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性同一性障害の経産省職員にトイレ使用制限、国に賠償命令 東京地裁 [現代の性(性別越境・性別移行)]

12月12日(木)

勝訴! おめでとう!
大きな意味のある判決だと思う。
このまま確定してほしい。
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性同一性障害の経産省職員にトイレ使用制限、国に賠償命令 東京地裁

国側が職員の女性用トイレの使用を制限するなどしたことを違法だと認め、国側に慰謝料約132万円の支払いなどを命じた。

戸籍上の性別が男性であることを理由に、女性用トイレの利用を制限されたり、人事異動を制限されたりしたーー。
経済産業省に勤務する性同一性障害の職員が受けた措置は違法だとして、国を相手に訴えを起こしていた裁判の判決が、12月12日、東京地裁であった。職員は、職場の処遇改善と損害賠償を求めていた。
判決で江原健志裁判長は、国側が職員の女性用トイレの使用を制限するなどしたことを違法だとして、国側に慰謝料約132万円の支払いなどを命じた。

原告職員の性同一性障害とは
原告の職員は、戸籍や身体的には男性だが、自分の性別を女性だと認識している。

大学卒業後、男性として経産省に入省。1998年に性同一性障害としての診断を受けた。2011年には、家庭裁判所の許可を得て戸籍上の名前も変更した。現在は、女性として生活している。
性別適合手術は、健康上の理由で受けていない。

日本の法律では、性別適合手術を受けていなければ、戸籍上の性別を女性に変更することはできないとされている。そのため、この職員は戸籍が男性のままになっているのだ。

女性用トイレの使用について
職員は性同一性障害の診断を受けた後、ホルモン療法を始めた。
職場では、2009年に人事部との話し合いを始め、同じ部署で働く職員への説明を経て、2010年に女性職員としての勤務を始めた。

その際に、女性更衣室の利用や、健康診断の女性枠での受診は認められたが、国側は裁判の中で「性別適合手術を受けるまでの暫定措置」だとして、女性職員として勤務を認めたわけではないと主張していた。

そのため、職員は女性用トイレの使用が制限されていた。条件として、勤務しているフロアから2階以上離れている女性トイレを利用するようにとされたのだった。この処遇は現在も続いている。
原告側の弁護団によると、国側は、労働安全衛生法でトイレは男女別にすると定められていると主張しているという。

女性用トイレの使用を制限している理由については、「原告が女性に性的な危害を加える危険性が完全に払拭されていないこと」「性暴力に心配する女性の心情に配慮することに一定の合理性がある」などとしているという。

職場では複数回話し合いが行われた。原告側は、この話し合いの中で上司らのハラスメント行為があり、精神的に追い詰められて抑うつ状態となり、約1年半の病気休職を余儀なくされたとして損害賠償を請求していた。

人事異動も制限
裁判で原告側は、性同一性障害に関わる人事異動の制限についても訴えていた。
経済産業省では、通常、2~3年で人事異動が行われる。しかし原告職員の人事異動は、10年以上行われていない。

原告側は、裁判で上司らから「性別適合手術を受けて戸籍の性別変更をしないと人事異動ができない」とする差別的な扱いをされたと主張。さらに、性別変更ができないならば、異動先で戸籍上の性別が男性であることをカミングアウトすることを求められ、しないのであれば女性トイレの使用は認めないと告げられたと主張している。

一方、国側は人事異動については「あくまでも人事評価に基づく総合考慮」と主張。異動先での女性トイレ使用の条件にカミングアウトを提示した理由については、「トラブル防止のために異動先の女性職員の理解を得る必要がある」としていた。

経産省は判決に対し、「一審で国の主張が認められなかったと承知しています。控訴するかどうかは判決を精査した上で関係省庁とも相談の上、対応することとしたい」とコメントした。

「HuffPost Japan」2019年12月12日 16時49分 JST
Jun Tsuboike 坪池順
中村 かさね (Kasane Nakamura)

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“心は女性” 女性トイレの使用認めない国に賠償命令 東京地裁

性同一性障害で心は女性の経済産業省の職員が、職場で女性用トイレの使用が認められないのは不当な差別だと訴えた裁判の判決で、東京地方裁判所はトイレの使用を認めないとした国の措置を取り消し、国に130万円余りの賠償を命じました。
原告「平等にしてほしいだけ」
訴えた職員は、東京・霞が関の経済産業省で勤務しています。訴えによりますと、職員は男性として入省しましたが、職場に性同一性障害の悩みを打ち明けて相談したうえで、女性職員として働くようになりました。女性用の休憩室や更衣室の使用は認められましたが、女性用トイレについては当面の間、自分の部署の階では使用が認められず、2階以上離れた階のトイレを使うように言われています。

職員は「他の民間企業で男性として入社したあとに女性として勤務している友人はトイレの使用では何も制限がありませんでした。同じことを求めているだけなのになぜ経産省は個人のプライバシーを全く無視するような条件を突きつけてくるのか理解できません。へ理屈で少数者をおさえつけようとする態度が非常になげかわしいです」と話しています。

そのうえで職員は「私は、女性として生活している人と平等にしてほしいだけです。新しい制度や施設を作るなど時間やお金がかかることは何も求めていないので、変えようと思えば今すぐにでも変えられると思います」と訴えています。

また、裁判を通じて社会に対して伝えたいこととして「性的少数者をめぐる理解はスローガンとしては社会に普及してきたと思いますが、実際に職場や学校、家族にいたらどうするかという個別の事例に直面したときの対応は不十分だと思います。いかにひどい人権侵害か少し考えればわかるのに、今の日本ではまだ人権侵害がはびこっている現状があるので、この裁判で少しでも社会の状況が改善すればいいと思います」と話しています。

専門家「大きな人権侵害だと捉えていく必要」
性科学が専門で、裁判では原告側の証人として出廷した大阪府立大学大学院の東優子教授は「日常的に長時間仕事をする職場においてトイレというのは何回も使うものであり、健康上の問題にも影響がある。本人が認識する性別、性自認が理由でトイレの使用に問題が生じているのであれば職場が対応すべき重要な案件だ」と指摘しています。

そのうえで裁判について「人種や国籍、民族、あるいは宗教を理由に差別されてはいけないという基本的人権と同じように差別の問題がある。今回の裁判のように、性自認によってこのトイレを使っていけないとか、こうしなければ異動させられないということは大きな人権侵害だと捉えていく必要がある」と話しています。

また「これまではトイレや更衣室といったところで性別や性自認が問題になるとは想像もしなかったかもしれないが、あげられた声に耳を傾け、柔軟に対応していく必要がある。LGBTブームなどと言われているが、一過性のブームで終わらせるのではなく、社会が変わり続けていくことが望ましい」と指摘しています。

「NHKニュース」2019年12月12日 16時47分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191212/k10012212521000.html?fbclid=IwAR1g35BHiFhOkfnAL2BLHsJSm5HCa3kK85BDdbzEW162yF4zZiBIxjCTLrw
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性同一性障害職員、利用トイレ制限は違法 東京地裁

戸籍上は男性だが女性として勤務する性同一性障害の経済産業省の職員が、女性用トイレの使用を制限されたのは違法だとして、処遇改善や損害賠償を国に求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。江原健志裁判長は女性用トイレの自由な使用を認めなかった人事院の判定を取り消し、国に約132万円の賠償を命じた。

訴状によると、原告の職員は男性として入省後、性同一性障害の診断を受けた。「女性として勤務したい」と申し出て、2010年に女性の服装での勤務や女性用トイレの使用を認められたが、職場から2階以上離れたフロアのトイレを使うなどの条件が付いた。

11年には上司から、「性別適合手術を受けて戸籍上も女性にならないと異動させられない」と言われ、その後も「手術を受けないなら、もう男に戻ってはどうか」などと発言された。職員はトイレの使用制限などをなくすよう人事院に求めたが認められなかった。

職員は訴訟で、すでに女性として職場になじみ、トイレの使用制限の必要性はないはずだと主張。要求を認めない人事院の判定は違法として、判定取り消しと慰謝料など約1650万円の損害賠償を求めていた。

『日本経済新聞』2019/12/12 17:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53272270S9A211C1CC1000/
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性同一性障害、国の差別認める 経産省のトイレ利用制限 東京地裁が初判断

戸籍上は男性で心理的には女性の「性同一性障害」の経済産業省職員が、女性用トイレの利用を制限されるなどの差別を受けたとして、国に処遇改善と慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地裁は12日、トイレの利用制限を取り消し、132万円を支払うよう国に命じた。

性同一性障害を巡る職場環境の改善についての初の司法判断。江原健志裁判長は、トイレの利用制限について「社会観念上、著しく妥当を欠く」と述べた。また、同僚職員による「もう男に戻ってはどうか」という発言についても「法的に許容される限度を超えている」と述べた。【巽賢司】

『毎日新聞」」2019年12月12日 17時31分(最終更新 12月12日 17時31分)
https://mainichi.jp/articles/20191212/k00/00m/040/159000c

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女性トイレ制限は違法 性同一性障害の経産省職員が勝訴

性同一性障害の50代の経済産業省職員が、トイレの使用を制限されるといった差別を受け「人格権を侵害された」などとして、国に処遇改善と約1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。江原健志裁判長は「真に自認する性別に即した社会生活を送るという重要な法的利益を制約する」としてトイレの使用制限などを違法とし、国に132万円の賠償を命じた。

訴えていた職員は、心は女性だが戸籍上は男性。戸籍上の性別を変えるには性別適合手術が必要だが、この職員は健康上の理由で手術が受けられないという。

訴状などによると、職員は2010年7月、女性らしい服装や化粧に変え、所属部署の他の職員へ説明をして女性として勤務を始めた。職場からは勤務フロアから2階以上離れた女性用トイレを使うよう制限された。

職員はうつ病で休職して14年に復職したが、女性として勤務を始めてから4年が経ってすでに女性職員として職場になじみ、遅くともこの時期には、トイレの使用を制限する必要性はなくなっていたと主張。「社会生活上も女性として生きており、他の女性職員と平等に扱うべきだ」と訴えていた。

国側は、戸籍上の性別を変えていない同一性障害者への対応は特別な法令がなく「各府省の裁量に委ねられている」と反論。この職員が女性用トイレを使うことに対して抵抗感を示す声があったほか、トイレは身体的な性別によって利用するという社会通念もあるため、トラブルを避けるための合理的な対応だと主張していた。(新屋絵理)

『朝日新聞』 2019年12月12日17時32分
https://digital.asahi.com/articles/ASMDD4G3SMDDUTIL00N.html?pn=4
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「自認する性別で生活、重要」社会の柔軟さ求めた判決

自分の認識する性別で社会生活を送ることは、重要な法的利益だ――。女性として生き、女性トイレの自由な使用を求めた経済産業省職員の訴えに対し、12日の東京地裁判決は、社会の意識の変化を踏まえて、多様性を尊重していく重要さを明確に示した。勝訴した職員は社会全体に理解が広がるよう願った。

自分の認識する性別で生きる。そんな多数派には当然の権利が、生まれた時の性別とは異なる性別で生きるトランスジェンダーには十分保障されていない。それだけに、「真に自認する性別に即した社会生活を送れることは重要な法的利益」「国家賠償法上も保護される」と指摘し、経産省の対応やそれを追認した人事院の判定を違法と認めた今回の判決の意義は大きい。

原告は11年かけて女性ホルモンの投与を進め、私生活で化粧や女性用の服に慣れていった。女性への「社会的性別移行」ができたと感じてから、女性トイレの使用など女性職員としての処遇を申し出た。上司には「残りの人生、自分により正直に生きたい」と思いを伝えた。

皮膚の病気などで、予定していた性別適合手術は受けられていない。経産省は、原告が手術を受けず戸籍上の性別を変更していないことを理由に、硬直的な対応に終始。他の女性職員との間にトラブルが生じる恐れがあるとして、職場から2階以上離れた女性トイレを使うことや、異動したら同僚の女性職員に性同一性障害だと説明して理解を得るよう「強制的なカミングアウト」(原告)を求めた。

性的少数者への配慮から大企業や公共施設では性別に関係なく使える多目的トイレなどの設置が進むが、原告のように自認する性別のトイレ使用を望む人も多い。ただ、周囲への配慮などから職場や学校が認めないケースが絶えない。

金沢大の岩本健良准教授(ジェンダー学)が企業と共同で行った2017年の調査では、トランスジェンダーが性自認に沿ったトイレを使うことについて、非当事者の計35%が「どちらかといえば抵抗がある」「とても抵抗がある」と答えた。

それでも判決は、他の職員への配慮などを考えても「直ちに自認する性別のトイレの使用を制限することは許されない」と個々の事情や社会状況を踏まえた対応を求め、今回のケースでは「原告の法的利益の制約を正当化できない」と判断した。経産省のような処遇は「意思に反して身体への侵襲を受けない自由を制約する一面もある」と、性別適合手術を強いるかのような対応も問題視した。

今の性同一性障害特例法では、性別適合手術を受けて精巣や卵巣を切除し、生殖機能を失わなければ、戸籍上の性別は変えられない。心身への負担の大きさから手術を受けず、原告のように外見を変えても戸籍を変えられない人は多い。大阪府立大の東優子教授(性科学)は「手術を受けていない、戸籍が変わっていないという形式論で、小中学校でも性自認に沿ったトイレの使用が認められない現状がある。判決の意義を踏まえ、職場や学校や地域社会で性自認を尊重した対応がいっそう広がることを望みたい」と話した。(二階堂友紀)

『朝日新聞』(社会面)2019年12月12日21時46分
https://www.asahi.com/articles/ASMDD5QG8MDDUTIL02S.html?fbclid=IwAR2iTQ7OpSFxLFpLDlgEnqjspdHj_MwYchxFCkhS16btRTAwfNz9yyPX_kc
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トイレ利用制限「違法」国に賠償命令 性同一性障害の経産省職員勝訴

戸籍上は男性だが、性同一性障害で女性として生活する経済産業省の五十代の職員が、勤務先庁舎で女性用トイレの利用を制限しないよう求めた訴訟の判決で東京地裁は十二日、制限を「違法」とし、国に慰謝料など百三十二万円の支払いを命じた。江原健志裁判長は「自認する性別に即した社会生活を送ることは重要な法的利益で、制約は正当化できない」と判断した。

上司が面談で「もう男に戻ってはどうか」と発言した点も「性自認を正面から否定する」として違法だとした。

原告側によると、性的少数者が職場環境の改善を求めた訴訟で、請求を認めた判決は初めて。東京都内で記者会見した職員は「同じような当事者を勇気づける内容。使用者には人権を重視した対応が求められる」と話した。

判決によると、職員は専門医から性同一性障害と診断され、プライベートでは女性として生活。健康上の理由で性別適合手術は受けていない。二〇一〇年、同僚への説明会を経て女性らしい服装や化粧で勤務を始め、その後、家裁に申し立てて名前も変更した。だが、東京・霞が関の庁舎の勤務フロアと、上下一階ずつの女性用トイレの使用は認められなかった。

判決は、トイレを使う他の女性職員への配慮は必要だが、原告職員が性的な危害を加える可能性は客観的に低い状態で、社会生活でも女性として認識される度合いが高かったと指摘。

民間企業では、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの従業員に制限なくトイレ使用を認める例があり「国民の意識や社会の受け止め方は変化している」とした。

被告の国側は、職員が手術を受けていないことを根拠に、他の女性職員とトラブルになる恐れがあるとして、制限の合理性を訴えたが、判決は「意思に反して身体を傷つけられない自由を制約する面がある」と退けた。経産省は「控訴するかどうかは判決を精査し、関係省庁と相談して対応したい」とのコメントを出した。

性同一性障害の経済産業省職員に庁舎内の女性用トイレ使用を認めた十二日の東京地裁判決。記者会見した職員は「民間企業では二十年近く前から自分らしく勤務できている。ようやく判決で認められた」と振り返った。

原告の職員は、同じような境遇で働く人に向けて「何かアクションを起こさないと、何も変わってくれないのが現実だ。変えるための第一歩を踏み出してほしい」と、エールを送った。

◆戸籍性別を絶対視せず
<性同一性障害の問題に詳しい仲岡しゅん弁護士の話> 画期的な判決だ。いわゆる性同一性障害を有する従業員が使用するトイレに関して、戸籍上の性別を絶対的な基準とするのではなく、個々の具体的状況に照らして柔軟に判断したと思われる。とりわけ本件は、他の女性従業員とのトラブルなどが極めて生じにくいと思われる事案で、悪用が懸念されるような事案でもないことから、妥当な判断だと言える。今後、従業員の就業環境を整備する上で参考になるだろう。

『東京新聞』2019年12月13日 朝刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019121302000139.html?fbclid=IwAR1wEEKSxpIv_DPK5eoDAn-1ET_0tvldlM-dGXm3X3XAZDFc5sKlr8crbW8
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性同一性障害の経産省職員にトイレ使用制限、国に賠償命令 東京地裁

「女子トイレ制限」は違法、勝訴した性同一性障害の職員「アクション起こさないと変わらない」

性同一性障害の50代の経済産業省職員が、戸籍上は男性であることを理由に、女性トイレの使用制限などをされたのは不合理な差別だとして、国に処遇改善と約1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12月12日、東京地裁であった。

江原健志裁判長は、トイレの使用を認めないとした国の措置を取り消し、国に慰謝料など132万円の支払いを命じた。

判決言い渡し後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した職員は、「何かアクションを起こさないと、何も変わってくれないというのが、現実の世の中ではないか。すぐには変えられないかもしれないけれど、変えるために何かアクションを起こす。その第一歩を踏んでほしい」と話した。

●2階以上離れたフロアのトイレを使用するよう言われる
判決などによると、職員は男性として入省後、1998年に身体的な性別は男性であるが、性自認は女性である性同一性障害の診断を受けた。その後、女性ホルモン投与などの治療をはじめ、経産省との話し合いをへて、2010年7月から女性職員として勤務することになった。

経産省からは、女性用休憩室や更衣室、乳がん検診の受診などを許可されたが、女性トイレについては、勤務するフロアから2階以上離れたフロアのトイレを使用するよう言われた。

また、日本で戸籍上の性別変更手続を行うには、性別適合手術を行わなければならないが、職員は健康上の理由から手術を受けられないため、現在も戸籍上の性別変更手続ができないままでいる。

しかし、上司は2011年6月、職員に対し「性別適合手術を受けて戸籍の性別を変えないと異動できない」などの異動条件を示した。話し合いの中で、当時の上司からは「なかなか手術を受けないんだったら、もう男に戻ってはどうか」といった発言もあった。

●真に自認する性別にそくした社会生活を送ること「重要な法的利益」
判決理由で江原裁判長は、性別は「個人の人格的な生存と密接かつ不可分のもの」とし、個人が真に自認する性別にそくした社会生活を送ることは「重要な法的利益として、国家賠償法上も保護されるものというべき」と示した。

そして、トイレは日常的に必ず使用しなければいけない施設で、不可欠のものであるため、今回の職員への対応は「重要な法的利益を制約する」と判断した。

国側は、トイレに関連する職員への対応について、「女性職員との間で生じるおそれがあるトラブルを避けるためで、合理的な判断だ」と反論していた。

これに対し、裁判所は、
・職員が女性として認識される度合いが高かったこと、
・民間企業では戸籍上は男性で性自認が女性であるトランスジェンダーの従業員に対し、特に制限なく女性用トイレの使用を認めている例が複数あること、
・性自認に応じて男女別の施設を利用することについて、国民の意識や社会の受け止め方に変化が生じていること、
・諸外国の状況
などを考慮して、「トラブルが生じる可能性はせいぜい抽象的なものに止まっていて、経産省もそれを認識することができた」と指摘。

トイレ使用制限などの対応を継続したことは、「尽くすべき注意義務を怠ったもので、国家賠償法上、違法」と判断した。

また、経産省側が、トイレを自由に使うためには性同一性障害であると女性職員にカミングアウトするよう求めたことは、「裁量権の濫用で違法」と認定。

当時の上司の「なかなか手術を受けないんだったら、もう男に戻ってはどうか」といった発言についても「職員の性自認を正面から否定するもの」として国家賠償法上、違法だとした。

●「当事者を勇気付ける判決」
弁護団の山下敏雅弁護士は判決について「原告本人だけでなく、日本国内で苦しんでいるトランスジェンダーの当事者を勇気付ける判決。一人一人の多様性を尊重している」と高く評価した。

経産省側は、顧問弁護士から「他の職員が不快と思い、(経産省が)組織として対応できないことについては、本人に我慢してもらう必要がある。特に女性職員の保護が重要」といった助言を受けていた。

これについて、山下弁護士は、弁護士側もトランスジェンダーについての認識が不足していると指摘する。
「弁護士もトランスジェンダーの問題を人権問題として取り組んでこなかった。使用者側に助言をする弁護士は今一度どういった配慮をすべきか、きちんと認識していただきたい」

職員は「非常に安堵している。女性として生活している者は、他の女性と同じように扱って欲しいというのが大元の希望だった。今後、管理者側は、当事者の人格や人権を重視した対応が求められると思う」と話した。

●経済産業省「関係省庁とも相談の上、対応する」
経済産業省は「1審で国の主張が認められなかったと承知しています。控訴するかどうかは判決を精査した上で関係省庁とも相談の上、対応することとしたい」とコメントしている。

●事件の経過
大学卒業後、男性として経済産業省に入省
1998年 性同一性障害との診断を受け、女性ホルモン投与などの治療を開始
2009年7月 人事担当部署と上司などに「女性職員として勤務を開始したい」と申し入れ
2010年7月 約1年に渡る話し合いを経て、人事担当部署が女性職員として勤務することを条件つきで認める
2011年5月 家庭裁判所の許可を得て、戸籍上の名を変更
2011年6月 上司から「性別適合手術を受けて戸籍上の性別を変更しなければ異動ができない」などと告げられる。以後、処遇をめぐって話し合いが続く
2013年12月 人事院に対し「人事異動及びトイレの使用の制限を設けない」などを求めて、行政措置要求を行う
2015年5月 職員の要求を認めない人事院判定
2015年11月 東京地方裁判所に提訴
2019年12月12日 判決

「弁護士ドットコム ニュース」2019年12月12日 20時43分
https://www.bengo4.com/c_5/n_10521/
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北海道の宗谷地方で、M4.4、最大震度5弱 [地震・火山・地質]

12月11日(水)

北海道の宗谷地方は、日本でいちばん大きな地震が起こらないところ。
そこで、震度5弱とは、かなり驚き。
しかも震源がとても浅い(だから、M4.4で震度5弱になった)。
どういう構造の地震か、専門家の見解を知りたい。
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12日01時09分ころ、震源地は、宗谷地方北部(北緯45.1度、東経141.9度)で、震源の深さはごく浅い、地震の規模はM4.4。
北海道豊富町で震度5弱、幌延町で震度4を観測。
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【追記】
調べたところ、2018年03月28日 07時49分に 宗谷地方北部を震源とするM30の地震が発生し、稚内市で震度2を観測。
この地震も、震源の深さはごく浅かった。
同種の地震と思われる。
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12月11日(水)女子会(恵比寿駅東口「AELU&BRODO」) [お出掛け・お遊び]

12月11日(水)  曇り一時雨 東京  15.3度  湿度76%(15時)

お誘いいただいて「女子会」。
恵比寿駅東口の「AELU&BRODO (アエルアンドブロード) 」というイタリアン居酒屋。
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お通し(クリスマスツリーの絵の上にアクリル板を乗せて、その上に前菜)
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菜園風バーニャカウダ
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蛸と芽キャベツのアヒージョン
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貝出汁おでん(島根県宍道湖産のしじみ貝の出汁、美味!)
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牛モツのトマト煮
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トリュフのせマルゲリータ
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デザート
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おいしかった。
楽しかった。
ありがとうございました。
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「この20年でニューハーフ嬢が10倍に増えたワケ」(プレジデント・オンライン) [お仕事(執筆・成果)]

12月11日(水)

「プレジデント・オンライン」に、拙稿「この20年でニューハーフ嬢が10倍に増えたワケ」が掲載されました。
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https://president.jp/articles/-/31290?fbclid=IwAR3Ah84uT4Tn-KzSA0gUB-HQn_mCdQ1k24hQZN1-7C2pssgNP_ezHf_Ba-g
あまり気が進まない仕事だったけど、たちまち拡散している模様。

下記でもご覧になれます。
https://blogos.com/article/422827/?p=1
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191210-00031290-president-soci&fbclid=IwAR0l8KebigabOOx4WQyjOYUbYzocK1tsVb81LxhYiwLDvdB8zx8DAjLgF6Y
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