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筑波大学の「芸バー」問題 [現代の性(性別越境・性別移行)]

10月30日(木)

筑波大学の「芸バー」問題、大人が寄ってたかって叩き潰さなければならないほどの問題なのだろうか?
 
性的少数者への差別はもちろんいけないが、この大学祭の「模擬店」に果たしてどれだけの差別意図、差別助長性があるものなのか? 

大学の学園祭における女装・男装イベントは、花見や盆踊りなど日本の祝祭空間における異性装の文化伝統を受け継ぐものだ。

表現の仕方に問題があるのなら、それを指摘して、理解を求めた上で是正すればすむことで、一方的に「差別だ!」と問題視して「止めろ」と圧力かけることより、その方がずっと教育性は高いと思う。

ヘテロセクシュアルの人が異性装をすることが、LGBTの人権抑圧、差別につながるからいけない、というのはあまりにも、当事者主義の偏狭な考え方だ。

むしろ、できるだけ多くのヘテロセクシュアルの男性に女装する機会をもってほしい、そのほうがずっと性的少数者への理解は進む、と私は思う。

すべての人に、異性装を含む服装表現の自由はあるのだから、それもまた尊重されなければならない。

【追記(30日22時)】
結局、筑波大学の「芸バー」は中止。
こうやって日本中の大学や高校の学園祭で行われている女装&男装イベントをひとつひとつ槍玉にあげて潰していって、それでLBGTに対する社会的理解が高まり、差別がなくなるのだろうか? 
私はまったくそうは思わない。
むしろ、逆効果のような気がする。

【追記(31日10時)】
不快に思った人が抗議する権利はあるが、潰してしまうのは行き過ぎ。
法に抵触しているわけではなく、彼らにもそれをする権利がある。
そもそも大学の自治、学園祭における学生自治という原則を考えれば、外部からの介入はできるだけすべきではない。
学生たちなりに努力してきたことを、外部や上からの圧力で一方的に止めさせれば、彼らは「潰された」としか思わないわけで、恨みに思うことこそあれ、LGBTへの理解なんて深まるわけはない。
結局、「LGBTに触れるとやばいよ」という認識しか残らず、教育としては最悪の結果。

【追記(31日12時)】
日本のLBGTを自称する人の中には、こうしたイベントを「差別だ!」と糾弾して廃止に追い込むことが正義だと考える人が増えてきている。
この流れだと、近いうちに大学・高校の学園祭で、女装・男装絡みのサブカルチャー系のイベントはできなくなるだろう。
つくづく息苦しい社会になっていくなぁと思う。
その内、女装の人の画像を載せているこのブログも「LGBTへの差別を助長している!」と糾弾の対象になるかも。
正直、怖いものを感じる。