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都留文科大学の講師、今期限りで退任を決意 [お仕事(講義・講演)]

11月8日(月)

都留文科大学に、今期限りで退かせていただく旨のメールを書く。

私は、トランスジェンダーとしてのvisibility(目の前にあること)を重視して、講義をしてきた。
その点、2年続けて対面講義ができなかったことは、たいへん残念。
昨年は仕方ないにしても、今年度後期10月以降、感染状況が著しく改善されたにもかかわらず、対面講義に復帰できないことは、大きな失望だった。

毎週、受講生に向き合い、直接リアクションを感じることで保ってきたmotivationが保てなくなった。

都留には幼い頃の縁故があった。
叔母の嫁入り先で、祖母に連れられて何度も行った。大きな商家だった叔母の家には創立間もない頃の都留文科大学の学生さんが下宿していた。

また、都留文科大学の学生さんは、今時珍しいくらい真面目で素直で、とても講義のし甲斐があった。
加えて、ありがたかったのは、非常勤講師の就任(2010年度)から今に至るまで、私の性別にかかわるトラブルが一切なかったこと。
その点でも、居心地はとても良かった。
常勤の先生方、事務(人事・教務)の方に感謝。

早起きが苦手の私には毎週の長距離通勤は辛いものがあったが、それを上回る大学の魅力があり、結局、2010年以来11年間もお世話になった。

もう一度、あの美しいキャンパスで講義をしたいという思いはあるが、ここが潮時だと思う。


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まるか

ブログには初めてコメントさせて頂きます。
2年前に先生の授業を受講させて頂いていた文大生です。
幼少期から、自認している性と実性が違うことに違和を覚えながら大学生にまでなってしまった自分は、対人関係が壊れてしまう事を恐れ、今まで以上に本当の事がバレてしまわぬ様にと生きていこうと考えていました。そんな時に、先輩から「受ける価値のある講義だ」と紹介してもらったのが、先生の講義でした。
トランスジェンダーである先生が、ジェンダーについて講義をする.... それだけで私にとっては受講する大きな理由になりました。
講義の内容は然り、三橋先生が講義を受け持っていることが、私への1番の刺激となりました。都留よりももっと田舎に住んでいた私自身、ネットやテレビでその存在は認知していたものの、実際に自分の性と向き合って生きている人を見るのは初めての事でした。自分という存在は、世間様のいう「一般的」「普通」からは外れたアブノーマルなものだという認識を持って生きてきたため、自認している性と向き合って生きている人が、世間様のいう「普通」の職業である大学教授としてご活躍されているという事実が私に前を向かせてくれました。
現在は、自分の信頼出来る友人数名には、自分の性について打ち明けることができ、たったそれだけでも今までとは比べものにならない程、軽い心持ちで日々を過ごす事が出来ています。このきっかけを下さった三橋先生には感謝してもしきれません。
11年もの間、お疲れ様でした。そして私と出会ってくださいまして、本当にありがとうございました。
長文、散文、失礼致しました。
by まるか (2021-11-10 00:26) 

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