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ドラマ「女子的生活」(NHKテレビ、2018年)のまとめ [お仕事(講義・講演)]

12月3日(月)

ドラマ「女子的生活」(NHKテレビ、2018年)のまとめ

① 「性同一性障害」概念がしきりに流布された00年代においては、「女の子になる」に際して、身体的性別(性器の形態など)を外科的な手術により女性の形に似せることや、「心が女である」ことが過剰に強調・重視されたが、このドラマでは、それらの点にほとんど言及されない。

② その一方で、望みの性別である女性ジェンダーをすること(Doing gender)、「女子的生活」をすることに、大きな比重が置かれている。
また、性別移行がテクニカルな要素によって支えられていることも示されている(西原さつきさんの技術指導)。

③ 現在、トランスジェンダーの国際的定義は「出生時に指定された性別(sex assigned at birth)と異なる性別で生活している人」であり、このドラマの設定はその考え方に沿っている。

④ 「性同一性障害者」として医療福祉を求めるのではなく、一人の生活者として社会の中にある「壁」や偏見と、しなやかに粘り強く「闘う」主人公のポジティブな姿勢と、それを応援する周囲の人々が描かれている。

⑤ 00年代に流布した「性同一性障害」概念から、10年代半ば(2015年~)に再浮上するトランスジェンダー概念への、テレビ・メディアにおける転換を示す画期的な(記念碑的な)ドラマとして評価したい。

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