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三島って好きじゃないんだけどな [お仕事(出演・取材協力)]

2月5日(水)

朝日新聞から取材依頼。
夕刊・水曜日「時代の栞」というコーナー。

今日(2月5日)は、石川達三『蒼茫』(1935年)で、ブラジル市民の苦難が取り上げられている。

で、私が関わる回は、三島由紀夫『仮面の告白』(1950年)だそうだ。

私、三島って、好きじゃない(はっきり言って嫌い)なんだけどな。
まあ、文学論じゃなく、時代背景、戦後のセクシュアル・マイノリティの歴史を聞きたいということなので、取材を受けることにした。

でも、三島が「仮面の告白」を書いていた1940年代後半(占領期)の男性同性愛事情って、資料がほとんどない。
戦後日本の男性同性愛文化の形成には進駐軍(アメリカ軍)が関わっていると推測されるのだが、進駐軍関係の資料はほとんど「ブラックボックス」でよくわからない。

むしろ、進駐軍関係の同性愛も、日本の伝統的な年齢階梯制に基づく男色文化(年上=能動、年下=受動という関係性)にかなり影響されているように思う。
大人の男性(進駐軍将兵)と日本人少年(gay boy)という関係。

ただ、年齢階梯制によらない大人の男性同士の同性愛も、ヨーロッパから知識としては(すでに戦前から)入っていた。
三島のような知識人階層だと、ヒルシュフェルト先生の本などで、そこらへんは知っていたはず。
(作中にも出てくる)

問題は、現実と知識の相違をどう位置付けるかだな。


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