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「変態性欲」研究書シリーズ(その2)澤田順次郎『變態性醫學講話』(1934年) [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

9月2日(水)

「変態性欲」研究書シリーズ(その2)

澤田順次郎『變態性醫學講話』
1934年(昭和9年)6月27日刊行
発行所:通俗醫書刊行會(東京市神田区柳町)
発行人:久保田愛美
発売所:一進堂書店(東京市神田区錦町)

全784頁。13×19㎝(四六判)
定価:3円50銭(特価2円80銭)

【背表紙】厚さは5cm。まさに堂々たる大著。
変態性医学講話(澤田順次郎)1 - コピー.JPG

【表紙】函は失われている。
変態性医学講話(澤田順次郎)2 - コピー.JPG

【内扉】
変態性医学講話(澤田順次郎)3 - コピー.JPG

【目次】
緒論
総論
 第1章 流行性を帯びたる変態性欲
 第2章 変態性欲の範囲、研究及びその分類
 第3章 変態性欲一般の研究法
第1篇 変態性欲の原因と発生発達及び要素
 第1章 恋愛の発生と潜在意識
 第2章 同性愛の原因及び両性の区別
 第3章 先天的同性愛又は同性間性欲
 第4章 女装男子の心理及びその実例
 第5章 変装及び異性生活を喜ぶ心理
 第6章 無差別期に於ける同性愛及び混沌性
 第7章 差別期に於ける男性恋愛及び女性恋愛
 第8章 異性化
 第9章 後天的同性愛又同性間性欲
第2篇 変態性欲の現象及び人間の猟奇性と残忍性
 第1章 性生活の社会に及ぼす影響
 第2章 大名の猟奇生活
 第3章 変態性欲の大衆化
 第4章 怨歌行
 第5章 儀式化せる恋愛又は同性の変態
 第6章 宗教及び道徳と変態性欲
 第7章 常態性欲より変態性欲へ移行の経路
 第8章 殺人興味
 第9章 病的殺人と迷信殺人及び人肉嗜好乃至は薬用としての殺人
 第10章 変態的なる拷問と惨刑
第3篇 反生理及び反社会的なる変態性欲
 第1章 生理と性欲及び月経
 第2章 妊娠、産褥及び病中に於ける房事
 第3章 年齢の男女懸隔又は幼老に於ける性欲の変態
 第4章 偉人の顛倒年齢と兄嫁又は弟嫁を娶る習俗
 第5章 天才と恋愛
 第6章 風俗と羞恥感及びこれを紊(みだ)す性行為の罪悪
 第7章 変態性欲としての血族結婚に関する考察
 第8章 変態性欲としての一妻多夫に関する考察
 第9章 無羞恥と変態性欲
 第10章 裸体と羞恥
 第11章 高師直と久米仙人及び一休禅師
 第12章 変態性欲としての姦通
変態性欲の概括及び結論
結論

【奥付】
変態性医学講話(澤田順次郎)4 - コピー.JPG

【著者】
澤田順次郎(さわだ じゅんじろう 1863年~1944年)は、日本の性科学者。
1863年(文久3)、江戸の生まれ。東京府士族。
1882年(明治15)から中等教育に従事し、1904年頃、宮崎師範学校、1907年頃、海城中学校で博物の教師をしていた。
1912年(大正元)に『性慾論講話』を刊行して以降、著述業に転じ、1920年『性』、『性の知識』、『性欲と恋愛』などの雑誌を創刊した。
1915年(大正4)には、羽太鋭治と共著で『変態性欲論』(春陽堂)を刊行し、「性慾学ブーム」の中心的存在となった。
通俗性科学者として著作は多く、中でも『変態性医学講話』( 通俗医書刊行会、1934年)は晩年の集大成的な著作。
1944年(昭和19)、没。

【感想】
「目次」を見ればわかるように、とても多岐にわたる記述だされている。
時代的・思想的に、現代では通用しない見解も多いですが、中にはなかなか先見的な見解もあるように思う。
1つ1つ批評して、澤田の思想体系を再構築したら、なかなか良い修士論文になると思うが、誰もやらないだろうな。
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