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『サイゾー』の取材に応えた、私の考え(要約)。 [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月20日(土)

『サイゾー』の取材に応えた、私の考え(要約)。

【トイレ問題】
・現行法遵守(施設管理者の意向に沿う使用)。
・Trans-womanで(ことさら)女性トイレの使用を主張する人はほとんどいないと思う。
・現実として、使える状態の人はすでに問題なく使っているだろうし、使えない状態の人は日常的な排泄行為で大きな社会的リスクを冒す必要はない。
・私を含め多くのTrans-womanの社会的要求は、多目的トイレの増設。
ただし、女性トイレを共用化するのではなく、多目的トイレを別置すする形。

【新宿「歌舞伎町タワー」のジェンダーレストイレについて】
・トイレの設計には、防犯という観点が重要。
・性暴力の加害者になるより被害者になるケースが圧倒的に多いTrans-womanととって、あの設計は、その点で不安がある。
・Trans-womanで、トイレのジェンダーレス化を希望する人は少ないと思う。

【公衆浴場・温泉について】
・現行法遵守(施設管理者の意向に沿う使用)。
・Trans-womanで(ことさらに)女湯の使用を主張する人はほとんどいないと思う。
・私を含め多くのTrans-womanの社会的要求は、貸切風呂の増設と低料金化。

【女子スポーツ参加問題】
・IOC(国際オリンピック委員会)や各競技団体が定めるルールに従うべき。
・女子スポーツの公平性の維持が最も重要。
・女性ホルモンの継続投与により筋肉量は減少するが、男性ホルモン下で形成された骨格や高身長は、女性ホルモン投与によっても、ほとんど変化しない。それが競技において優位に機能するとすれば、やはりアンフェアー。
・アンフェアーであることを知りつつ、女子競技に参加しようとするのは、スポーツマン・シップとしていかがなものか。あえて言えば、スポーツマン・シップにもとると思う
・たとえば、私が「町内ボーリング大会・前期高齢女性の部」に参加すれば優勝するかもしれないが、それで賞品の「町内限定有効商品券3000円」をもらえるかといえば、もらえないでしょう。

【いわゆる「LGBT理解増進法」について】
・この法案には、男女の性別区分を変更するような条文は一切ない。
・日本における法身分上の性別は戸籍に記された性別。それは法律以前の法理。まして一片の理念法で変更できるものではない。
・そもそも、この法案は「性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」であって、LGBTという言葉も、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーという用語も一切出てこない(したがって、定義もされていない)。
・法文を踏まえない(読んでいない)批判は、すべて難癖・デマの類。
・「理解増進法」案の眼目は、国や自治体が「性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進」のための施策を策定し実施すること。そのためには必ず予算が付く。予算が付いてお金が流れてくれば、「理解増進」のためのいろいろ有意義な社会活動が可能になる。
・国際的な人権規範に沿ったLGBT差別禁止法を100とすれば、2021年与野党合意修正案は50、2023年の自民党再修正案は30。
・現在の政治情勢の中で、理想型(100)はまったく現実性に乏しい。たとえ半歩でも前に進めて少しでも「実」をとるべき。
・例えるなら、屋根に大穴が開いているポンコツな小屋でも、いくらかは雨露がしのげるし、なにもないよりはマシというもの。
・法案に反対しているのは、宗教右派の思想的影響を受けている自民党右派議員とその支持者、および理想型を求めて現実感覚に乏しい左翼「活動家」。
・例えるなら、LGBT法制がまったくない「荒野」にやっと建ちかけたポンコツ小屋を右から火をかけ、左から引き倒して潰そうとしている状態。
・結局、今通常国会の会期末(6月20日)までに、法案の可決・成立の見通しは立たず、採決に至らず、審議未了→廃案になる可能性が高い。
・その結果、今後5~10年、日本はLGBT法制がまったくない「荒野」が続くことになる可能性が高い。


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