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LGBT支援検討会合 茨城県医師会副会長発言「多数派に戻る治療ないのか」 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

5月6日(月・休)

医者の知性を嘗めてはいけない。
このレベルの認識の医者はいくらでもいる。
珍しくもない。

この先生の発言は「悪意」はなく、むしろ「善意」なのだと思う。
ただ、まったく無知なだけ。

「善意」だからこそ怖い。
医学の場では「善意」で、とんでもないことをやらかした例はいくらもある。
「地獄への道は善意で舗装されている」。

満川(みつかわ)元一先生は、1974年、昭和大学医学部のご卒業。
先生が国家試験に通って医師になったころは、まだ同性愛は立派な精神疾患で、電気ショックなどの矯正療法が「治療」として行われていた時代。
ご専門は、婦人科なので、精神科についての知識は45年間、止まったままなのだろう。

医者の専門分野以外の医学知識は、よほど博覧強記で勉強熱心な例外的な人以外は、ほとんど更新されないと思った方がいい。
なぜなら、一般的な医者は、再教育の機会がほとんどない。
1度、国家試験を通ったら、一生涯(50~60年)免許更新はない。

ちなみに、満川先生は開業医ではなく、日本赤十字社・水戸赤十字病院の方で、今年3月まで院長を務められていた。

この発言で、医学(精神医学)が、過去に「治療」と称して同性愛者に何をしてきたか、そしてそれが(悪意はなくても)明白な人権侵害だったことが、医師たちに共有されていないことがはっきりわかる。
同時に、そのことは多くの同性愛者にも共有されていない。

つまり「落とし前」(事実に基づく過去の反省と謝罪)がしっかりついていないということ。

現状では、同性愛者の活動家の多くは「婚姻平等の達成」に全力を注いでいて、医学界と過去の「落とし前」をつける余力がないのはわかっている。
でも、いずれ、きっちり「落とし前」をつけないと、同じようなことが繰り返されると思う。

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LGBT支援検討会合 茨城県医師会副会長発言「多数派に戻る治療ないのか」

同性愛者ら性的少数者(LGBT)などへの支援策を検討する茨城県主催の会合で、県医師会の満川(みつかわ)元一副会長が「性的マイノリティー(少数派)の人に、マジョリティー(多数派)に戻ってもらう治療はないのか」と発言した。性的少数者の当事者らは「ショックだ」と不快感を示している。 (鈴木学)

会合は、性的少数者のカップルを公認する「パートナーシップ制度」を含め県ができる支援策を検討する目的で、当事者や医師、弁護士など計十人の委員が六月まで四回開く予定。発言は四月二十五日の初回で、委員それぞれが考え方を述べていた際にあった。

満川副会長は「性的マイノリティーの人に、性的マジョリティーに戻ってもらう治療はないのかという思いはある」と発言し、「少子高齢化の時代、産婦人科医としては一人でも多くの子どもをつくっていただきたい。戻っていただけないかと医者としての思いがある」とした。

この発言に、当事者で、テレビ会議で出席していたNPO法人東京レインボープライド共同代表理事の杉山文野さんは「ショックだった。多数派が正しく、少数派は間違っているから直すべきだという考え」と指摘。「正しい知識を学んでもらえば『戻る』という言葉自体が出てこない。悪気はないでしょうが、この考え方が差別的と感じる」と指摘する。

満川副会長は本紙の取材に「治療は医師として普通に使う言葉だが、あの場では使わない方が良かった。社会の潮流は知っているが、それを当たり前と受け止めるのは医師として引っかかる。戻ることは不可能なのか、そのまま男女の成長をしてもらうカウンセリングはいけないのか」と話す。一方で「私は専門家ではない。無理解な言動もあり得るが、文献や他の委員の意見を参考に考えを整理する」とも釈明した。

世界保健機関(WHO)は一九九〇年に「国際疾病分類」から同性愛の項目を削除。「治療対象にはならない」とし、厚生労働省もこの見解を採用している。性同一性障害についても、WHOが昨年公表した同分類の最新版で精神疾患から外した。

法務省は「性的指向や性自認を理由とする偏見や差別をなくし、理解を深めることが必要」として啓発活動を続けている。

『東京新聞』2019年5月6日 朝刊
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019050602000173.html?fbclid=IwAR0ZYg8Fz61V1_ZsHfua7ZSDtW0XmBxQ-2Wy435wVWeVf1tzgF-c2RlrWfA


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