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自民議員のLGBT差別発言 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月21日(金)

自民党議員のLGBT差別発言が報道され、LGBT当事者の怒りが爆発。

山谷えり子という自民党議員が、今まで何をしてきて、どういう思想的バックボーン(キリスト教カトリック右派)をもった人物か、00年代のジェンダー・バックラッシュでよくよく知っている世代と、それを知らない世代とでは、今回のトンデモ発言の受け止め方(ショック度)がずいぶん違うように思う。

わかりやすく言うと、あの杉田水脈議員を、もっとずっと悪賢く、思想的により確信的にした、10倍くらい質が悪い人物なのだ。
山谷に比べれば、杉田など小物もいいところ。

世界中で、同性愛者やトランスジェンダーの人権運動に強く反対し妨害しているのは、キリスト教右派(カトリック右派、プロテスタント福音派)であることは、よく知られている。

日本でも、ガチガチのカトリックで、宗教右派の頭目である山谷えり子が乗り出したということ。
その主張は、反・同性愛、反・妊娠中絶、反・性教育、反・ジェンダーetcで、カトリック右派の主張そのもので、一貫している。

2003年7月の「GID特例法」成立の際、与党三党で法案の取りまとめをしたのは自民党の南野(のおの) 知惠子参議院議員、公明党の浜四津敏子参議院議員、そして保守新党の山谷えり子衆議院議員だった。
そんなこと、もう誰も覚えていないよね。
ちなみに、山谷は法案成立後、11月の衆議院選挙で落選。
2004年7月の参議院選挙に自民党から立候補して政界復帰。

ところで、「LGBTは種の保存に背く」「道徳的にLGBTは認められない」という発言、山谷は「自分ではない」と主張している。
弁護するわけではないけど、山谷はそれなりに賢いから、このレベルのことは(たとえ思っていても)公の場では言わないと思う。

言ったのは、教養も信仰に基づく信念もないずっと低レベルの自民党議員だと思う。
【追記】簗衆議院議員(栃木三区、当選3回)であることが判明。
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「ばかげたこと起きている」 性自認めぐり自民・山谷氏

自民党の山谷えり子元拉致問題担当相は19日、党内の会議で、自分の性別をどのように認識しているかを意味する「性自認」をめぐり、「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、アメリカなんかでは女子陸上競技に参加してしまってダーッとメダルを取るとか、ばかげたことはいろいろ起きている」と発言した。

『朝日新聞』2021年5月20日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14909980.html?iref=pc_ss_date_article
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「種の保存にあらがう」 自民議員のLGBT差別相次ぐ

LGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案を議論した20日の自民党会合で、差別や偏見に基づく発言があったことが分かった。自民党内の一部に残る差別意識を示すものだ。同会合では、法案の目的や基本理念に「差別は許されない」と加える修正をしたことなどに異論が相次ぎ、了承が見送られた。

会合は非公開で開かれたが、複数の出席者によると、簗和生(やなかずお)・元国土交通政務官(42)=衆院栃木3区、当選3回=は「生物学的に自然に備わっている『種の保存』にあらがってやっている感じだ」と述べた。こうした主張を口にできなくなる社会はおかしい、との趣旨の発言もあったという。

簗氏の発言中、同席者からは批判の声もあがった。だが、一部の議員は簗氏の発言をとがめる声が出たことを問題視し、「政治的に抹殺されるから言えないという状況が生まれつつある」「どんな発言をしても大丈夫な社会をつくるべきだ」などと擁護したという。

性的少数者の存在は自然に反するとの主張は誤りであり、差別だ。簗氏は朝日新聞の取材に書面で「ご照会頂いた会議は非公開のため、発言についてお答えすることは差し控えさせて頂く」としたうえで、「性的少数者をめぐる理解の増進は必要なことだと考えている」とコメントした。

また、西田昌司・党政務調査会長代理(62)=参院京都選挙区、当選3回=は「(性的少数者の当事者も非当事者も)お互い我慢して社会を守る受忍義務がある」と主張。こうした「道徳的な価値観」を無視し、「差別があったら訴訟となれば社会が壊れる」との趣旨の発言をしたという。

差別や困難に直面した当事者が司法に訴える行為を批判するかのような発言だ。西田氏は朝日新聞の取材に「『受忍』とは寛容のこと。ちょっとした差別や違和感でも、法律の趣旨に従って社会全体が受け入れるべきだとなれば、みんなが窮屈になるのではないかという意味で発言した」と語り、修正前の法案に戻すよう訴えた。

LGBT法案をめぐっては、山谷えり子・元拉致問題相(70)=参院比例区、当選3回=も19日、選択的夫婦別姓に反対する自民党の議員連盟で、「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、ばかげたことはいろいろ起きている」などと述べた。山谷氏は20日の党会合でも、従来の主張を繰り返したという。

トランスジェンダーが自認する性別のトイレなどを使うにあたっては、当事者と学校や企業などが話し合って対応を決めるのが通常だ。さらに性同一性障害特例法は性別変更の要件として、卵巣や精巣を摘出するといった不妊手術を求めているが、負担の大きな手術を望まない人も多い。同特例法の手術要件は、国際的にも人権侵害だと批判されている。こうした前提に一切触れず、トランスジェンダー女性について「体は男」と強調する発言は、トランスジェンダーへの差別をあおる危険性がある。

性的少数者をめぐり、自民党は「理解増進」法案をまとめたが、「差別解消」法案を提出した野党と修正協議を行い、法律の目的と基本理念に「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下」と加えるなどした。20日の自民党会合では、この修正に反対する声が相次ぎ、24日に改めて議論することになった。一連の差別や偏見に基づく発言は、法案への異論を述べるなかで飛び出したとされる。

簗氏が朝日新聞に書面で寄せたコメント全文は以下の通り。

ご照会を頂きました会議は非公開のため、会議の内容や発言についてお答えすることは差し控えさせて頂きます。

そのうえで、あえて私の考えを申し述べますと、LGBTなど性的少数者をめぐる理解の増進は必要なことであると考えております。

五輪憲章に違反「国際問題に発展しかねない」
LGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案への自民党議員の発言を受け、SNSなどで批判が相次いでいる。発言の撤回や謝罪を求めるネット上での署名キャンペーンも始まり、21日午後6時半時点で約5万2千人以上が賛同した。

署名キャンペーンを立ち上げたのは、ゲイの当事者で、性的少数者に関連する政策情報を発信する一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣さん(26)らによる有志の会。20日夜、発言撤回と謝罪を求める署名活動を立ち上げ、「これほど酷い現状をなくすためにも、今すぐ自民党は性的指向や性自認に関する『差別を許さない』という法律をつくってください」と呼びかけた。

SNSでは、「#自民党LGBT差別発言の撤回謝罪を求めます」「#トランス差別に反対します」などの抗議のハッシュタグも複数立ち上がった。なかには、杉田水脈衆院議員が2018年、月刊誌への起稿でLGBTの人たちについて「生産性がない」などと言及したことを引き合いに、「『生産性』発言から何も変わっていない」とのツイートもあった。

性的少数者が抱える困難を解消する法整備をめざしてきた「LGBT法連合会」も21日、一連の発言をめぐる報道を受けて緊急声明を発表。「事実だとすれば、当事者ばかりでなくその家族や友人など関係する人びとをも傷つけ、その存在を否定する、到底看過することのできない発言。極めて遺憾」と批判した。

また、東京五輪・パラリンピックについても触れ、「LGBT当事者の選手の参加も見込まれるなか、明らかなオリンピック憲章違反であり、開催国として、国際的な問題にも発展しかねない」と指摘した。

自身もトランスジェンダーで、LGBTの子どもや若者の居場所「にじーず」の代表、遠藤まめたさん(34)は山谷えり子元拉致問題担当相の発言について、取材に「当事者の苦悩や実態に基づかない発言で恐怖を感じた」と指摘。「トランスジェンダーへの誤解や差別が助長されてしまう」と危機感を募らせた。

遠藤さんは、当事者の悩みの多くは、制服などの問題で学校に通えなかったり、当事者であることで仕事に就けなかったりすることだと指摘。「求めているのは、あくまで合理的な配慮で、それぞれの状況に合わせて話し合っていくこと。実態を無視した雑な議論をされると、当事者の努力もかき消されてしまう」と訴える。

『朝日新聞』2021年5月21日 19時09分
https://digital.asahi.com/articles/ASP5P64JMP5PUTFK001.html?pn=7





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