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「売春防止法」は生きている [現代の性(性犯罪・セクハラ)]

2月10日(月)

違法性という点で、研究倫理上、扱いにくい事案に「売春」がある。
もう30年近く昔の話だし、その方も亡くなっているので・・・。7

1997年頃だったと思う。
当時、お手伝いしていた新宿。歌舞伎町の店の先輩(元・女装者、その頃は男性姿)に「ちょっと相談がある」と事務所に呼び出された。
その先輩が女装者と男性の「出会い」の斡旋業をしていることは知っていた。
ウチの店のママに言わせると、そもそも「女装者の売春を斡旋して上前をはねるような商売は碌なもんじゃない」のだが。

ところが、事務所で見せられたのは女性の写真とプロフィールのファイルだった。
相談とは、女装者と男性の「出会い」斡旋は利益が少ないので女性と男性の「出会い」斡旋に手を拡げようと思うのだけど、どう思うか?というものだった。
私は「どう思うもこうも、女装者と男性の斡旋は違法ではないけど、女性と男性の斡旋は、売春防止法第6条の『周旋』行為に完全に引っ掛かります。違法ですから止めた方がいいです。警察は甘くないです」と強く諫めた。

当時、この種の組織売春は、夕刊紙などの「三行広告」に、なんとなく・・・な文面と電話番号を出すことが多い。
そうすると、ほぼ必ず、警察が客を装って内偵をかけてくる。

私の諫言にもかかわらず、止めなかった。

結局、そのわずか3カ月後に逮捕、容疑は私が指摘したとおり「売春防止法」第6条(周旋行為)違反。
あのファイルが決定的証拠になり裁判で有罪判決、懲役2年6カ月(執行猶予3年)だった。

世の中を甘く見て、法律を理解していないと、こういうことになる。

最近も、歌舞伎町で「売春防止法」第11条(場所提供)違反の摘発があった。
69年前に制定された「売防法」は、現行法として、しっかり生きているということ。
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歌舞伎町でインバウンド向け風俗、容疑の店経営者ら6人逮捕…16か国・地域の通貨・翻訳アプリ駆使

インバウンド(訪日外国人客)向けに売春する場所を提供したとして、警視庁は4日、東京都新宿区歌舞伎町の風俗店「SPARAKU」を経営する男(54)(同区)ら6人を売春防止法違反容疑で逮捕したと発表した。逮捕は2日と3日。

発表によると、6人は昨年10~12月、同店など歌舞伎町の2店舗で、女性従業員が売春すると知りながら、個室を使用させた疑い。男は容疑を認め、「日本人女性と安く性交渉できることを売りにしていた」と供述している。

2店舗は客の6~7割が外国人で、支払いへの対応のため、米ドルや中国元のほか、インド、カタール、メキシコ、アルゼンチンなど計16か国・地域の通貨を用意していた。女性従業員は翻訳アプリで外国人客とやり取りしていたという。

インバウンド向けの風俗店の摘発は異例で、警視庁は、2店舗が1日あたり計約120万円を売り上げていたとみている。
『読売新聞』2025/02/04 12:33
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250204-OYT1T50069/
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