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「母はネアンデルタール人、父はデニソワ人」 ロシアで発見の化石 DNA鑑定で [性社会史研究(一般)]

8月23日(木)

とても興味深い発見。

ネアンデルタール人、デニソワ人、そして現生人類の先祖、同じヒト(Homo)属(ホモサピエンス)でも異なる種の間で、交配が繰り返され遺伝子がハイブリッドされていた可能性が強くなった。

現在のネグロイド、コーカソイド、モンゴロイドの人種の形成に異種間の混血が影響している可能性が出てきた。

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「母はネアンデルタール人、父はデニソワ人」 ロシアで発見の化石 DNA鑑定で

昔々ロシアの洞窟で、異なる種の旧人類2人が出会った。5万年後、科学者らは2人には娘がいたことを突き止めた。
この洞窟で発見された骨から検出された遺伝子によって、この骨の持ち主の少女はネアンデルタール人の母とデニソワ人の父を持つことが分かった。
学術誌「ネイチャー」に発表されたこの発見は、現生人類に最も近いヒトの生活について、貴重な情報をもたらしてくれた。
ネアンデルタール人とデニソワ人は我々と同じヒト属だが、違う種に属している。
独マックス・プランク進化人類学研究所(MPI-EVA)の研究員ビビアン・スロン博士は、「これまでの研究から、ネアンデルタール人とデニソワ人の間に子どもができていたことは推測されていた」と話した。
「しかし実際に両者の間にできた子どもを発見できるとは思っていなかった」

人類はネアンデルタール人の子孫?
現在、非アフリカ系の人類の遺伝子にはネアンデルタール人を起源とするものが少量含まれている。
そのうち一部地域に住んでいる人はさらに、アジア地域に住んでいたデニソワ人の遺伝子も持っている。
何世代にもわたって受け継がれてきた遺伝子によって、種の異なるヒト同士で交配があったことが示されている。
しかし、デニソワ人とネアンデルタール人両方の化石が見つかっているのは、シベリアのアルタイ山脈にあるデニソワ洞窟だけだ。
さらに、これまでにDNA鑑定を受けた化石人類はとても少なく、20体以下だという。
スロン博士はBBCニュースの取材で、「このとても少ない鑑定の中から、種の異なる父母を持つ個体を見つけた」と話した。
他の研究なども考え合わせれば、「人類の進化の歴史は全て、混血によって成り立っているという説が浮上してくる」という。

ネアンデルタール人とデニソワ人とは?
ネアンデルタール人とデニソワ人は、ユーラシア大陸で同じ時期に生きていたことが分かっている。
ネアンデルタール人は西側で、デニソワ人は東側で、共に4万年前ごろまで生きていた。
その後、ネアンデルタール人が東に移住していくことで、デニソワ人や、現生人類の祖先に出会った可能性がある。
MPI-EVAのスバンテ・ペーボ所長は、「ネアンデルタール人とデニソワ人が出会う機会はそれほど多くなかっただろう」と話した。
「しかし一度出会えば、私たちがこれまで考えていた以上に頻繁に交配していたはずだ」

この家族について分かっていることは?
数年前にデニソワ洞窟でロシアの考古学者が見つけた骨のかけらから、この少女の物語は始まった。
骨は独ライプツィヒで遺伝子分析を受けた。
カナダ・トロント大学のベンス・バイオラ氏は、「このかけらは長い骨の一部で、この人物が少なくとも13歳に達していたと推測できた」と説明する。
研究者らは、この少女の母親はそれまでデニソワ洞窟に住んでいたネアンデルタール人より、西欧地域に住んでいたネアンデルタール人に遺伝的に近いと推測している。
つまり、ネアンデルタール人は絶滅する数万年前から、欧州東西とアジアの間で移住を繰り返したことになる。
遺伝子分析ではさらに、デニソワ人の父親には少なくとも1人、ネアンデルタール人の祖先がいたことも明らかになった。

BBCニュース(ヘレン・ブリッグス)
(英語記事 DNA shows cave girl was half Neanderthal)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45280109



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