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金メダルを齧ること [スポーツ]

8月8日(日)

金メダルを噛むというおかしな風習の起源は、江戸時代、見たこともない小判を手にした人が「こいつぁ、本物か?」と疑ってちょっと噛んでみるという仕草にある(ことになっている)。

金は、金属の中で格段に柔らかい。
純金で硬度22、「人の爪で傷はつくことはあっても削れることはないほどの硬さ」だそうだ。
他の金属を混ぜて純度が下がると、硬度は上がる。
金75%、銀25%で硬度40。
金75%・銀15%・銅10%で硬度120だそうだ。
それでも、純鉄の硬度110と同レベルだ。

噛んで、柔らかければ、本物、硬ければ贋小判という理屈。

ただ、これは、そもそも純金が柔らかいということを知っていなければ成り立たない。
一生涯、小判に触れる機会がないような貧乏人には無縁な話。

だから、江戸の庶民に、どれほど小判を齧る習俗があったか、かなり疑わしい。
賭場で新米の代貸が、持ち込まれた小判の素性を疑って噛んでみることはあったかもしれないが、あまり品がある仕草ではない。

そもそもの話、日常的に小判を扱っているような富裕な商人や、賄賂大好きな悪徳武家は、小判を持っただけで、本物か偽物かはすぐわかる。

金のもう一つの特性として、とても重い(比重が高い)ということがあるからだ。
金の比重は19.32。
銀10.50 銅8.96、鉄7.87、鉛11.35に比べて格段に重い。
金より重いのは白金(プラチナ)の21.45くらいだ。

手に持てばずっしり重い。
その感覚を覚えている人は、手に持って「おや軽いな」と感じれば、噛まなくても、贋小判だとすぐわかる。

この感覚もまた、金を手にしたことがない貧乏人にはわからない、
何が言いたいかと言えば、小判を噛むのは小判に縁がない人で、お金持ちはそんなことしないということ。

金メダルは、そもそも貨幣ではないし、あの状況で偽物を疑う必要もない。
ましてや人の物だ。
品性の下劣さが、これ以上ないくらい現れてしまった行為である。

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