遊廓の近代(モダン)化について [性社会史研究(遊廓・赤線・街娼)]
1月29日(水)
日本の伝統的な「遊び」は次の3つの要素から成り立っている。
① 宴席における共同飲食。
② 芸能。
③ 性交渉。
このうち①と③は近代になってもあまり変わらない。
昭和初期の遊廓の近代化(モダン化)によって変化するとしたら②。
具体的に言えば、芸者を呼んで、その歌舞を客と娼妓がそれを観て楽しむような形から、客と娼妓がダンスをして楽しむような形への変化が「モダン化」。
しかし、そうした「モダン化」は上辺だけのことで、楼主(貸座敷経営者)が娼妓を経済的に搾取する「遊廓システム」はまったく近代化されない。
それが変わるのは、戦後の「赤線」時代になってから。
(収入配分率が大きく変化する)
経営者と従業女性の収入配分率は、戦前の遊廓では9:1と言われる(実証研究による再検証が必要)。
それが戦後の「赤線」では、公定5:5、実質6:4になる。
現在の研究レベルは、楼主の娼妓管理簿や遊客記録簿などの一次資料に基づく実証研究。
しかし、東京の遊廓については、新吉原は震災と戦災で二度全焼、新宿も戦災で全焼していて、一次史料の残りが絶望的に悪い。
その点、戦災を免れた地方都市の遊廓の実証的研究に期待したい。
たとえば、昨日「X」でお話しした西山真由美さんの論文「奈良四遊廓における年期制の実態について」(『研究論集 歴史と文化』第14号、2024年)など。
日本の伝統的な「遊び」は次の3つの要素から成り立っている。
① 宴席における共同飲食。
② 芸能。
③ 性交渉。
このうち①と③は近代になってもあまり変わらない。
昭和初期の遊廓の近代化(モダン化)によって変化するとしたら②。
具体的に言えば、芸者を呼んで、その歌舞を客と娼妓がそれを観て楽しむような形から、客と娼妓がダンスをして楽しむような形への変化が「モダン化」。
しかし、そうした「モダン化」は上辺だけのことで、楼主(貸座敷経営者)が娼妓を経済的に搾取する「遊廓システム」はまったく近代化されない。
それが変わるのは、戦後の「赤線」時代になってから。
(収入配分率が大きく変化する)
経営者と従業女性の収入配分率は、戦前の遊廓では9:1と言われる(実証研究による再検証が必要)。
それが戦後の「赤線」では、公定5:5、実質6:4になる。
現在の研究レベルは、楼主の娼妓管理簿や遊客記録簿などの一次資料に基づく実証研究。
しかし、東京の遊廓については、新吉原は震災と戦災で二度全焼、新宿も戦災で全焼していて、一次史料の残りが絶望的に悪い。
その点、戦災を免れた地方都市の遊廓の実証的研究に期待したい。
たとえば、昨日「X」でお話しした西山真由美さんの論文「奈良四遊廓における年期制の実態について」(『研究論集 歴史と文化』第14号、2024年)など。
2025-01-29 19:38
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0
コメントの受付は締め切りました