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なんか頓珍漢な話になっている記事 [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月9日(日)

「男性の外見のまま女湯に? トランスジェンダーめぐる言説を当事者や専門家が批判「バッシング、看過できない」」「Bazz Feed」2021年5月7日公開
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/trans-bashing?fbclid=IwAR2Z3ipywsvw12awoiGVtwTVyoLreKe8qPVmh8lnVDM8-ynPgtIU3nw63RA

この記事、全体的な趣旨は良いとして、gender identityの訳語は「性自認」か「性同一性」という問題について、なぜ「専門家」とは言えない人(GID学会理事長だけど産婦人科医とか )に取材しているのだろう。

この問題の専門家だったら、佐々木掌子先生(臨床心理学:明治大学文学部准教授)か、針間克己先生(精神科医・GID学会理事)に取材すべきだろう。

結果、なんか頓珍漢な話になっている。

簡潔に言えば、gender identityの学術的な訳語は「性同一性」であり(だからgender identity disorder の訳語が「性同一性障害」なのだ)、「性自認」は便宜的な訳語。

私の講義では、2019年度くらいから、できるだけ「性自認」は使わず、訳さずにそのまま「gender identity」という形で使っている。

そもそもの話、gender identity(性同一性、性自認)という概念が時代遅れになりつつある。
それはgender identity disorder (性同一性障害)という概念が2021年限りで消滅し、新たに概念化されるgender incongruence(性別不合)の診断基準にはgender identityはもう使われていないことから明らか。

gender identityの絶対性は、1990年代末以降、日本では、性同一性障害者たちによって強く主張されてきたが、私は「gender identityは個人的には重要であり、社会的にも尊重されるべきではあるが、絶対ではない」という立場。
だから、「性自認絶対主義」の「LGBT活動家」の主張には、申し訳ないが、同調できない。


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