獨協医大がトランスジェンダー専用「生殖医療」外来を開設へ [現代の性(性別越境・性別移行)]
6月30日(日)
獨協医大がトランスジェンダー専用「生殖医療」外来を開設へ。
2023年2月に「第 13 回日本がん・生殖医療学会学術集会」で、「トラじぇジェンダーと生殖権」という講演をしてからわずか1年半でここまで進むとは、実に感慨深い。
自分が考えてきた方向性がまちがっていなかったということ。
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トランスジェンダーの生殖医療支える 獨協医大埼玉が専門外来開設へ
独協医大埼玉医療センターの岡田弘特任教授(右)と杉江美穂助教=2024年6月25日午後5時49分、埼玉県越谷市、二階堂友紀撮影
性別を移行する医療で生殖機能が衰えたり失われたりすることの多いトランスジェンダーが、子を持つ選択肢を守りたい――。独協医大埼玉医療センター(埼玉県越谷市)が、トランスの生殖医療に特化した外来を7月にも始める。全国初の取り組みという。
最高裁は6月、戸籍上の性別を女性に変えたトランス女性と、自身の凍結精子で生まれた子との間に、親子関係を認める初判断を示した。トランスの人たちが家族をつくる可能性が広がった一方で、その生殖医療を支える医療機関の少なさが課題になっている。
トランス女性の精子凍結、8件の実績
専門外来は、不妊治療を担うリプロダクションセンター内に設け、ジェンダー外来と名づける。2015年に開設した同センターは、抗がん剤や放射線治療を受ける前のがん患者を対象に、精子や卵子、受精卵の凍結保存を実施している。
この中で、性別移行医療を本格的に受ける前のトランス女性が訪れるようになり、これまでに10代後半~30代の8人に精子の凍結保存を行った。昨年10月には、性別変更の生殖不能要件を違憲とする最高裁決定もあった。このため、当事者がアクセスしやすいよう、専門外来の開設を決めた。ホームページにも記載し、広く周知する。
性別移行医療では、ホルモン療法によって精子の数が減り、質も悪くなるという。精巣や卵巣の摘出手術を選べば、生殖能力を失う。外来では、こうした影響や現在の法制度について、時間をかけて説明する。
トランス男性の卵子凍結は、体制上の問題からまだ行っていないが、受診は受けつける。
「未来の選択肢残すため」
ジェンダー外来を担当する杉江美穂助教は「10代や20代では、将来、子を持ちたいか分からないかもしれないが、未来の選択肢を残すためぜひ受診してほしい」と話す。岡田弘特任教授は「がん患者と同じように、トランスの人たちが子を持つ力を温存するための医療が当たり前になっていけば」としている。
診療は予約制で、まずは月1回(土曜午前)から始める。問い合わせは同大埼玉医療センター(048・965・1111)へ。(二階堂友紀)
『朝日新聞』2024年6月30日 8時00分
獨協医大がトランスジェンダー専用「生殖医療」外来を開設へ。
2023年2月に「第 13 回日本がん・生殖医療学会学術集会」で、「トラじぇジェンダーと生殖権」という講演をしてからわずか1年半でここまで進むとは、実に感慨深い。
自分が考えてきた方向性がまちがっていなかったということ。
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トランスジェンダーの生殖医療支える 獨協医大埼玉が専門外来開設へ
独協医大埼玉医療センターの岡田弘特任教授(右)と杉江美穂助教=2024年6月25日午後5時49分、埼玉県越谷市、二階堂友紀撮影
性別を移行する医療で生殖機能が衰えたり失われたりすることの多いトランスジェンダーが、子を持つ選択肢を守りたい――。独協医大埼玉医療センター(埼玉県越谷市)が、トランスの生殖医療に特化した外来を7月にも始める。全国初の取り組みという。
最高裁は6月、戸籍上の性別を女性に変えたトランス女性と、自身の凍結精子で生まれた子との間に、親子関係を認める初判断を示した。トランスの人たちが家族をつくる可能性が広がった一方で、その生殖医療を支える医療機関の少なさが課題になっている。
トランス女性の精子凍結、8件の実績
専門外来は、不妊治療を担うリプロダクションセンター内に設け、ジェンダー外来と名づける。2015年に開設した同センターは、抗がん剤や放射線治療を受ける前のがん患者を対象に、精子や卵子、受精卵の凍結保存を実施している。
この中で、性別移行医療を本格的に受ける前のトランス女性が訪れるようになり、これまでに10代後半~30代の8人に精子の凍結保存を行った。昨年10月には、性別変更の生殖不能要件を違憲とする最高裁決定もあった。このため、当事者がアクセスしやすいよう、専門外来の開設を決めた。ホームページにも記載し、広く周知する。
性別移行医療では、ホルモン療法によって精子の数が減り、質も悪くなるという。精巣や卵巣の摘出手術を選べば、生殖能力を失う。外来では、こうした影響や現在の法制度について、時間をかけて説明する。
トランス男性の卵子凍結は、体制上の問題からまだ行っていないが、受診は受けつける。
「未来の選択肢残すため」
ジェンダー外来を担当する杉江美穂助教は「10代や20代では、将来、子を持ちたいか分からないかもしれないが、未来の選択肢を残すためぜひ受診してほしい」と話す。岡田弘特任教授は「がん患者と同じように、トランスの人たちが子を持つ力を温存するための医療が当たり前になっていけば」としている。
診療は予約制で、まずは月1回(土曜午前)から始める。問い合わせは同大埼玉医療センター(048・965・1111)へ。(二階堂友紀)
『朝日新聞』2024年6月30日 8時00分
2024-07-02 00:04
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