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トランスジェンダー女性を受け入れた奈良女子大学の三成美保副学長のインタビュー記事 [現代の性(性別越境・性別移行)]

9月1日(火)
トランスジェンダー女性を受け入れた奈良女子大学の三成美保副学長(ジェンダー法学)のインタビュー記事。
https://www.asahi.com/articles/ASN805KJNN8SUTIL01H.html?iref=pc_ss_date
朝日新聞20200901.jpeg
『朝日新聞』2020年9月1日朝刊(教育面)

まず、手続きの詳細が初めて明らかになった。
・出願の1カ月前に、大学教授らの事前面談。
・その際、自分の性別についての認識「性自認」を証明する書類(医師の診断書、医師・カウンセラーの意見書、親族2人の署名が入った本人の説明書など)が1つあればOK(診断書は必須ではない)。
・親に認められていない人でも入学できる仕組み。
・大学からは、トイレや更衣室などの設備や、提供できるサービスを説明。

有料記事で、ネットでは大半が読めないが、9月1日朝刊紙面によると、この後に、重要な語りがある。

「法律(性同一性障碍者特例法)が欧州並みになれば、日本でも早い段階で(性別を)変更でき、女子大がトランス女性受け入れとを言わなくてもすむ。今回の受け入れは非常に過渡的なものと言えます。これを押さえていない報道が多い」

「特例法はもはや国際人権基準に合わなくなっており、そのひずみが女子大のトランス女性受け入れという形に焦点化されているのです。」
はっきり、「性同一性障害特例法」の「欧州並み」の改正、具体的には年齢要件、非婚要件、子なし要件、手術要件の見直し、を視野に入れている。

そして、女子大のトランス女性受け入れが「TGの権利保障」であり、女子大は「性の問題に抑圧を感じる人にとっての避難所であり、それを組織的に研究する拠点」であり、「トランス女性にとって、自分のアイデンティティーへの自信と確認、そして仲間、それらを見つける場として、良い環境なのです」と述べる。

さらに、「トランス女性として入学後に性自認が男性に変わっても、退学にしない」「また、戸籍上女性で、20歳になった後に性別適合手術を受けて、戸籍を男性に変えた場合も退学にしません」と「約束」したことも述べられている。

これもかなり重要なことで、性別の問題で就学の継続が妨げられることがないというのは、トランスジェンダーの学生には大きな安心になるだろう。

私が、2005年のお茶の水女子大学の「トランスジェンダー論」の講義で、「女子学生さんが男性に性別変更したら退学になっちゃうんですかね?」と、ふと思いついて、ジェンダー研究所の教授に質問したら「考えたこともなかったわ」と返答されてから15年、日本もやっとここまで来たのだ。感慨深い。
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