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「玄人」と「素人」 女性の分断 [性社会史研究(一般)]

1月7日(火)

女性を「素人(≒処女)」と「玄人(≒非処女)」に分け、前者のみを結婚対象とし、後者は性の対象ではあっても結婚の対象にはならないというのは、儒教やキリスト教の倫理観に強く影響された人たちの考え方。

そうした倫理観の影響が薄い人たちにとっては、「玄人」上がりの女性は、対人的な職業訓練を受けているので、接客能力が高く、商家の女将さんとしての適性があると認識された。

妻となる女性に,対人的な接客能力を期待せず、ただ跡継ぎを産み育てることだけを期待し、それが可能な社会階層は「素人」女性を妻にしたがる。

一方、夫とともに家業に励み、使用人や客とうまくやっていける能力を妻に求めるならば、「玄人」上がり女けは有力な選択肢になる。

前近代、近代初期において、どちらの社会階層が多かったかと言えば、言うまでもなく、後者である。

近代において、「玄人」や「玄人あがり」の女性を貶め、「素人」女性(=処女性)を賞揚する言説を拡散したのは。もっぱら前者の階層に属する男たち(一部、女性も)である。

それによって女性の社会的分断が決定的になり、「売春防止法」の理念にまで引き継がれていく。

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