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第24回「GID(性同一性障害)学会」1日目(その2:「ジェンダー治療」は間違い) [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月25日(土)

12時55分、大会長の百澤明先生(山梨大学医学部付属病院形成外科教授)のご挨拶で第24回「GID(性同一性障害)学会・研究大会」開会。

今回の大会テーマは「ジェンダー治療開化宣言」。
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百澤先生は「開化」か「開花」の話をされていたが、もっと根本的なところに問題がある。
言いにくいことだが、重要なことなので、思い切って書く。

そもそも、ジェンダーは「治療する」ものではない。
ジェンダーは、人が生まれた後、後天的に身に着けていく性の在り様であり、「治療する」とか、「治療しない」とかいうものではない。

だから「ジェンダー治療」という概念はあり得ない。

あるいは「ジェンダー治療」は「ジェンダー・アイデンティティ治療」の省略形なのかもしれない。
しかし、それも問題だ。だからジェンダー・アイデンティティは、「治療」できない。
だからこそ、ジェンダー・アイデンティティと身体の間に不一致が生じた場合、身体の方を「治療する」のだ。
ジェンダー・アイデンティティの方を「治療しよう」というのは、強制的な「矯正療法」(conversion therapy)であり、人権上、大きな問題があり、するべきではない。

さらに「ジェンダー治療」は「ジェンダー・アイデンティティ・ディスオーダー治療」の省略形なのかもしれない(省略しすぎだろう)。
しかし、ジェンダー・アイデンティティ・ディスオーダー(性同一性障害)は、2019年、WHOが新しい国際疾病分類ICD-11を採択した(2022年実施)ことにより、国際的な疾病マニュアルから消滅した。
今さら「開化」も「開花」もないだろう。

ということで、「ジェンダー治療開化宣言」という大会テーマは理解不能なのだ。
もっと、はっきり言えば、根本的に間違っている。

「ジェンダーの人」という謎用語も、あいかわらず聞こえてくる。
この「ジェンダーの人」という用法、言い出しっぺは多分、原科孝雄先生(元・埼玉医科大学形成外科教授、日本におけるガイドラインに即した性別適合手術の最初の執刀医)だと思う。
意味は「ジェンダー・アイデンティティに問題を抱えている人」くらいの意味なのだろうと推察する。
何度か「先生、ジェンダーはすべての人にあるので「ジェンダーの人」は意味をなしません」と指摘したのだが、駄目だった。

ジェンダーという概念を根本的なところで分かっていない人たちが「ジェンダー治療」をしているって、私はかなり怖いことだと思う。

「先生方(お医者さん)、もう少しジェンダーとは何か?ということを学んでください」と、「(なんちゃって)ジェンダー論」の講師は思う。


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