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 銀座の「木挽町辨松」、152年の歴史に幕 [世相]

4月18日(土)

亡母が「辨松」のお弁当が好きで、渋谷の東急東横店で買ってきてくれた。
その影響で、私もときどき買っていたので、とても残念。

状況的に仕方がない面もあるが・・・。

辨松閉店.jpg
「東京商工リサーチ」2020年04月02日
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歌舞伎ファン舌鼓、152年に幕 銀座の「木挽町辨松」 経営難にコロナ追い打ち

東京・銀座の歌舞伎座の前にある老舗弁当店「木挽町辨松(こびきちょうべんまつ)」が、20日で店をたたむ。創業から152年。経営難に加え、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちとなった。歌舞伎役者や観劇客らに愛された店が幕を下ろす。
 ■「幕の内一番」
同店は1868(明治元)年の創業。歌舞伎座や新橋演舞場の観客が芝居の幕あいに食べる観劇用の弁当として親しまれてきた。定番は「幕の内一番」(税込み681円)。冷めてもおいしく食べられるようにと、濃いめの味付けが特徴で、卵焼き、うま煮、魚のみそ漬けといった品々が入っている。

「うちの味は絶対にうちにしか出せない。馬鹿みたいに頑固にやってきました」と5代目の猪飼信夫(いかいのぶお)社長(67)。先代からのレシピは一切変えていない。

 ■海老蔵も獅童も
歌舞伎の名優たちの腹も満たしてきた。故・中村勘三郎さん、市川海老蔵さん、中村獅童さん。ひいきにしてもらった役者は数知れない。2世代、3世代にわたっての常連も多いといい、作家の池波正太郎もエッセー「日曜日の万年筆」に、「母と共に歌舞伎座へ入ると、先(ま)ず『辨松』の五十銭の弁当を予約しておく。そのうれしさというものは少年の私にとって、まったく、『こたえられない……』ものだったといえよう」とつづっている。

同店は地域にある神社のお祭りや、家を建てる際の上棟式、端午の節句や成人式など、慶弔時に出す仕出し弁当も好評だった。だが、近年は利用が急激に減り、弁当製造設備の老朽化、さらに後継者難なども重なった。

3月には、支店を出していた渋谷の東急東横店が閉店。のれんを守ろうと模索し、事業譲渡の話が進んでいたが、新型コロナウイルスの影響で見送りに。歌舞伎座や新橋演舞場の臨時休演も続き、今月20日を最後に廃業することにした。

廃業の知らせを耳にした常連客からは別れを惜しむ声が連日届いているという。休業の貼り紙を眺めていた歌舞伎ファンの女性(62)は「辨松のお弁当は子どもの頃から歌舞伎の楽しみの一つでした。あるのが当たり前と思っていたので、とてもさみしいですね」とぼやいた。

 ■「陽気に別れを」
新型コロナウイルスの感染拡大で、この1カ月は売り上げが1割程度までに落ち込んだことも。だが、4月に入ってからは連日、なじみの味を最後に食べようと訪れる常連や、「一度食べてみたかった」という初めての客のおかげで、店頭販売分が完売しているという。猪飼社長は「世の中は暗い状況だけど、お世話になったお客さんたちとは、できるだけ陽気にお別れしたいもんです」と話している。
 (大山稜)
『朝日新聞』2020年4月18日 16時30分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14447244.html?pn=4
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