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大阪地裁判決を読む [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

6月20日(月)

大阪地裁判決①
(2-ア) 人類には、男女が共同で生活を営み、自然生殖により子が生まれることにより子孫を残し、次世代へと承継してきた実態が歴史的・伝統的に存在しており、婚姻制度は、このような関係に対し、社会の自然かつ基礎的な集団単位として識別、公示する機能を持たせ、法的保護を与えるものである。

結婚の機能について、ここまで言い切ったことに驚く。
この結婚についての基本認識を崩すのは、容易なことではない。
社会認識として、生殖と結婚のリンクはかなり強固。

大阪地裁判決②
婚姻によって享受し得る利益には、相続や財産分与等の経済的利益のみならず、当該人的結合関係が公的承認を受け、公証されることにより、社会の中でカップルとして公に認知されて共同生活を営むことができることについての利益(公認に係る利益)も含まれ、このような利益は、婚姻した当事者が将来にわたり安心して安定した共同生活を営むことに繋がるもので、自己肯定感や幸福感の源泉といった人格的尊厳に関わる重要な人格的利益であるといえ、異性愛者だけでなく同性愛者にもこのような利益が認められる。

だからこそ、婚姻平等が必要なのではないか。
「人格的利益」を認めつつ、その適用の不平等を放置するのは、あきらかにおかしい。
論理が破綻している。

大阪地裁判決③
他方、本件諸規定(憲法24条・民法)により、異性愛者は自由に異性と婚姻ができるのに対し、同性愛者は望みどおりに同性と婚姻をすることはできないという重大な影響が生じている。 本件諸規定の下でも、同性愛者が望む同性のパートナーと婚姻類似の結合関係を構築、維持したり、共同生活を営んだりする自由が制約されるものではなく、契約や遺言など他の民法上の制度等を用いることによって一定の範囲では婚姻と同等の効果を受けることはできるとしても、このような方法は、異性カップルが享受し得る婚姻の法的効果に及ぶものではないし、このような対応では同性カップルが社会の中で公に認知されて安心して安定した共同生活を営むために必要な人格的利益である公認に係る利益が満たされないという問題は残される。

「同性愛者は望みどおりに同性と婚姻をすることはできないという重大な影響が生じている重大な影響が生じている」、「社会の中で公に認知されて安心して安定した共同生活を営むために必要な人格的利益である公認に係る利益が満たされない」というのなら、それを解消する法的手段がとられるべき。
それを放置し、改善を怠ることを認めるのは論理矛盾。

大阪地裁判決④
>同性愛者にも異性愛者と同様の婚姻又はこれに準ずる制度を認めることは、憲法の普遍的価値である個人の尊厳や多様な人々の共生の理念に沿うものでこそあれ、これに抵触するものでないことからすると、憲法24条1項が異性間の婚姻のみを定めているからといって、同性間の婚姻又はこれに準ずる制度を構築することを禁止する趣旨であるとまで解すべきではない。

「婚姻又はこれに準ずる制度」ここ1つのポイントだと思う。
別のところでも、「婚姻類似の制度」と言っている。
どうも、裁判官は、現行の婚姻制度には入れられないが、別に「婚姻に準じる(類似の)制度」を作るように言っているように見える。







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