SSブログ

「楽しかったこと」を、尋ねてもらえないインタビュー [現代の性(性別越境・性別移行)]

9月1日(火)

今まで、ずいぶんたくさんインタビューを受けてきた。

尋ねられることは、研究のこと、「運動」のこと、そして生い立ちのこと。
まあ、それはいい。

問題はその「生い立ち」で聞かれるのが、「辛かったこと」「大変だったこと」ばかりで、「楽しかったこと」は、まず聞いてこない。

トランスジェンダーの人生には「楽しかったこと」などないと決めつけているのか?、それとも他人の「楽しかったこと」にはまったく関心がないのか?

「楽しい思い出を語るなど、本物のGIDでない証拠」と言われたこともあるしな。

その「楽しかったこと」を通じて、コミュニティの在り方や重要性、さらにはトランスジェンダーと社会の関係性を語るように準備しているのに。

トランジッション(性別移行)は、ある種の「冒険」なので、考え方によっては「新発見」や「認識の転換」に満ちていて、スリリングでとても面白く、得難い経験のはず。

それが、いつから、困難と苦痛(だけ)に満ちた物語になってしまったのか?

まあ、インタビュアーが聞きたいことと、こちらが語りたいことは、たいての場合、ずれるのは
もう慣れっこ。

でも、1度くらい「楽しいかったこと ―四半世紀のトランスジェンダーライフを通じてー」みたいなテーマで講演してみたい。
(↑ 誰も聞きに来ないにゃ)
nice!(0)  コメント(0) 

韓国の「合計特殊出生率」0.98人に [世相]

9月1日(日)

隣国のこととはいえ、合計特殊出生率(女性が妊娠可能な15~49歳の間に産むと期待される平均出生数)が0.98人というのはすごい!

マカオが0.92人、台湾が1.06人、香港が1.07人、シンガポールが1.14人と東アジア諸国は軒並み低いが、それなりの人口を有する韓国(人口5100万人、世界25位) が1を割るというのはかなり衝撃。

いったいどういう社会政策をとると、ここまで減るのだろう?

日本は現在1.42人で、経済協力開発機構(OFCD)加盟国の平均1.68人をかなり下回っていて、けっして楽観できる数字ではないが、韓国と比べるとかなりマシに見えてしまう。

---------------------------------------------
韓国、「合計特殊出生率0人台時代」に進入
.
韓国の「合計特殊出生率0人台時代」入りが確定した。人口67万人である中国の行政自治地域マカオを除くと事実上韓国が世界で唯一の「出生率1人未満」の国になった。

統計庁が28日に発表した「2018年出生統計(確定値)」によると、昨年の韓国の合計特殊出生率は0.98人で出生統計作成が始まった1970年以降で最低値を記録した。女性が妊娠可能な15~49歳の間に産むと期待される平均出生数が1人に満たないという話だ。通常人口維持に必要な合計特殊出生率は2.1人とされる。

昨年の出生数も前年より3万900人(8.7%)減った32万6800人にすぎなかった。やはり過去最低だ。これに伴い人口100人当たり出生数を示す粗出生率は6.4人で0.6人減少した。このような数値は2月に発表した「2018年人口動向調査・出生死亡統計暫定結果」と比較すると出生数が100人減っただけで大部分が同じだった。

少子化国に挙げられる国の昨年の出生率を見ると、台湾が1.06人、香港が1.07人、シンガポールが1.14人、日本が1.42人でいずれも韓国より高かった。マカオが0.92人で韓国を下回るだけだ。経済協力開発機構(OECD)加盟国と比較すると平均の1.68人どころか超少子化基準の1.3人にも満たない圧倒的な最下位だ。出生率下落の速度も他の国と比べて速い。

具体的に年齢別の出生率は、40代を除くすべての年齢で減少した。20代後半が47.9人から41.0人に最も大きく減った。主出産年齢である30代初めでも97.7人から91.4人に低下した。

問題は政府が少子化問題を解決するため10年間に100兆ウォンを超える予算を注ぎ込んだのに改善の兆しが現れていないという点だ。統計庁は今年初めに今年の出生数が昨年よりさらに減った30万9000人、合計特殊出生率はさらに低くなった0.94人になると推定している。

実際に前年同月と比較した出生数は2016年4月から39カ月連続で最低記録を更新中だ。統計庁がこの日ともに発表した「6月の人口動向」によると、6月の出生数は2万4051人で前年同月より8.7%減少した。

今年4-6月期の全出生数は7万5448人で前年同期より8.0%の6592人減少した。4-6月期の合計特殊出生率は0.91人で昨年に比べ0.07人減った。上半期全体の出生数は15万8525人だ。一般的に出生数は年末より年初が多いことを考慮すると、今年の年間出生数は30万人以下に落ちる可能性が提起される。今年は子どもが生まれると金持ちになるという俗説が広がった「黄金の豚年」で、出生数が昨年より増えるという期待は大きかったが、再び過去最低を記録する可能性が高くなったのだ。

漢城(ハンソン)大学経済学科のパク・ヨンボム教授は「出生率下落は人口が減少して生産・消費が減り、経済が萎縮するだけでなく、雇用と財政・福祉など国の政策の多方面に衝撃を与える。汎政府レベルの特段の対策が必要な時期だ」と話した。また、「外国人労働者や移民者をどのように受け入れるのかに対する議論を始める必要がある」と付け加えた。

『中央日報(日本語版)』2019年08月29日09時13分
https://japanese.joins.com/article/065/257065.html?fbclid=IwAR2mccamtoiDjAJQkzygMpKhHp3OtF7OSS4tl6tI4Pv5Uom16Xpnoe_F8qY
nice!(0)  コメント(0) 

9月1日(日)暑、暑の天婦羅 [日常(料理・食べ物)]

9月1日(日)  曇り  東京  32.1度  湿度73%(15時)

10時、起床。
朝食は、アップルパイとコーヒー。
190901 (1).JPG
昼食は、残りご飯とツルムラサキのお浸し。
190901 (3).JPG

冷蔵庫にある野菜の処理に困って、天婦羅を揚げたら、暑い!
当たり前なんだけど・・・。
IMG_9733.JPG
↑ 長オクラ
IMG_9734.JPG
↑ 茄子、クレソン

天婦羅は自分なりの技術が確立されてなくて、いつも試行錯誤なのだけど、今日はまずまず、良い具合にできた。

夕食は、秩父「武蔵屋」のお蕎麦を茹でる。
190901 (6).JPG
家猫さんが買ってきた天婦羅。
190901 (7).JPG
もちろん、自分で揚げた天婦羅も。

夜中、少し調べもの。
就寝、3時。


nice!(0)  コメント(0) 

「432円の万引き」で勾留19カ月になった訳 [事件・事故]

8月31日(土)

きわめて少額の窃盗で、しかも犯行を認めて弁済しているにもかかわらず、起訴されたのは、ひとえに累犯だから。

で、弁護士がとった作戦が、性同一性障害→解離性同一性障害→(精神障害で)訴訟能力なし→起訴不当→控訴棄却という論理。

そうなると、鑑定ということになり、「5カ月」が適当かどうかはともかく、ある程度の時間がかかるのは当然。

結局、懲役1年2カ月(累犯なので執行猶予はつかず実刑)nの判決なのに、拘留期間は1年7カ月というまったく引き合わない結果になったという話。

5カ月余計に拘留された分はどうなるのだろう?

きっちり治療しないと、また犯行を重ねる可能性が高いパターン。
治療を条件にいったん処分保留にして、入院治療後に起訴猶予にするのが妥当だと思う。

-----------------------------------
432円の万引き、勾留19カ月 訴訟能力争い長期化

百円ショップで400円ほどの万引きをしたとして窃盗罪に問われた女(37)に、名古屋地裁(吉井隆平裁判長)は29日、懲役1年2カ月(求刑懲役1年6カ月)の実刑判決を言い渡した。被害が少額で犯行も認めていたにもかかわらず裁判は1年4カ月も続き、勾留日数が刑期に算入されて即日釈放となった。

判決によると、被告の女は2018年1月25日午後1時ごろ、名古屋市中区の店舗で、食品4点(販売価格計432円)を万引きした。これまで窃盗罪で3回の懲役刑を受けて2度服役し、事件の5カ月前に仮出所したばかりだった。弁護人によると、被告は逮捕時から容疑を認め、事件直後に被害を弁償した。だが勾留は逮捕時から判決まで1年7カ月間続いた。

裁判が長期化した要因の一つは、被告の訴訟能力の有無を調べる鑑定手続きが長びいたことだ。鑑定結果が出るまで、公判は約5カ月間中断した。被告には性同一性障害があり、長年の性不一致の悩みなどから解離性障害などの精神障害を発症。弁護側は、起訴前の取り調べや初公判で解離性障害による別人格が現れたことなどから、「被告には訴訟能力がない」と主張し、起訴は不当だとして公訴棄却などを求め、「福祉的、医療的支援を続けることで解決することが相当だ」と訴えた。被告は公判中も自身と別人格の名前を名乗った。

判決は訴訟能力はあったと認定する一方で、量刑理由で「被告には解離性障害や性同一性障害などの精神障害が認められ、本件に影響を及ぼしていることがうかがわれる」と指摘した。

常習性、治療重視の例も

繰り返し窃盗事件を起こして有罪判決を受けている人は、刑がより重い「常習累犯窃盗罪」に問われることがある。ただ近年は治療を重視して起訴を見送ったり、減刑したりする例も出ている。

今年1月、高知地裁は万引きを繰り返したとして常習累犯窃盗罪に問われた30代の女に対し、「窃盗症」などを理由に常習性を認めず、懲役4年の求刑に対し、窃盗罪で懲役1年2カ月の実刑判決を言い渡した。また、石川県では13年に窃盗罪で服役した男性が出所後にホームセンターで万引きをした容疑で書類送検されたが、金沢地検は治療を条件に処分保留にし、た。男性は入院治療を経て、起訴猶予になった。

窃盗症といった精神疾患が関わっているとみられる窃盗事件などの弁護を多く手がける林大悟弁護士(東京弁護士会)によると、逮捕後に検察が勾留せずに釈放し、専門の医療機関で治療したことで、社会復帰した容疑者もいたという。「窃盗を繰り返す人に対し、治療による再犯防止の程度はどれくらいなのかを考えて起訴や量刑が判断される時代になってきたと感じる」と話す。(大野晴香)
『朝日新聞』2019年8月29日23時58分
https://digital.asahi.com/articles/ASM8D3V31M8DOIPE007.html

nice!(0)  コメント(0) 

8月31日(土)ドキュメンタリー映像「GID/GD/トランスジェンダーの過去・現在」の取材を受ける [お仕事(出演・取材協力)]

8月31日(土)  曇り  東京  31.7度  湿度66%(15時)  

新宿三丁目「新宿ダイアログ」で、ドキュメンタリー映像「GID/GD/トランスジェンダーの過去・現在」の取材を受ける。

インタビューだけでなく、動画を撮るというので、それなりの格好(青紫の地に白の麻葉模様の綿絽の着物)をする。
でも、蒸し暑くて、体力消耗。

以下、事前の質問要旨に対する応答原稿。
実際には、これ以外のことも、いろいろ話した。
--------------------------------------------------------

① 自己紹介
三橋順子。Trans-womanです。仕事は大学講師、著述・講演業。
専門は、ジェンダー&セクシュアリティの歴史研究。
主なテーマは性別越境(トランスジェンダー現象)と買売春です。

② 活動したきっかけ(活動家ではないと言ってはいますが、三橋さんがしてきたことは大きいと思いますので敢えて活動と記入してます)
自分の基本スタンスは研究者であって、活動家ではありません。ただ、自分が研究者として、書いたり、話したりすることが、結果的に社会に対する働きかけになっているとは思います。
社会的に発言するようになったきっかけは、1990年代のクィア・ブームの時に、まずゲイの伏見憲明さんが発言し始め、レズビアンの掛札悠子が続き、次にトランスジェンダーでしゃべれる奴はいないか?という流れになって、私に出番がきたということです、心理学系の雑誌『imago』1996年2月号に載った伏見さんとの対談「ジェンダーをデザインする」がメジャー・デビューです。

③ GID特例法の前後の歴史 特例法成立前後、何をしていましたか?(推進・反対・傍観など) 「要件」について、何か思うところはありましたか?
戸籍の性別変更の重要性は1990年代から認識していました。それで、過去に性転換手術後に、戸籍法113条によって性別訂正をした事例があることを突き止めました。
私は、そうした過去の訂正事例をベースに、戸籍法113条の条文改訂、もしくは解釈の柔軟化(「錯誤」の意味の拡大解釈)によって、性別訂正の間口を広げることを目指す戸籍法(113条)の改訂路線でした。しかし、結果的に大島俊之先生が主導する「性転換法」の実現を目指す立法路線が主流になっていきました。それ自体は、私の力不足であり、仕方がないと思います。
問題は法案の内容で、病理を前提に、変更の対象を「性同一性障害者」に限定する枠組みは、病理を否定するトランスジェンダリズムとしては容認できません。また要件の最大の問題点は「子なし要件」です。子どもがいる当事者は子どもを殺さない限り対象にならないわけです。ある人の人権が、たとえ子どもであっても、他者によって制約されることはあってはいけない、というのは人権の基本です。そんな非道な要件を認めるわけにはいきません。駄目な法律を作っちゃうと、10年、20年と悪影響があるわけです。まさに今がその状態なわけです。
ですから、GID特例法には明確に反対の立場で論陣を張りました。お蔭で「全GIDの敵」という、ありがたい称号もいただきました。ただ、本気で法案を潰そうとはしませんでした。当時の私のコネクションなら、本気で潰す気だったらメディアに働き掛けて、議論を喚起することはできたと思いますが、それはしませんでした。なぜなら、特例法で性別を変更することを熱望していた友人が何人もいたからです。かわいい後輩に「姐さん、お願いだから、今度だけは反対しないでください」と目の前で泣かれたら、人情として徹底抗戦はできないです。最終段階で、推進派の影のリーダーと秘密会談して、反対はするが妨害はしないということで「手打ち」しました。だからその後の反対集会は、まあ「プロレス」ですね。そうした事情を知らない推進派の人には、今でもずいぶん恨まれているようですが、それはまあ、仕方ないです。

④ 今までの動き(TG/GID/GDの歴史)で気になったこと
やはり、性同一性障害の「流行」でしょうか。あの「大流行」がなかったら、日本のトランスジェンダーはどんな状況になっていただろう?と思うことがあります。もっと自然な形でコミュニティが成熟していったかな、と。その一方で、あの「流行」はある意味、必然だったのかなとも思います。
2003年に「性別を越えて生きることは「病」なのか?」という論考を書いて以来、一貫して、性別を越えて生きることを病理とする性同一性障害概念を批判してきました。時にはほとんど孤立無援の長く苦しい闘いでしたが、最終的に、性同一性障害の消滅、性別移行の脱精神疾患化との決定という勝利の日を迎えられたことは、やはり感慨深かったです。

⑤ 原動力について
少しでも自分が楽になりたいから。自分が暮らしやすい社会になるように。はっきり言って他人のことはあまり考えていません。こういうこと言うと、また批判されるでしょうが。

⑥ 展望・今後の課題
ICD-11の脱精神疾患化の方向を、骨抜きにせずどう具体化していくか。いちばんのポイントは、GID特例法に代わる、国際的な人権概念にそった新たな性別移行法の制定だと思います。

⑦ 社会全体に伝えたいこと
私たちはなにも特別扱い・優遇を求めているわけではないわけで、トランスジェンダーの能力を公平に評価してほしいということ。トランスジェンダーの能力を生かした方が、日本社会にとっても得だということです。

⑧ 若い人に伝えたいこと
それぞれの人が、それぞれの立場で、自分ができることをする。よりよく生きる。その総体が社会を変えていく力になります。私がトランスジェンダーとして生きてきた25年間で、日本の社会はトランスジェンダーにとって、ずいぶん大きく良い方向に変わりました。次の25年はもっと良い方向になるでしょう。それを信じて、頑張ってください。

⑨ 一言メッセージ
倦まず弛まず、一歩ずつでも前へ。たとえ斃れる時がきても前のめりに。

nice!(1)  コメント(0)