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11月1日(日)「ぺんちゃん」の追悼会 [訃報・追悼]

11月1日(日) 曇り  東京  19.9度  湿度65%(15時)

10時、起床。
朝食は、マロンデニッシュとコーヒー。
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12時過ぎ、家を出る。
東急東横線・東京メトロ副都心線・丸の内線で新宿御苑前駅へ。
昼食は、いつものように「丸亀製麺」(詳細別記)。

「レガシー」に寄って、1時間半ほど雑務。
14時40分、辞去。

徒歩で新宿1丁目の鉄板焼き屋へ。

今日は、ここで「ぺんちゃん」の追悼会。
「ぺんちゃん」は1990年代~2000年代、新宿の女装バー&スナックの男性客で、自分は女装しないが女装者が大好きな「女装者愛好男性」の典型的な1人だった。

私が最初に会ったのは、たぶん1996年、新宿歌舞伎町区役所通りに女装スナック「ジュネ」だったと思う。
今日、思い出したが、当時の新宿女装世界の顔役で、私が「女装者愛好男性」を概念化したモデルの斎藤会長が連れてきて紹介されたような気がする。

私は「斎藤さんの女」ということになっていたので、ぺんちゃんは私にはちょっかいを出さず(ただ好みでなかったのかもしれない)、私とはだだのお客とホステスだけの関りだった。
それほど深酒するタイプではなく、どちらかと言えば、おとなしいお客さんだった。
縁が濃かったわけでもなく、なにしろ最後に会ってから20年近く経っているので、お顔もよく覚えていなかった(遺影を見て、ああ、この人と思い出した)。

出席したのは、古い友達の松田千絵さん(歌舞伎町「ミステリー・スポット東京」のママ)が誘ってくれたからで、同時に他の古い知り合いの消息がわかるかも、という思いだった。

追悼会には「背の高いお嬢さん」たちをはじめ30人ほどの関係者が集まっていた。
故人の人徳を偲ばせる。

ぺんちゃんは、今年の4月に亡くなられたが、長患いもせず、満88歳の大往生だったとのこと。
私が24年前に会った頃、60歳前後だった印象があるから、辻褄は合う。

面白かったのは、開会の辞と弔辞を読んだ発起人2人がどちらも「ぺんちゃんの女」だったこと。
さらに、会場には3人くらい「ぺんちゃんの女」がいた。
どうやら、病気で衰えた斎藤会長の後の2000年代が「ぺんちゃん」の全盛期だったらしい。
追悼会に元愛人が5人もいたら修羅場になりそうなものだが、そこは「女装世界」、和気あいあいの雰囲気で故人を偲んだ。

歴史研究者の悪い癖で、挨拶に来た発起人に尋ねると「ぺんちゃんの女」だった期間は、交代ではなく重なっていることがわかった。
まあ、同時並行的に複数の「女」の面倒を見るだけの経済力と気配りがあった人なのだろう。

驚いたのは「ペンちゃん」のご家族(同居していた娘さんと孫娘さん、そして息子さん)が来ていたこと。
とくに娘さんは、お父さんのちょっと変わった夜遊びを知っていたようだ。

で、さらに驚いたのは、その娘さんが「三橋さんて、講演のお仕事とかされてますよね?」と尋ねてきたので「はい」と返事すると、「ウチ、杉並で、この娘(孫娘)和田中なんですよ」。
杉並区立和田中学校は2003年から2008年まで、私は藤原和博校長の「よのなか科」の「差異と差別を考える」の授業のゲスト講師を務めていた。
今27歳の孫娘さんは、私のゲスト講義を受けた中学生さんだった。

なんという奇縁!と驚いていたら、孫娘さんも「家でその授業のことを話したら、お祖父さん(=ぺんちゃん)が『その順子というのは俺のダチなんだ』と言うので、またお祖父ちゃん適当なことを・・・と信じなかったのですけど、ホントだったのですね」と驚いていた。

千絵ママと昔のことをいろいろ話す。
「あの頃は、お互い元気だったし、いろいろ楽しかったね」と言うと、「順子さんはいつも穏やかで後輩をいじめなかったから、いっしょに遊んでいて楽しかったんですよ。だから、今日、お声をかけたんです」という返事。

ふ~ん、そうだったのかぁ。
私とは逆に「いつも後輩をいじめていた怖い人」がいたということ。
その人は、呼ばれてなかった(笑)。
だって、後輩をいじめて潰すより、やさしくして育てた方が、ぜったい女装世界の将来の繁栄につながるじゃないか。

ただ、南麻衣子さんや早春(さはる)さんなど、私と同年代で亡くなった方もいて、次は私の番だなと思った。

「ぺんちゃん」のお陰で、楽しかった時代をいろいろ思い出すことができた。
ありがとうございました。
御魂の安からんことを。

18時半、辞去。
夕食は、家猫さんと、自宅最寄り駅前の回転寿司。
炙りマグロ。
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今年のサンマは、やはり小さくて高い。
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蒸し牡蠣。
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就寝、2時。

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てらおまりこ

ペンちゃん懐かしいです。ウイッグを買ったばかりの頃、アクトレスでお会いしました。見るからに初心者の私のお隣に座って下さり、いきなりキスの御挨拶にたじろぐ私に、女としてこのようなお店に来るイロハを教えて下さいました。手を握って耳元で歌って下さったり、やさしく肩を抱いて下さったり、メロメロな気持ちと当惑する気持ちで、何という人(老人)だろうと驚きでした。実は最良の指南役に巡り会えたのですね。2013年の3月のことでした。
by てらおまりこ (2020-11-05 21:41) 

三橋順子

てらおまりこ さん、いらしゃいま~せ。
お返事、遅くなって失礼しました。

良い思い出を残した方だったのですね。

女装世界には、ぺんちゃんのような女装者愛好男性が、いつの時代にも必要なのだと思います。
by 三橋順子 (2020-12-03 01:39) 

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