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思いがけない、うれしい依頼 [お仕事(執筆)]

12月1日(日)

神田神保町「すずらん通り」に、中国書籍専門の「東方書店」がある。
私は、高校生の頃から「北京放送」(短波)を聞いていた毛沢東思想かぶれだったので、駿河台の予備校に通っていた浪人時代、「東方書店」で雑誌『人民中国』などを立ち読みしていた(ときどきは買った)。

大学に入って歴史学を学ぶようになってから、毛沢東思想からは離れたが、「東方書店」の広報誌『東方』は、その後もずいぶん長く定期購読していたし、何度かあった中国旅行の際には「東方書店」で地図や資料を購入した。

先日、新宿二丁目の「オカマルト」で、若い頃(大学院時代)の中国・西域旅行(名分は大学派遣のシルクロード学術調査団)の思い出話をしていたら、たまたま『東方』の編集部の方が来店し、私のおしゃべりを聴いて「その話、とてもおもしろいから、うちの雑誌に書いてください」と言われた。

まあ、社交辞令かなと思っていたら、ほんとうに依頼メールが来た。
近代化・経済発展する以前の、「文革」の余燼が残る中国(人民公社とか健在だった)の、しかも西域地方の見聞は、今となっては貴重とのこと。
そういわれると、20数人の調査団のメンバーの内、たぶん7割くらいは、すでに鬼籍に入っている(私は最年少だった)。

若い頃にお世話になった書店・雑誌に40年も経ってから執筆できるなんて、思いもよらない、夢のような話だ。

ただ、カフェーでの放談ならともかく、文字に記すとなると、40年前の記憶だけでは心もとない。
当時の記録や写真が、書庫の奥にあるはず(捨ててはいない)だが、なにしろ40年の堆積物の下で、発見・取り出しは容易なことではない。

ということで「執筆の件、前向きに考えるけど、確定的なお返事は、しばらく待ってほしい」と返信した。
それにしても、人生、思いがけない出会いがあるものだ。
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