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「ゲイである」と書けない [お仕事(執筆)]

8月31日(水)

脚注作業、いろいろな事象や証言から、ゲイであることがほぼ間違いないものの、公式の名ではそう書けない人の書き方が難しい(典型的には、三島由紀夫)。

ゲイであるからといって、その人の人格や作品の評価には影響ないと思うのだが・・・。
もうこうした欺瞞的な習慣は止めようよ。

その一方で、ゲイ業界の大御所が「ゲイである」と断言して疑わない人が、いろいろ調べていくうちに、「違うんじゃないかな、この人、けっこう女好きだよ」というケースもある(具体的には鹿火屋一彦)。

鹿火屋については、このように書いた。
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・ かびやかずひこ(鹿火屋一彦、1902?~1976?年)東京・本郷の生まれ。著述家、性愛研究家。かびや(鹿火屋)名義の著述活動は1947~1976年の30年間に及ぶ。とりわけ『風俗草紙』1953年7月号掲載の「男色喫茶-同志を索(もと)めるソドム族の倶楽部として-」を皮切りに、60年代前半に男性同性愛関係の論考・コラムを多数執筆した。著書に『エロスの祭典』(1947年)、『痴情明暗』(1948年)、『女体開眼』(1956年)、『夜の異端者』(1958年)がある。『夜の異端者』は1950年代の男性同性愛者のルポルタージュとして貴重。また、研究会「龍陽クラブ」を主宰し、機関誌『MAN』(1954~57年)を編集・発行している。なお、医事評論家の平野利三と同一人物で、平野名義の著作として『性生活マッサージ』(1966年)、『同性愛の世界』(1968年)などがある。
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1953年にゲイのルポルタージュを書きだす前は、『女体開眼』みたいな、どヘテロな小説や記事を書いている。ゲイについて集中的に記述しているのは13年間くらい。晩年は別名義(たぶん本名)で「性生活マッサージ」の本を何冊も出している。

まあ、何とも言えないが、少なくとも「ゲイである」と断言するのは、おおいにためらいを覚える。


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