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新宿二丁目「Goldfinger」問題(2) [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月28日(火)

新宿二丁目「ゴールドフィンガー」問題。
GOLD FINGER TW差別.jpg
トランス女性排除は日本のレズビアン業界の古くからの慣習で、私のように、それをよく知っている者は、そうした慣習を是認しないまでも、あえて事を荒立てるようなことはしなかった。
レズビアンのイベントに行こうとも思わないし、別の世界のことという感覚。

今回のトラブルが今までと違うのは、「WOMEN ONLY」のイベントの入場を断られた告発者(トランス女性)が外国の方ということ。
欧米のレズビアン系イベントは、ほとんどの場合トランス女性OK。
セックスパーティでない限り、多くの場合、男性パートナーも入れる。
そうした世界の人からすると、日本のレズビアン業界の慣習が差別的と映るのは無理もない。

さらに、告発されたトランス女性(外国籍)の方は、自国で性別(ID)を女性に変更されている、法身分的には女性の方。
欧米では法身分的な女性を、女性扱いしないことは、まず許されない。
そこらへんの感覚も、日本のレズビアン業界とはかなり違う。

ということで、とても厄介な状況。
正直、「落しどころ」が見つからない。
外国の活動家の方は理詰めで戦略的だから、「ここは私の顔を立てて、なんとか鉾を収めてください」のような日本的な「解決」方法も難しい。

背景として「二丁目」の国際化という問題がある。
2020東京オリ・パラを控えて、外国人のお客さんが増えてくると、日本のレズビアン/ゲイ業界独自の「慣習」と欧米の「常識」のズレがいろいろ顕在化してくる。
今回のGFの件は、まさにその典型的な事例。

早い話、「パンドラの箱」が開いてしまった感じ。
今までは「見て見ぬふり」だったが、あれだけはっきりトランス女性排除が打ち出されると、もう「見て見ぬふり」はできなくなる。
最低限「シスジェンダーの方(生まれも性自認も女性)」という表示は撤回してもらわないと、どうにもならない。

その上で、どういう客を入れるかは、店主(イベント主催者)にある程度の裁量権があるわけで、お客さんの安全(セキュリティー)を最優先に掲げて、個別判断をしていくしかないと思う。

つまり、カテゴリーで客を切り分けるのではなく、セキュリティーで切り分けるということ。
「当イベントでは、お客様の安全を最優先に考え、主催者の判断で入場をお断りすることがあります」と掲示する。
ここらへんが「落としどころ」なのではないだろうか。

もう一つの問題はTRP(東京レインボープライド)との関係。
トランス女性排除を公然化した店(団体)が、LGBTの連帯をうたうTRPに参加してレインボーフラッグを振る状況を、トランスジェンダーとして容認できるかと問われれば、当然「容認できない」と答えざるを得ない。

それは、私だけではないと思う。
それを許せば、TRPそのものの存在意義が問われることになる。

言うまでもなく、レインボーフラッグは「LGBTの連帯」の象徴だ。
レインボーフラッグのもとに、あからさまなトランスジェンダー排除をする店の参加を認めれば、レインボーフラッグは「LGBTの連帯(トランス女性は除く)」の象徴になってしまう。

それでいいのか?ということ。

だからこそ、なんとか折り合って解決してほしいと思う。
TRPは傍観していないで、積極的に調停に乗り出すべきだ。

今回のGFの件、TとLの住み分けをしてきた私のような旧世代は「困惑」という感じが強い。
一方、「LGBTの連帯」を文字通りに受け止めて来た若い世代(トランスもレズビアンも)の「怒り」が強いように観察される。
そして、彼女/彼らこそがTRPの実働部隊の一翼を担ってきたわけで、このままでは影響は大きいと思う。


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