Fake Lady」、実は「Cross-dressing Freedom Line=服装の自由戦線」)を主宰してきた者として、「性別表現の自由」という新聞見出しが見られる時代になったこと、とても感慨深い。

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性別表現の自由を尊重、条例改正案提出へ 東京・港区

体と、自認する性が異なるトランスジェンダーなどの性的少数者(LGBTなど)が、本人の望む性に適した制服などを選択する「性別表現の自由」を尊重することを盛り込んだ条例改正案を、東京都港区が2月の区議会定例会に提出する。区によると、こうした内容を明記した条例は全国初という。4月の施行を目指している。

性別表現は、服装や言葉遣い、振る舞いから社会に対して性別を表すこと。性表現ともいう。区によると、特にトランスジェンダーの人は自認する性と学校の制服などで割り当てられる性が異なり、悩む人が多い。

区は男女平等参画条例を改正し、職場や学校などで、本人が望む性での性別表現をする自由の尊重を明示する方針。罰則規定は設けない。区民と区内にある事業者が対象となる。今後、学校などで説明の機会をつくり理解を求める。

担当者によると、これまでも区立の中学校ではトランスジェンダーの生徒から申し出があった場合、ズボンやスカートなど本人が望む標準服(制服)を選ぶことができたが、最終的な判断は校長にゆだねられていた。担当者は「条例を制定することで学校側は法的根拠をもって個別対応ができる。トランスジェンダーの方の生きづらさの解消につなげたい」と話す。

2018年に区が、都内に住む18歳以上の性的少数者を対象に実施し、400人が回答したアンケートで、約13%が学校でのいじめに困ったと回答。また、全体の22%が自殺を考えたことがあると答えている。こうした結果を受け、区は、性的少数者への偏見や差別をなくすため条例改正を検討していた。改正案には同性カップルなどの公的な認定制度も盛り込む。

生徒指導や校則に詳しい東京理科大大学院の八並光俊教授は「以前から性的少数者への配慮は求められてきたが、制服などへの対応が遅れている学校は少なくない。条例化で、学校の変革が後押しされるだろう」と話す。

企業や学校で性的少数者への理解啓発に取り組むNPO法人「ReBit」(新宿区)の薬師実芳(みか)代表理事は「性表現の自由が明記されることは非常に意義がある。トランスジェンダーの子どもたちが制服を理由に不登校になるケースは多い。学校や企業で性的指向や性自認に加え、性表現についても積極的に話せるきっかけになってほしい」と期待する。(国米あなんだ)…

LGBTをめぐる国や自治体の動き
2004年7月 性同一性障害特例法が施行。戸籍の性別変更が可能に
15年4月 東京都渋谷区が同性カップルを結婚に準じる関係と認める全国初の条例を施行
同月 文科省が性的少数者の児童生徒への配慮を求める通知
17年4月 大阪市が16年12月に男性カップルを養育里親として認定していたことが明らかに。同性カップルによる里親は全国初
18年4月 東京都国立市が性的少数者であることを第三者が勝手に公表する「アウティング」を禁じる全国初の条例を施行

『朝日新聞』2020年1月12日 7時00分
https://digital.asahi.com/articles/ASN164HGKN16UTIL014.html?pn=5

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「洋ちゃん」の訃報 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

1月18日(土)

新宿二丁目・ゲイタウンの最長老(とされる)新千鳥街「洋チャンち」の店主「洋ちゃん」の訃報。
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洋ちゃん.jpg
https://city.living.jp/yokohama/onee/9785

一昨年(2018年)3月に、長谷川博史さんに連れて行っていただいて、じっくりお話をうかがった。
ありがとうございました(合掌)
https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2018-03-01

「洋ちゃん」は1937年(昭和12)年生まれなので、今年82歳ということになる。
1950年代後半から60年代、美貌のゲイボーイとして知られたケニーさんにかわいがられた方。
戦後混乱期の浅草からスタートして、銀座、新宿ゴールデン街・花園街、二丁目「新千鳥街」の中と遷って、今の「新千鳥街」の外側のお店に至る。
新宿花園街の奥に店を出したのが1965年(昭和40)、二丁目に移転したのは1973年(昭和48)とのことで、草創まもない70年代初頭の新宿「ゲイタウン」を知る数少ない方。
その頃の二丁目は「静かで人がいない街」「(新宿という)龍の尻尾の、また先っぽのような(外れてしまった)街」だったとのこと。

洋ちゃんは、映画『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年)に女装のゲイ:キクエ役で出演している。


私は、ある程度、知りたいことをうかがうことができたが、ゲイの歴史研究者は、ちゃんと聞き取りをしたのだろうか?
亡くなってしまったら、もうお話は聞けないのだ。

私は「洋ちゃん」が81歳の時にお話をうかがったわけだが、記憶力に驚いた。
高齢の方にお話をうかがって困るのは、それが何年のことかがはっきりしないこと(それを引き出すのが調査者の腕前)。
「洋ちゃん」は「あれは何年前のこと」とちゃんと年次の目盛りが入る(まあ誤差はあるだろうが)。
その一方で、都合が悪いこと、話したくないことの時は、惚けている振りをする。
その間合いが実に見事だった。
仕事(聞き取り調査)抜きで、もう一度、飲みに行きたかった。
ご冥福をお祈りいたします。


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1月17日(金)関東学院大学「セクシュアリティ論」第13講「『買売春』を考える(3)―歴史をたどる 昭和戦後期~現代」 [お仕事(講義・講演)]

1月17日(金)  晴れ  曇り  10.9度  湿度65%(15時)

関東学院大学「セクシュアリティ論」
「『買売春』を考える」シリーズ(第11~13講)を終了。

今期は学会出張で1回休講したので、4回分を3回で話したので、ちょっと忙しかったが、なんとか端折らずに話せた。

1 「性の商品化」とは何か?
(1)「性の商品化」の定義
(2)なぜ「性の商品化」はいけないとされたのか?
(3)「性の商品化」論への反論
2 「買売春」論の基礎
(1)売春の定義
(2)売春はなぜいけないとされるのか? ー主張と反論ー
(3)「セックスワーク(性的サービス労働)論」の登場
3 前近代日本の「買売春」の歴史
(1)「遊行女婦」「夜発」「傀儡女」(奈良時代~平安時代)
(2)「色里」の成立(平安時代後期~鎌倉時代)
(3)「廓」の成立と展開(安土桃山時代~江戸時代)
4 近代日本(明治~昭和戦前期)の「買売春」の歴史
(1)「貸座敷」許可と「娼妓」鑑札制度(明治時代)
(2)「廃娼運動」の活発化(大正・昭和戦前期)
5 戦後日本(昭和戦後期)の「買売春」の歴史
(0)原点としての戦地「慰安婦」
(1)「RAA」と「パンパン・ガール」(1945年~)
(2)「赤線」の時代(1946~1958年)
(3)「売春防止法」の成立(1948~1958年)
(4)「売春防止法」の内容
6 現代の「買売春」をめぐる問題 
(1) 法と実態の狭間で
(2)不可視化されるセックスワーカー
(3)問題解決のために
(4)最近の動き

例年のことながら、学生の「食いつき」はかなり良い。
今までの学校教育でまったく教わってこなかったことなので、「知る」楽しみがあるのだと思う。
紹介する画像も、それなりに興味を持って見ている。

来週は最終講(第14講)で「(特講)横浜の遊廓の変遷 ―セクシュアリティの地域史―」。
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「LGBT」の運動参加の基本 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

1月17日(金)

最近、「LGBT」内部の経済格差を問題視する見解がいくつか見られる。
たしかに状況的には、そういう場面もあるだろう。

でも、「LGBT」の運動への参加は経済力に規制されるものではない。
新宿歌舞伎町「すずや」特製の「キラキラ粉」10万円分を買わなければ運動に参加できないというのなら、大いに問題だが、そうではない。
実際、富裕層・准富裕層とはいえない人も、たくさん運動に参加している。

要は、連帯する気持ちがあるのなら、積極的に参加すればいい。
そして、自分ができる範囲のことをすればいいだけ。
お金がある人は資金を提供する。
私みたいにお金がない人は、知恵や労力を提供する。
それらを調整する(バランスをとる)のは運動のリーダーの役割だ。

それでいいのではないだろうか。
力を合わせて一緒に前に進もうよ、性的マイノリティの人権が擁護される社会にしていこうよ、という運動なのだから。
もちろん、運動の趣旨に賛同せず、連帯しないのも、個々の自由だ。
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「LGBT」は連帯概念 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

1月17日(金)

「LGBT」って、そもそも性的マイノリティの「置き換え語」ではないわけで、L/G/B/Tの人が政治的課題の解決に向けて手を結ぶ連帯概念。

だから、そんな政治的課題には関心がない、連帯する必要は感じないという人は「LGBT」である必要はなく、LなりGなりBなりTなりで活動すれば、それでいいわけ。
「LGBT」でないからといって、LやGやBやTでなくなるわけではない。

私は2003年くらいから「性別変更法と同性婚法は、本来、同時にやるべき」と主張してきたので、婚姻平等の早期達成という課題には連帯する。
だけど、自分の本分はあくまでTであり、「LGBT」ではないと思っている。

正直言えば、「LGBT」という枠組みでは、もう仕事はしたくない。
カテゴリー間の軋轢があまりにも強く、とりわけその皺寄せが「LGBT」の中のマイノリティであるTに集中する構造になっている。
それはもう勘弁してほしい。

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「あの日の朝」(阪神淡路大震災)から25年・・・ [地震・火山・地質]

1月17日(金)
今日は「あの日の朝」から25年・・・。早いなぁ。

2015年1月17日にブログに書いた「20年前あの日の朝」。
https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2015-01-17-3
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