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20世紀末(1990年代前半)の商業女装クラブ(その23)だから書く [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

1月21日(火)

この1週間ほど、30年前(1990年代前半)の商業女装クラブ「エリザベス7会館」について、そこで4年余を過ごした私の「思い出(昔話)」として書いている。

「エリザベス会館」は「女装世界の北朝鮮」と言われたように、言論統制が厳しく、そこで何が行われていたかの記録は意外に乏しい。

その点、書けるうちに、私の体験と知っていることを書き留めておく価値はあるだろう、と思って書いている。

30年後の現在からしたら、ルッキズム(容姿至上主義)むき出しの、性的マイノリティの人権などという概念もほとんどない世界で、腹立たしく思う人も多いと思う。

しかし、現在のように性的マイノリティ、とりわけトランスジェンダーの人権を主張できる社会になるまでには、そうした現在の価値観からしたら「ありえない」「とんでもない」世界を通過してきたことは、間違いない歴史事実なのだ。

そうした「ありえない」世界を、不愉快だからといって「なかったこと」にしていいのか?と言えば、私はそこをくぐり抜けてきた当時者として、歴史研究者として、そうは思わない。

だから、私は書く。

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