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「GID学会」1日目(その3:GID医療の拡大と受診者の傾向の変化) [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月25日(土) 
GID学会(1日目)
【シンポジウム1「次の時代のGI医療に求められる精神科医」】

川崎市の子どもは10万人、それで性別違和で悩む子どもが10人ということはない。
少なくとも0.1%はいるので、100人はいる。
近年は増加傾向なので、0.3%くらいと見れば、300人。
ともかく桁が間違っている。
地元のことなので、指摘しようと思ったが、針間克己先生が即座に挙手して指摘。

千葉県市川市の「行徳総合病院」、神奈川県鎌倉市の「横浜メンタルクリニック」、頑張っている。
いずれも「関東ジェンダー医療協議会」のメンバー。
意欲的な先生がいるのは、ありがたい。

杏林大学病院でGID診療の開始。
富山大学(医学部)を中心とした「北陸GIDサークル」の活動。
最大の朗報は、長年、GID医療の巨大な空白地帯だった東北で、4月から東北大学ジェンダー医療センターが動き始めるとのこと。

男性型胸郭形成術(乳房除去=胸オペ)、保険適用外だと60万円台だが、「混合診療」を回避するため
男性ホルモンを投与せず、健康保険適用になると、18~19万円。
費用の壁が大幅に低くなったことにより、受ける人が急増。

しかも、術後に男性ホルモン投与を始めると、手術への保険適用が取り消される可能性があるため、術後も男性ホルモン投与を望まない人が増えている。
つまり、乳房は除去するが男性ホルモンによる男性化は望まず、子宮・卵巣摘出→戸籍の性別を男性に変更コースに乗らない人(FtX)が増加。

男性型胸郭形成術の保険点数は、眼瞼下垂の修正手術と同じ2400点で、ほぼ同じことをする乳がんによる乳房全摘手術の27000余点に比べて大幅に安い。
このまま男性型胸郭形成術の希望者が増え続けると、病院経営を圧迫する可能性大。

針間克己先生(はりまメンタルクリニック)のコメント。
この数年、子どもの受診者が急増。
6~7割が発達障害をともなう感触。
不登校も多い。
女子の場合、男性化を望むわけではなく「女性になりたくない」「月経を止めて欲しい」。

「コロナ禍」以降、受診者の傾向にかなり大きな変化。
FtXタイプが急増し、従来型の男性化を強く望むFtMは減少。

近年のノンバイナリー・ジェンダーへの志向増加と重なる現象なのか。
その場合、身体の男性化、男性としての社会適応を目指すことを前提とした従来型の医療システムでは対応に限界があるように思う。
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