SSブログ

柱構造ではなく壁構造 [地震・火山・地質]

2月15日(水)
トルコ南東部大地震(M7.8)が発生した時、「これは大きな被害になる」と直感したのは、若い頃、中央アジア(シルクロード)を旅行して、ユーラシア大陸の中央部の広大な×燥地帯における、家の建て方をこの目見て知っているから。

家の壁の材料は、基本「土」。
水で粘土状にした土を木枠に詰めて、地面に伏せる。
枠をとると、30×15×12cmほどの直方体ができる。
その作業を繰り返し、よく乾燥させる。
こうして「日干し煉瓦」ができる。
ヨーロッパの煉瓦のように焼かない。
雨が少ないから、それで十分に役に立つ。
そもそも焼成に必要な木材に乏しい。

家の壁は、その日干し煉瓦を積み上げていく。
適当に隙間を開けたりして、なかなか見事な造形もある。
煉瓦と煉瓦の接着剤は、やはり水に溶いた粘土。
漆喰やコンクリートは、よほど裕福な人でないと使わない。
木材の柱はない。
鉄筋に相当するようなものもない。

だから、地震で崩れれば、土の山に戻る。
さすがに近代化した現代では、もうすこしマシな建築方式になっていると思うが、煉瓦を積み上げていくという基本的な考え方は変わっていないと思う。

現地の倒壊したビルの映像をみると、やはり鉄筋や鉄骨に相当するものがとても少ないことがわかる。
日本の建築は、伝統的に柱で家を支える柱構造で、極端に言えば、壁がなくても家は建つ。
それは現代のビル建築の鉄骨構造にも継承されている。
あの地域の建築は、柱で支えるのではなく、壁で支える壁構造なのだ。



nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントの受付は締め切りました