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一橋大学、同性愛アウティング転落死事件、学生遺族側が敗訴 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

2月27日(水)

ご遺族の思いを察するに、心情的には残念な判決だった。

ただ、大学側の対応はベストには程遠かったにしろ、まったく何もしなかったわけではなく、裁判で責任を問われなければならないレベルの過失があったかと言えば、かなり難しいと思う。

大学の保健センターが受診を促した病院も、同性愛に起因する精神的なトラブルへの対処としては、専門性という点でむしろ第一選択だったと思う。

遺族の方が控訴して裁判が続くのかはわからないが、大学側には道義的責任を自覚して、再発防止策を徹底して欲しい。

【追記(28日)】
保健センターが紹介した病院は「はりまメンタルクリニック」だと言われている。
その点、「同性愛者に性同一性障害専門の病院を紹介した、けしからん!」という話になっているようだが、院長の針間克己先生を単に「性同一性障害治療の専門医」とだけ認識しているのなら、それはかなり認識不足だ。
かつて(1990年まで)同性愛も含まれていた「性的逸脱」全体に広い見識をもつ精神科医は、他に思い浮かばない。

同性愛は精神疾患ではないので、精神科を受診する必要がないのは当たり前で、したがって、同性愛に詳しい精神科医はほとんどいない。
その点、針間先生は数少ない適任者ということ。

同性愛に起因する精神的なトラブルへについて、仮に私が相談されたとしても、第一選択として受診を勧める。

大学の保健センターが、そういう認識で紹介したかどうかは、私にはわからないが、結果的には第一選択だったと思う。
もし、受診していたら、最悪の結果にはならなかったのではないか、と思ってしまう。

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学生遺族側が敗訴=転落死「予見できず」-同性愛暴露訴訟・東京地裁

同性愛者であることを大学の同級生に暴露され、パニック発作を起こして転落死したのは、大学側が適切な対応を取らなかったからだとして、一橋大法科大学院の男子学生=当時(25)=の遺族が同大を相手取り、計約8500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。鈴木正紀裁判長は「大学側は転落死を予見できなかった」と述べ、遺族側の請求を棄却した。

鈴木裁判長は「同級生は暴露前から、性的指向が人権として尊重されることを認識していた」と指摘。第三者が性的指向を本人に無断で公表する「アウティング」被害について、大学が指導していたとしても、「暴露が発生しなかったとは言えない」とした。

遺族側は、男子学生が同級生と同じ授業に出席すれば発作を起こす危険があったのに、大学側はクラス替えをせず、安全配慮義務を怠ったとも主張したが、判決は「学生は大学のハラスメント対策委員会に対し、クラス替えを希望しない決断をしていた」と指摘。「大学に安全配慮義務違反はなかった」と退けた。

判決によると、2015年6月、同級生が無料通信アプリ「LINE(ライン)」のグループで「お前がゲイであることを隠しておくのムリだ」と学生の実名入りで暴露。学生は同年8月、授業中にパニック発作を起こして学内の保健センターで休養した後、別の建物6階から転落死した。

原告側代理人によると、暴露した同級生とは既に和解が成立している。

学生の父親(63)は、代理人を通じ「判決はうわべだけで判断している」と批判。母親(57)も「今は言葉がありません」とコメントした。
 一橋大の話 引き続き、マイノリティーの権利の啓発、保護に努める。

「時事通信」2019年02月27日18時54分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019022700735&g=soc&fbclid=IwAR1reVKA8UMQkZb9KPyfz7QXNawhne7irqGvcN4vqsH3Gpn1ytprJOrtKls

『東京新聞』2019年2月28日朝刊(社会面)
東京新聞20190228.jpg

同(社説)
東京新聞20190228(社説).jpg

『朝日新聞』2019年2月28日朝刊(社会面)
朝日新聞20190228.jpg


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